データ管理ツールボックスの新機能
バージョン 10.1 で新たに追加または機能強化されたデータ管理ツールボックスのツール
ツールセットの変更内容
- アタッチメント ツールセット - この新しいツールセットには、ジオデータベースのテーブルやフィーチャクラスのアタッチメントを有効化、無効化、追加、および削除するための 5 つの新しいツールが含まれています。
- 分散ジオデータベース ツールセット - このツールセットには、XML ワークスペース ドキュメントの処理に使用する 2 つの新しいツールが含まれています。
- フィールド ツールセット - このツールセットには、編集情報の記録に使用する 2 つの新しいツール、[編集情報の記録の無効化（Disable Editor Tracking）] と [編集情報の記録を有効化（Enable Editor Tracking）] が含まれています。また、データベースで管理される ID 列をデータベース テーブルに追加するための新しいツール [増分 ID フィールドの追加（Add Incrementing ID Field）] が追加されています。
- ファイル ジオデータベース ツールセット - [最適化（Compact）] ツールはこのツールセットから [データベース] ツールセットに移動されました。
- ジオデータベース管理ツールセット - これは、以前のバージョンで [データベース] ツールセットと呼ばれていたものです。このツールセットには、ジオデータベースの管理に使用する 7 つの新しいツールが含まれています。このうちのいくつかは、データベースでも機能します。[ワークスペース キャッシュの削除（Clear Workspace Cache）] ツールは、[ワークスペース] ツールセットに移動されています。[最適化（Compact）] ツールは [ファイル ジオデータベース] ツールセットに移動されています。
- ジオメトリック ネットワーク ツールセット - この新しいツールセットには、ジオメトリック ネットワークの作成、接続性ルールの追加と削除、およびネットワークのトレースを行うためのツールが含まれています。
- LAS データセット ツールセット - この新しいツールセットには、LAS データセットを作成および管理するためのツールが含まれています。LAS データセットは、LAS 形式の航空 LIDAR データの迅速な視覚化と解析を可能にするために設計された新しいデータ タイプです。
- レイヤとテーブル ビュー ツールセット - このツールセットには、クエリ レイヤと LAS データセット レイヤの作成のための新しいツールが含まれています。
- パッケージ ツールセット - このツールセットには、ジオプロセシング結果とロケータの統合およびパッケージ化のための新しいツールのほか、マップ タイル パッケージの作成のためのツールが含まれています。
- 写真ツールセット - この新しいツールセットには、タイムスタンプに基づきデジタル写真ファイルをテーブルの（GPS ポイントなどの）レコードにマッチングさせるためのツール、および GPS 対応またはジオタグ付きのデジタル写真に格納された座標情報から新しいポイント フィーチャクラスを作成するためのツールが含まれています。
- ワークスペース ツールセット - このツールセットには、2 つの新しいツール（[空間タイプの作成（Create Spatial Type）] ツールおよび [データベース接続の作成（Create Database Connection）] ツール）と、以前のバージョンの ArcGIS で [データベース] ツールセットに含まれていた 1 つのツール（[ワークスペース キャッシュの削除（Clear Workspace Cache）] ツール）が含まれています。
新規ツール
ツールセット | ツール | 説明 |
|---|---|---|
| アタッチメントの追加（Add Attachments） | ジオデータベース フィーチャクラスまたはテーブルのレコードに、ファイル アタッチメントを追加します。ジオデータベースの内部では、アタッチメントはターゲット データセットへのリンクを保持する独立したアタッチメント テーブルに格納されます。入力レコード（またはレコードの属性グループ）ごとに、アタッチメントとしてレコードに追加するファイルのパスを指定する照合テーブルを使用して、アタッチメントがターゲット データセットに追加されます。 | |
| アタッチメントの無効化（Disable Attachments） | ジオデータベース フィーチャクラスまたはテーブルでアタッチメントを無効化します。アタッチメント リレーションシップ クラスとアタッチメント テーブルを削除します。 | |
| アタッチメントの有効化（Enable Attachments） | ジオデータベース フィーチャクラスまたはテーブルでアタッチメントを有効化します。必要なアタッチメント リレーションシップ クラスと、アタッチメント ファイルを内部的に格納するアタッチメント テーブルを作成します。 | |
| アタッチメント照合テーブルの作成（Generate Attachment Match Table） | [アタッチメントの追加（Add Attachments）] および [アタッチメントの削除（Remove Attachment）] ツールで使用する照合テーブルを作成する ArcGIS ジオプロセシング ツールです。 | |
| アタッチメントの削除（Remove Attachments） | ジオデータベース フィーチャクラスまたはテーブルのレコードからアタッチメントを削除します。アタッチメントは実際には入力データセットに格納されていないため、フィーチャクラスまたはテーブルに対する変更は発生しません。変更は、アタッチメントを格納して入力データセットとのリンクを管理している関連ジオデータベース テーブルに対して行われます。アタッチメントが削除される入力レコード（またはレコードの属性グループ）を識別するには、照合テーブルを使用します。 | |
| 増分 ID フィールドの追加（Add Incrementing ID Field） | [増加 ID フィールドの追加（Add Incrementing ID Field）] ツールは、データベースで管理される ID フィールドを IBM DB2、Microsoft SQL Server、Oracle、または PostgreSQL データベース内にある既存のテーブルまたはフィーチャクラスに追加します。この種のフィールドは、フィーチャ サービスを使って編集するすべてのフィーチャクラスまたはテーブルに必要です。 | |
| 編集情報の記録を無効化（Disable Editor Tracking） | フィーチャクラス、テーブル、モザイク データセット、またはラスタ カタログで、編集情報の記録を無効化します。 | |
| 編集情報の記録を有効化（Enable Editor Tracking） | フィーチャクラス、テーブル、モザイク データセット、またはラスタ カタログに対して、編集情報の記録を有効化します。 | |
| XML ワークスペース ドキュメントのエクスポート（Export XML Workspace Document） | ジオデータベースのコンテンツから読み取り可能な XML ドキュメントを作成します。 | |
| XML ワークスペース ドキュメントのインポート（Import XML Workspace Document） | XML ワークスペース ドキュメントのコンテンツを既存のジオデータベースにインポートします。 | |
| [ジオデータベース管理] ツールセット | データセットの分析（Analyze Datasets） | ベース テーブル、デルタ テーブル、およびアーカイブ テーブルの統計情報と、これらのテーブルのインデックスに関する統計情報を更新します。このツールは、RDBMS のクエリ オプティマイザから最適なパフォーマンスを得るために、エンタープライズ ジオデータベースで使用されます。古い統計情報では、ジオデータベースのパフォーマンスが低下する可能性があります。 |
| データベース ユーザの作成（Create Database User） | [データベース ユーザの作成（Create Database User）] ツールは、データベース内でