ArcGIS 10.1 の新機能 - ジオデータベース

ArcGIS 10.1 では、エンタープライズ ジオデータベースとそのデータの操作が大幅に改善されています。バージョン 10.1 では、フィーチャクラス、ジオメトリック ネットワーク、トポロジ、クエリ レイヤを操作するための新しいツールが追加されているほか、[データベース コネクション] ダイアログ ボックスや [権限] ダイアログ ボックスなど、すでにあったジオデータベースの機能やツールも改善されています。

次のセクションでは、上記のすべてとその他多数の機能強化について説明します。

ArcGIS からの接続

エンタープライズ ジオデータベースの接続の改善

ArcGIS 10.1 では、[データベース コネクション] ダイアログ ボックスが簡略化され、接続するときに必要となる入力が少なくなりました。また、サポートされているデータベースであれば、エンタープライズ ジオデータベースが含まれていないデータベースであっても接続できるように機能が拡張されています。

接続するデータベースを選択してから、接続情報を提供します。PostgreSQL データベースに接続する例を次に示します。

[データベース コネクション] ダイアログ ボックス

カタログ ツリー内の [Database Connections] ノード(正式には [空間データベース接続] ノード)から、このダイアログ ボックスにアクセスします。データベース接続の詳細については、「ArcGIS for Desktop でのデータベース接続」をご参照ください。既存の空間データベース接続ファイルは ArcGIS 10.1 でも引き続き機能します。

管理者は、必要な情報を含む接続ファイルを作成して、それを他のユーザと共有できます。詳細については、「接続ファイルの事前構成」をご参照ください。

また、新たに追加された [データベース接続の作成(Create Database Connection)] ジオプロセシング ツールでは、データベースやジオデータベースの接続を作成できます。入力内容は [データベース コネクション] ダイアログ ボックスと同じで、ジオデータベースに接続するときに使用するバージョンも定義できるようになっています。このツールは、[データベース管理] ツールボックスの [ワークスペース] ツールセットにあります。

ArcSDE サービスで接続を作成する場合は、[ArcSDE 接続ファイルの作成(Create ArcSDE Connection File)] ジオプロセシング ツールを使用します。

[データベース コネクション] ダイアログ ボックスまたは [データベース接続の作成(Create Database Connection)] ツールからデータベースに接続できるようになったため、[OLE DB 接続を追加] ダイアログ ボックスはカタログ ツリーから削除されましたが、ArcCatalog をカスタマイズすることで再度追加できます。

接続時のパスワード更新

ArcGIS 10.1 では、データベース パスワードに有効期限が設定されている場合、データベースから返される警告やエラーがインターセプトされて、新しいパスワードを作成できるダイアログ ボックスが表示されます。

接続時のライセンス キー更新

Esri Developer Network または教育用サイト ライセンスをお持ちの場合は、定期的にソフトウェア ライセンス キーを更新する必要があります。ライセンス情報はエンタープライズ ジオデータベースおよびワークグループ ジオデータベースに保存されます。このため、ライセンスの有効期限が過ぎると、ジオデータベースのライセンスも更新する必要があります。ArcGIS 10.1 では、有効期限を過ぎているライセンスが含まれたジオデータベースにジオデータベース管理者が接続すると、ArcGIS for Server の新しいライセンスを入力できるダイアログ ボックスが表示されます。

エンタープライズ ジオデータベースの作成

ジオデータベースの高度な機能が必要な場合は、ArcGIS から直接 IBM DB2、Informix、Microsoft SQL Server、Oracle、または PostgreSQL データベースの機能を有効にできます。

ArcGIS 10.1 では、ジオデータベース管理者は、次のいずれかを使用して、サポートされているデータベース管理システムにエンタープライズ ジオデータベースを作成できます。

ジオデータベースを作成または有効化するには、ツールまたはスクリプトから DBMS に接続して、必要な権限を持つユーザとしてログインします。詳細については、以下のいずれかのトピックをご参照ください。

注意注意:

ArcGIS 10.1 では、ArcSDE ポスト インストール ウィザードがなくなり、sdesetup コマンドを使用したインストール操作もサポートされなくなりました。

64 ビット データベース管理システムでエンタープライズ ジオデータベースをサポート

ArcGIS 10.1 for Server の新機能」で説明したとおり、ArcGIS for Server は 64 ビット アプリケーションになりました。ArcSDE およびエンタープライズ ジオデータベースは ArcGIS for Server の一部であり、10.1 では 64 ビット データベースのみサポートしています。サポートされているデータベースおよびオペレーティング システムについては、「ArcGIS 10.1 のシステム要件」の「リレーショナル データベース管理システム」セクション内のトピックをご参照ください。

エンタープライズ ジオデータベースを管理するための新しい ArcGIS ツール

[ジオデータベース管理] ツールセット(以前の [データベース] ツールセット)にいくつかの新しいジオプロセシング ツールが追加され、エンタープライズ ジオデータベースの作成と管理が容易になりました。そのうちの 2 つは前述したとおりです。それ以外にも、ジオデータベース管理者は、新たに追加された [ジオデータベース管理] ダイアログ ボックスで、ユーザ接続、ロック、およびバージョンの監視と管理ができるようになりました。次にこれらすべての新機能について説明します。

再設計されたバージョン マネージャを使用したバージョン管理

バージョン マネージャが再設計され、[ジオデータベース管理] ダイアログ ボックスに移動されました。バージョン マネージャには次の新しい機能が追加されています。

  • バージョン間の関係を確認できるツリー ビュー
  • 特定のトランザクションや履歴バージョン、DEFAULT バージョンをステート 0 に圧縮する操作を禁止できるバージョン、または特定ユーザが所有するバージョンに基づくフィルタ機能
  • 別のダイアログ ボックスを開くことなく選択したバージョンのすべてのプロパティを確認できる機能
  • バージョンのリコンサイルにあたっての推奨順序が記載されたリスト

[ジオデータベース管理] ダイアログ ボックスの [バージョン] タブ

推奨されるリコンサイル順序のリストは、ジオデータベース管理者だけが利用できる機能です。それ以外のすべての機能は、管理者以外のユーザも利用できます。

ジオデータベースからの接続の表示と削除

ジオデータベース管理者は、どのクライアントがエンタープライズ ジオデータベースに接続しているかを確認して、[ジオデータベース管理] ダイアログ ボックスの [接続] タブでジオデータベースから接続を削除できます。

[ジオデータベース管理] ダイアログ ボックスの [接続] タブ

ユーザ接続の削除についての詳細については、お使いのデータベースに適したトピックをご参照ください。

この機能のスクリプトを作成する場合は、ListUsers 関数と DisconnectUser 関数を使用できます。

ジオデータベースのロックの表示と管理

ジオデータベースでは、データへのアクセス中とデータの編集中に、データ構造の一貫性を確保するために数種類のロックが使用されます。ジオデータベースが使用するのは、スキーマ ロック、バージョン ロック、およびステート ロックの 3 種類です。これらのロックは、共有可能です。つまり、同時に他のユーザに共有ロックを保有させることができます。ただし、排他ロックを共有することはできません。排他ロックとは、そのデータベース オブジェクトについて追加のロックを認めないロックで、この種のロックがいくつかあります。

バージョン 10.1 以降では、エンタープライズ ジオデータベースでデータについて保有されているロックの種類とロックの保有者を表示できるようになりました。この情報の表示には、[ジオデータベース管理] ダイアログ ボックスの [ロック] タブを使用します。

ジオデータベース管理者がジオデータベース レベルで [ロック] タブを開くと、そのジオデータベースのデータとバージョンに関するすべてのセッション、バージョン、およびオブジェクト ロックが表示されます。この情報には、ロック タイプ、ロック保有セッション(ロックの所有者)、またはロック中のオブジェクトの名前でフィルタをかけることができます。

[ジオデータベース管理] ダイアログ ボックスの [ロック] タブ

管理者は、ロックのリストに含まれているレコードを右クリックし、[ユーザの切断] をクリックしてユーザを切断することで、ロックをクリアできます。

ジオデータベースへの新規接続の禁止

ジオデータベース管理者は、[データベース プロパティ] ダイアログ ボックスに新たに追加されたオプションを使用して、エンタープライズ ジオデータベースへの新規接続(ArcSDE サービスとダイレクト コネクションの両方)を禁止できます。

[データベース プロパティ] ダイアログ ボックスの [接続] タブにある [ジオデータベースは接続を受け付けています。] チェックボックスをオフにすると、ジオデータベースへの新規接続を禁止できます。既存の接続は維持されます。

[ジオデータベースは接続を受け付けています。] をオフにした状態の [データベース プロパティ] ダイアログ ボックス

この機能のスクリプトを作成する場合は、AcceptConnections 関数を使用します。

バージョン対応ジオデータベースにおけるジオデータベース システム テーブルのインデックスの再構築

ジオデータベース管理者は、[インデックスの再構築(Rebuild Indexes)] ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを使用して、states、state_lineages、および mv_tables_modified ジオデータベース システム テーブルのインデックスを再構築できます。頻繁に編集されるバージョン対応ジオデータベースでは、これら 3 つのシステム テーブルが大きく変更されることがあるため、インデックスの再構築が必要になる場合があります。詳細については、「システム テーブルでのインデックスの再構築(Rebuild Indexes)ツールの使用」と「 スクリプトによるジオデータベース システム テーブルのインデックスの再構築」をご参照ください。

ジオデータベース システム テーブルの統計情報の更新

ジオデータベース管理者は、新たに追加された [データセットの分析(Analyze Datasets)] ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを使用して、ジオデータベース システム テーブルの統計情報を更新できます。詳細については、「データセットの分析(Analyze Datasets)ツールによるジオデータベース システム テーブルの統計情報の更新」と「スクリプトを使用したジオデータベース システム テーブルの統計情報の更新」をご参照ください。

データベースのユーザとロールの作成

2 つのジオプロセシング ツール、[データベース ユーザの作成(Create Database User)][ロールの作成(Create Role)] が新たに追加されました。これらは、データベースやエンタープライズ ジオデータベースのユーザ管理に役立ちます。

[データベース ユーザの作成(Create Database User)] ジオプロセシング ツールでは、Oracle、PostgreSQL、または SQL Server のデータベースにユーザを追加できます。作成したユーザには、そのデータベースにオブジェクトを作成するために必要な権限が自動的に割り当てられます。すでに存在するデータベース ロールにユーザを追加する場合は、ユーザを作成するときに追加できます。

PostgreSQL では、ログイン ロールがデータベース クラスタに作成され、対応するスキーマは指定したデータベースに作成されます。

SQL Server では、ログインが SQL Server インスタンスに追加され、ユーザは指定したデータベースに作成されます。また、対応するスキーマがデータベースに作成され、指定したデータベースがユーザのデフォルトのデータベースとして設定されます。SQL Server インスタンスにすでにオペレーティング システムまたはネットワーク ログインが存在する場合は、[データベース ユーザの作成(Create Database User)] ツールで、そのログインを指定したデータベースに追加し、そのためのスキーマを作成できます。

Oracle の場合、ユーザは Oracle データベースに作成されます。すでにその名前のオペレーティング システムまたはネットワーク ログインが存在する場合は、[データベース ユーザの作成(Create Database User)] ツールで、指定した Oracle データベースにログインがマッピングされるデータベース ユーザを作成できます。

[ロールの作成(Create Role)] ジオプロセシング ツールでは、Oracle、PostgreSQL、または SQL Server にデータベース ロールを作成できます。このツールでは、ユーザやユーザ リストの追加や、ユーザやユーザ リストのデータベース ロールからの削除もできます。

[データベース ユーザの作成(Create Database User)] ツールと [ロールの作成(Create Role)] ツールはどちらも、データベースのショートカット メニューから開くことができます。

ファイル ジオデータベースからのデータ回復

新たに追加された [ファイル ジオデータベースの回復(Recover File Geodatabase)] ジオプロセシング ツールを使用すると、破損して開くことのできないファイル ジオデータベースのシンプル フィーチャクラスとテーブルを回復できます。

このツールは [データ管理] ツールボックスの [ファイル ジオデータベース] ツールセットにあります。

ジオデータベースの内容をエクスポートおよびインポートするための新しいツール

[XML ワークスペース ドキュメントのエクスポート(Export XML Workspace Document)] ジオプロセシング ツールで既存のジオデータベースのスキーマを定義する XML ドキュメントを作成したら、[XML ワークスペース ドキュメントのインポート(Import XML Workspace Document)] ツールでそのスキーマを空のジオデータベースにインポートできます。テンプレート ジオデータベース スキーマを作成する場合や、他者とスキーマを共有する場合に便利です。

データ管理用ツール

バージョン 10.1 には、データ管理に役立つ新しいツールがたくさん追加されています。たとえば、[ジオデータベース管理] ダイアログ ボックスの [ロック] タブで、データやバージョンについて保持されているロックを表示できるようになったほか、新しいジオプロセシング ツールの追加により、インデックスの再構築とデータベース統計情報の更新を複数のデータセットについて行うことができるようになりました。また、ジオメトリック ネットワークの作成と管理、トポロジ エラーのエクスポート、テーブルやフィーチャクラスの編集情報の記録の有効化と無効化、バージョン対応ビューの作成、データベース ビューの作成なども可能です。

バージョン 10.1 では、既存のツールも機能強化されています。[権限] ダイアログ ボックスに表示される情報が追加され、使いやすくなったほか、[ジオデータベースに登録] コマンドが拡張されて ArcSDE とジオデータベースの両方にテーブルを登録できるようになりました。また、レプリカのログも、ログ名、作成先、ログに追加される情報量を選択できるよう改善され、[データベース プロパティ] ダイアログ ボックスの [ドメイン] タブにドメイン所有者が表示されるようになりました。

データセットの権限の表示と管理

[権限] ダイアログ ボックスが改善され、データについてユーザとロールに付与されている権限を表示できるようになりました。また、ほとんどの場合、権限を付与するユーザとロールをリストから選択できます。

[権限] ダイアログ ボックスには、特定のデータセットについて現在権限が付与されているすべてのユーザまたはロールのリストが表示されます。新しいユーザやロールに権限を付与する場合は、[追加] をクリックして、ユーザ名またはロール名を入力するか(データベースについて十分な権限を持っている場合は)選択します。この例では、権限を付与する 2 つのログイン ロールが PostgreSQL データベースで選択されています。

データセットの権限を付与するユーザまたはロールをリストから選択

データベースまたはジオデータベースにバージョン対応登録されていないデータがある場合は、個別に権限の付与や取り消し、挿入、更新、および削除を実行できます。

特定ユーザへの権限の付与

詳細については、「データセットの権限の設定」をご参照ください。

バージョンまたは特定のデータセットについてのロックの表示

データまたはバージョンの所有者は、データセットまたはバージョン レベルで [ジオデータベース管理] ダイアログ ボックスの [ロック] タブを開くことができます。この場合は、特定のオブジェクトについて保持されているロックだけが表示されます。この例では、フィーチャクラスの所有者が、Fittings フィーチャクラスについて保持されているロックの有無を確認しています。Fittings フィーチャクラスから [ロック] タブを開いたため、[オブジェクト名] のフィルタには自動的に Fittings フィーチャクラスが設定されます。

データセット レベルから開いたために、あらかじめフィルタが適用されて表示されたロック

詳細については、「データセットまたはバージョンのロックの表示」をご参照ください。

インデックスの再構築(Rebuild Indexes)ジオプロセシング ツールを使用した複数のデータセットのインデックスの再構築

バージョン 10.1 では、新しいジオプロセシング ツールが追加され、エンタープライズ ジオデータベースに所有している複数のデータセットについてインデックスを再構築できるようになりました。バージョン対応登録されているデータセットの差分テーブルにあるインデックスのみの再構築、またはデータセットのすべてのインデックスの再構築を選択できます。

データセットに多数のレコードを挿入した場合や、データセットから多数のレコードを削除した場合には、後でインデックスを再構築してください。クエリのパフォーマンス向上に役立ちます。

[インデックスの再構築(Rebuild Indexes)] ジオプロセシング ツールは、[データ管理] ツールボックスの [ジオデータベース管理] ツールセットから開くことができます。

空間インデックス作成操作の改善

以前のバージョンの ArcGIS では、SQL Server Geometry 格納タイプまたは Geography 格納タイプを使用するフィーチャクラスには、空間インデックスを作成または削除できませんでした。バージョン 10.1 では、[フィーチャクラス プロパティ] ダイアログ ボックスの [インデックス] タブが変更され、これらの操作が可能になりました。また、[フィーチャクラス プロパティ] ダイアログ ボックスの [インデックス] タブで、空間グリッド インデックスのグリッド サイズが自動計算されるようになったため、このダイアログ ボックスにサイズを入力する必要がなくなりました。詳細については、「空間インデックスの変更」をご参照ください。

データセットの分析(Analyze Datasets)ジオプロセシング ツールを使用した複数データセットのデータベース統計情報の更新

バージョン 10.1 で新たに追加されたジオプロセシング ツールを使用すると、エンタープライズ ジオデータベースに所有している複数のデータセットの統計情報を更新できます。統計情報の更新にあたっては、データセットのベース テーブル、差分テーブル、履歴テーブルのいずれかの解析、またはこれらすべての解析を選択できます。

データベースによるクエリの実行を最大限に効率化するためには、データベースの統計情報を最新の状態に保つことが大切です。データセットに多数のレコードを挿入した場合、データセットから多数のレコードを削除した場合、およびジオデータベースを圧縮した場合には、データセットの統計情報を更新してください。

[データセットの分析(Analyze Datasets)] ジオプロセシング ツールは、[データ管理] ツールボックスの [ジオデータベース管理] ツールセットから直接開くことができます。または、カタログ ツリー内のデータベース接続の下に表示されているテーブルやフィーチャクラスを右クリックして、[管理] をポイントしてから [解析] をクリックすると、個別に解析できます。

フィーチャ サービスを介したフィーチャ アクセスの編集情報と管理情報の保存

新機能が追加され、テーブルやフィーチャクラス内の行やフィーチャの追加と編集についての情報を保存できるようになりました。テーブルまたはフィーチャクラスについての編集情報の記録を有効にすると、レコードの作成者/作成日およびレコードの最終編集者/編集日が、指定の日付フィールドに記録されます。

編集情報の記録を有効にするには、ArcGIS for Desktopカタログ ウィンドウの [編集情報の記録を有効化] ショートカット メニュー コマンドを使用するか、[データ管理] ツールボックスの [フィールド] ツールセットにある [編集情報の記録を有効化(Enable Editor Tracking)] ジオプロセシング ツールを使用します。フィールドの定義が完了すると、データが編集される都度、自動的にこれらのフィールドに情報が記録されます。

フィーチャ サービスに対して所有権ベースのアクセス制御を有効にすれば、非所有者が個々のフィーチャについて有するアクセス権の種類を所有者情報フィールドで管理できます。たとえば、クエリ、作成、更新、および削除操作を許可するよう、フィーチャ サービスを設定できます。フィーチャに対するこれらの操作をフィーチャの所有者だけに限定する場合は、所有権ベースのアクセス制御を有効にして、非所有者のアクセス権をクエリのみに制限します。

1 つのステップで実行できる空間テーブルの登録

ArcGIS 以外のクライアント アプリケーションで作成した空間テーブルを、カタログ ツリーからフィーチャクラスとして登録できるようになりました。

詳細については、「ジオデータベースへのテーブルの登録」をご参照ください。

フィールド名の変更

バージョン 10.1 のジオデータベース テーブルのフィールド名を変更できます。フィールド名を変更するには、[テーブル] ダイアログ ボックスまたは [フィーチャクラス プロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[フィールド] タブをクリックしてから、名前を変更するフィールドの既存のテキストをクリックして、新しい名前を入力します。

フィールド名はテーブル内で一意でなければなりません。また、スペースやデータベースの予約語を含めることはできず、アルファベットで始まる半角 31 文字(Oracle および DB2 データベースの場合は半角 30 文字)以内にする必要があります。ArcGIS を介して作成された [ObjectID] フィールドや [Shape] フィールドの名前は変更できません。バージョン 9.3.x 以前のジオデータベースのフィールド名は変更できません。

ジオメトリック ネットワークの操作に使用できる新しいツールと設定

ArcGIS 10.1 では、[ユーティリティ ネットワーク解析] ツールバーで行う設定がマップ ドキュメントで保持されます。つまり、ネットワーク トレースをセットアップしてマップ ドキュメントを保存すると、次にマップ ドキュメントを開いたときに、最後に保存した設定が保持されます。

また、バージョン 10.1 では、ジオメトリック ネットワークに次の 6 つのジオプロセシング ツールが追加されています。

これらのツールはすべて [データ管理] ツールボックスの [ジオメトリック ネットワーク] ツールセットにあります。

この機能がジオプロセシング ツールとして追加されたことで、これらを全般的なジオプロセシング モデルの一部として含めて、ジオメトリック ネットワークを管理できます。

レプリケーションに追加された新しいログ オプション

レプリカの作成や同期処理を実行すると、その都度レプリカ アクティビティ ログに情報が記録されます。バージョン 10.1 よりも前のバージョンでは、このログは、temp 環境変数で定義された temp ディレクトリに ReplicaLog.dat という名前で保存されていました。このバージョンでは、このログのパスと名前を選択できるようになりました。また、記録の詳細度についても、5 つのレベルから選択できます。これらの設定は、ArcMapの [分散ジオデータベース] ツールバーで [分散ジオデータベース オプション] ダイアログ ボックスを表示して行います。 詳細については、「レプリカ アクティビティ ログ」をご参照ください。

トポロジ用の新機能

ArcGIS 10.1 では、フィーチャ データセットのバージョン対応登録を解除しなくても、バージョン対応登録されているトポロジを変更できます。

以前のバージョンの ArcGIS では、前もってフィーチャ データセットのバージョン対応登録を解除しなければ、トポロジやトポロジ ルールを変更できませんでした。ArcGIS 10.1 以降のバージョンでは、登録を解除しなくても、トポロジに次の変更を加えることができます。

  • クラスタ許容値の変更
  • トポロジへのフィーチャクラスの追加またはトポロジからのフィーチャクラスの削除
  • トポロジ ルールの追加または削除
  • フィーチャクラスのランクの変更

トポロジ ルールの削除では、そのルールに関連するすべてのエラーと例外が削除されるだけなので必要ありませんが、それ以外の変更を行ったときには、ダーティ エリアの結果が変わるため、もう一度トポロジの整合チェックを実行する必要があります。

バージョン 10.1 では、[トポロジ エラーのエクスポート(Export Topology Errors)] ジオプロセシング ツールが新たに追加され、サポートされているトポロジ エラーの各ジオメトリ タイプごとに 1 つ、合計 3 つのフィーチャクラスにトポロジのエラーおよび例外情報をエクスポートできるようになりました。トポロジそのものに対するアクセス権を持っていないユーザにこれら 3 つのフィーチャクラスに対するアクセス権を付与して、トポロジのエラー情報を表示できるようにすることもできます。

[トポロジ エラーのエクスポート(Export Topology Errors)] ツールは、[データ管理] ツールボックスの [トポロジ] ツールセットにあります。

アーカイブ クラスのプロパティの管理

バージョン 10.1 では、アーカイブ クラスの名前を変更して、アーカイブ クラスに作成されているインデックスを管理できます。詳細については、「アーカイブ クラスの直接操作」をご参照ください。

ジオデータベース アタッチメントを操作するための新しいツールセットとツール

新たに追加された [アタッチメント] ツールセットには、関連する非地理情報のバッチをフィーチャクラスにアタッチするプロセスを容易にする次のツールが含まれています。

新たに追加されたクエリ レイヤの作成ツール

新たに追加された [クエリ レイヤの作成(Make Query Layer)] ジオプロセシング ツールを使用すると、データベースまたはジオデータベース内の 1 つ以上のテーブルに対してクエリ レイヤを定義できます。このツールは、クエリ レイヤをモデルの一部として、または Python スクリプトで作成する必要がある場合に便利です。

このツールは、[データ管理] ツールボックスの [レイヤとテーブル ビュー] ツールセットに含まれています。

バージョン対応ビューの自動作成と ArcGIS を使用した手作業での作成

ArcGIS 10.1 からフィーチャクラスをバージョン対応登録すると、自動的にそのフィーチャクラスのバージョン対応ビューが作成されます。フィーチャ データセットのバージョン対応登録を実施すると、フィーチャ データセット内のフィーチャクラスごとにバージョン対応ビューが作成されます。

ArcGIS 10.1 よりも前のバージョン対応登録されているフィーチャクラスまたはフィーチャ データセットのバージョン対応ビューを作成する場合、または既存のバージョン対応ビューを再作成する場合は、ショートカット メニューのコマンド [バージョン対応ビューの作成]、ジオプロセシング ツール、または Python スクリプトを使用します。

バージョン対応ビューを使用すると、差分テーブル内のデータなどのバージョン対応登録されたデータを SQL で表示および編集できます。詳細については、「バージョン対応ビューとは」および関連トピックをご参照ください。

編集セッションを開かずに SQL を使用して実施するバージョン対応ビューを介した DEFAULT バージョンの編集

バージョン対応ビューで SQL を使用して行う編集の所要時間が短く、かつ他のユーザがすぐに編集内容にアクセスできるようにしたい場合は、DEFAULT バージョンを編集できます。

これは、バージョン対応ビューの新しい編集モデルです。編集セッションを明示的に開かないため、データベースに編集内容を頻繁にコミットして、そのデータへの他のユーザによるアクセスをブロックしないようにする必要があります。この新しい編集モデルとその使用方法の説明については、「SQL を使用したバージョン対応データの編集の概要」をご参照ください。

ArcGIS for Desktop からのデータベース ビューの作成

データベース内のテーブルまたはフィーチャクラスにビューを作成するには、カタログ ツリー内の [Database Connections] ノードまたは [Database Servers] ノードの下にあるデータベース接続またはジオデータベースを右クリックして、[新規作成] をポイントしてから、[ビュー] をクリックします。開いたダイアログ ボックスで、ビューの名前を入力し、ビューを定義する SQL クエリを作成します。詳細については、「ArcGIS for Desktop でのデータベース ビューの作成」をご参照ください。

また、データベース ビューの作成に使用できる [データベース ビューの作成(Create Database View)] ジオプロセシング ツールも追加されています。データベースやエンタープライズ ジオデータベースにビューを定義する場合は、このツールまたは Python スクリプトを使用できます。

ドメイン管理の新機能

ドメイン所有者の表示

[データベース プロパティ] ダイアログ ボックスの [ドメイン] タブに、エンタープライズ ジオデータベースのドメイン所有者が表示されるようになりました。この情報を確認するには、データベース接続を右クリックしてから [プロパティ] をクリックし、[ドメイン] タブをクリックします。

ドメイン所有者を表示した状態の [データベース プロパティ] ダイアログ ボックスの [ドメイン] タブ

属性ドメイン名の変更

ArcGIS 10.1 では、既存の属性ドメインの名前を変更できます。そのためには、[ドメイン名] 列のテキストをクリックして、新しいドメイン名を入力します。ドメインがサブタイプに使用されている場合は、[フィーチャクラス プロパティ] ダイアログ ボックスの [サブタイプ] タブのドメイン名が自動更新されます。

ドメインの並べ替えのための新しいツール

[コード値ドメインの並べ替え(Sort Coded Value Domain)] ジオプロセシング ツールを使用すると、コード値ドメインのコードまたは説明を昇順または降順に並べ替えることができます。

このツールは [データ管理] ツールボックスの [ドメイン] ツールセットにあります。

データセットのアップグレード用の新しいツール

[ジオデータベース管理] ツールセットの [データセットのアップグレード(Upgrade Dataset)] ツールを使用すると、モザイク データセット、パーセル ファブリック、およびネットワーク データセットを最新バージョンの ArcGIS にアップグレードできます。

このツールは、[ネットワークのアップグレード(Upgrade Network)] ツールと [パーセル ファブリックのアップグレード(Upgrade Parcel Fabric)] ツールに代わるもので、1 つのツールでこれらのデータセットとモザイク データセットをアップグレードできるようになりました。

テーブルからすべての行を削除するための新しいツール

[テーブル] ツールセットの [TruncateTable(テーブルの切詰め)] ジオプロセシング ツールを使用すると、テーブルやフィーチャクラスからすべての行を削除できます。

テーブルやフィーチャクラスからすべての行を削除する場合は、[行の削除(Delete Rows)] ツールではなく [テーブルの切詰め(Truncate Table)] ツールを使用してください。

ユーザ スキーマ ジオデータベースのデータ作成についての新しいルール

Oracle に格納されているジオデータベースでは、他のデータベース ユーザが独自のジオデータベースを作成できるようにすることを選択できます。これはユーザ スキーマ ジオデータベースと呼ばれています。ArcGIS 10.1 以降のバージョンでは、ユーザ スキーマ ジオデータベースが保存されている Oracle インスタンスにデータを作成するときに、次の新しいルールが適用されます。

  • ユーザ スキーマ ジオデータベースの所有者は、そのジオデータベース内でのみデータを所有することができ、マスタ sde ジオデータベースや他のユーザのスキーマ ジオデータベースのデータは所有できません。
  • ユーザ スキーマ ジオデータベースを所有していないユーザは、マスタ sde ジオデータベースのデータだけを所有することができ、他のユーザ スキーマ ジオデータベースのデータは所有できません。
  • 下位互換性を確保するため、アップグレードされた既存のユーザ スキーマ データベースにジオデータベース所有者以外のユーザが所有するデータが含まれている場合、そのユーザのデータには引き続きアクセス可能です。ユーザはそれ以降もそのジオデータベースにデータを作成できます。

バージョン間の互換性サポート

ジオデータベースの下位互換性は、これまでと同様に ArcGIS 10.1 で引き続きサポートされています。下位互換性とは、新しいバージョンの ArcGIS で旧バージョンのジオデータベースに接続し、これを使用できる機能です。ジオデータベースの上位互換性は、一般的に、新しいバージョンのジオデータベースに新しい振舞いが追加されている場合はサポートされていません。上位互換性とは、旧バージョンの ArcGIS で新しいバージョンのジオデータベースに接続し、これを使用できるようにする機能です。

ArcGIS 10.1 では、いくつかのデータセットが更新され、新しい機能が追加されています。次に示します。

ArcGIS 10.1 以降のバージョンでは、ジオデータベースを最新バージョンにアップグレードしなくても、この新しいジオデータベース機能を利用できます。直接 ArcGIS 10.1 クライアントからバージョン 10 のジオデータベースに接続すると、ArcGIS 10 のクライアントにジオデータベースへの接続と使用を許可しながら、10.1 の機能でデータセットを作成できます。この新しい上位互換性は、サーバをアップグレードしなくても新しい機能を利用できるデスクトップ クライアントを移行できるため、ArcGIS 10.1 以降のバージョンへの移行に役立ちます。

バージョン 10.1 のジオデータベースに接続する ArcGIS クライアントでは、バージョン 10.1 のジオデータベースへの接続操作を改善するためのいくつかの修正が含まれている 10 SP2 を使用することをお勧めします。ArcGIS 10 または 10 SP1 クライアントでもバージョン 10.1 のジオデータベースに接続できますが、この場合は SP2 での修正による改善内容を使用できません。ArcGIS 10 クライアントでも、バージョン 10.1 のジオデータベースを表示、編集、および保存することはできますが、バージョン 10.1 の機能を使用したデータセットを開くことはできません。この種のデータセットを開こうとすると、次のエラー メッセージが表示されます。

The version of the Geodatabase client is incompatible 
with the dataset and cannot open it.

上記は、バージョン 10 のジオデータベースにのみ適用されます。バージョン 9.3.x 以前のバージョンのジオデータベースの場合は、バージョン 10.1 にアップグレードしなければ、10.1 の機能を利用できません。

ジオデータベースを最新のバージョンにアップグレードする場合は、[データベース プロパティ] ダイアログ ボックスの [一般] タブにある [ジオデータベースのアップグレード] ボタン、[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツール、または Python スクリプトを使用します。

ジオデータベースをアップグレードすると、そのジオデータベースには ArcGIS 9.3 以前のバージョンのクライアントからアクセスできなくなります。

セットアップと接続の変更

ArcGIS 10.1 では、エンタープライズ ジオデータベースの接続の構成に影響を及ぼす変更がいくつかあります。

データベース クライアント ファイル

すべての ArcGIS クライアント コンピュータからのデータベースへの接続、およびエンタープライズ ジオデータベースへの直接接続には、データベース クライアントのインストールが必要です。データベース クライアントは、データベース管理システムのベンダーから取得してください。DB2、Informix、Oracle、PostgreSQL、および SQL Server の場合は、Esri Customer Care ポータルからデータベース クライアントをダウンロードできます。32 ビット ArcGIS クライアントからの接続には 32 ビット データベース クライアントが必要です。また、64 ビット ArcGIS クライアントからの接続には 64 ビット データベース クライアントが必要です。

ArcSDE アプリケーション サーバとコマンド ライン ツールについて利用できる個別のダウンロード

エンタープライズ ジオデータベースには、ArcGIS クライアントから直接接続することを推奨します。ジオデータベースへの接続にダイレクト コネクションだけを使用する場合は、ArcSDE アプリケーション サーバをインストールする必要はありません。

ただし、接続に ArcSDE サービスを使用する場合は、ArcSDE アプリケーション サーバのインストールをダウンロードし、実行してください。これにより、ArcSDE サービスの作成と開始に必要なファイルがインストールされます。また、このインストールには、ArcSDE 管理コマンド ライン ツールとマニュアルも含まれています。

注意注意:

ArcSDE アプリケーション サーバのインストールでは、ArcSDE サービスがセットアップされるだけです。ジオデータベースを作成するには、このトピックの最初に説明したメソッドを使用する必要があります。ArcSDE サービスを開始する前に、まずジオデータベースを作成する必要があります。

ArcGIS で ArcSDE サービス接続を作成する場合は、[ArcSDE 接続ファイルの作成(Create ArcSDE Connection File)] ジオプロセシング ツールを使用します。

また、データ アクセス コマンドだけが含まれている別の ArcSDE コマンド ライン ツールのインストール ファイルも用意されています。ArcSDE アプリケーション サーバのインストール ファイル、および別途用意されたコマンド ライン ツールのインストール ファイルはどちらも Esri Customer Care ポータルにあります。

別途のインストールが不要になった z/OS 上の DB2

バージョン 10.1 以降、ジオデータベースは、ArcGIS クライアントから作成されます。z/OS 上の DB2 のジオデータベースの接続に ArcSDE サービスは使用されないため、別途 ArcSDE をインストールする必要がありません。サブシステムのセットアップに必要なファイルは ArcGIS クライアントの DatabaseSupport\DB2zOS フォルダに移動されています。z/OS 上の DB2 のジオデータベースのセットアップまたはアップグレード手順については、ArcGIS のユーザ向けヘルプをご参照ください。

アップグレード可能だが作成不可となったマルチ空間データベース モデル ジオデータベース

SQL Server 内に存在するマルチ空間データベース モデル ジオデータベースを 10.1 にアップグレードできますが、新たなユーザ データベースを追加することはできません。ArcGIS 10.1 以降では、新規にマルチ空間データベース モデル ジオデータベースを SQL Server に作成することもできません。

開発者向けの新機能

ArcObjects を使用せずにファイル ジオデータベースにアクセスするための新しい API

一連の新しい C++ 関数が追加されたことで、高度な開発者が、ArcObjects ベースでないファイル ジオデータベースを操作できるようになりました。開発者は、この API により、次を実施できます。

  • ファイル ジオデータベースの作成
  • ファイル ジオデータベースのスキーマの読み取り
  • シンプル フィーチャ モデル内でのスキーマ オブジェクトの作成
  • ファイル ジオデータベースからのデータの読み取りおよびファイル ジオデータベースへのデータの書き込み
  • データセットに対する属性および(限定的な)空間クエリの実行

API は [Esri Downloads] ページから取得できます。

ジオデータベース テーブルに関する情報を返す新しい SQL 関数

SQL 開発者がエンタープライズ ジオデータベース テーブルに関する情報を取得するうえで役立つ 9 つの SQL 関数が新たに追加されました。

  • Is_Simple: 指定したテーブルが拡張ジオデータベース機能に関与していない場合に「True」を返します。この場合は、ArcGIS 外で編集できます。
  • Geometry_Columns: 指定したテーブルの空間列(または列)の名前を返します。
  • Is_Versioned: 指定したテーブルがバージョン対応登録されている場合に「True」を返します。
  • Is_Replcated: 指定したテーブルがジオデータベースのレプリカに関与している場合に「True」を返します。
  • Version_View_Name: 指定したテーブルに関連するバージョン対応ビューの名前を返します。バージョン対応ビューが存在しない場合は、これを知らせるメッセージが返されます。
  • RowID_Name: 指定したテーブルに登録されている [RowID](ObjectID)フィールドの名前を返します。ジオデータベースに [RowID] が登録されていない場合は、メッセージが返されます。
  • Next_RowID: [RowID] フィールドに挿入できる次に有効な次の値を返します。
  • GlobalID_Name: 指定したテーブルに登録されている [GlobalID] フィールドの名前を返します。登録されている [GlobalID] フィールドがない場合は、メッセージが返されます。
  • Next_GlobalID: [GlobalID] フィールドに挿入できる次に有効な値を返します。

これらの関数が返す情報は、SQL でエンタープライズ ジオデータベース テーブルを編集する場合に役立ちます。ただし、編集する前に、テーブルに依存があるかどうか、および空間列、[ObjectID] フィールド、および [GlobalID] フィールドの名前を理解しておく必要があります。ジオデータベース テーブルにレコードを挿入するときには、[ObjectID] フィールドと [GlobalID] フィールドのそれぞれについて一意な値が必要です。

パラメトリックの円と扇形のサポートが追加された ST_Geometry タイプの拡張

バージョン 10.1 では、ST_Geometry 関数を使用して、ST_Geometry 列のパラメトリックの円または扇形を作成および検索できます。詳細については、「パラメータ対応の円、楕円、および扇形」をご参照ください。

Oracle データベースの ST_Transform 関数の拡張

Oracle の ST_Transform 関数で、地理座標変換 ID を指定して、2 つの地理座標系の間で変換できるようになりました。詳細については、「ST_Transform」をご参照ください。

新規およびアップグレード後のエンタープライズ ジオデータベースにおける SRID の自動入力

Oracle または PostgreSQLで、ジオデータベースを作成する場合や既存のジオデータベースをアップグレードする場合は、空間参照システム テーブルに、標準の EPSG コードまたは ESRI コードを SRID に使用する一連の空間参照が自動入力されるようになりました。これらのコードは、SQL を介して新しいデータを作成するときに使用できます。ArcGIS も、ArcGIS クライアントでデータを作成するときに、これらの SRID と空間参照を使用します。

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9/14/2013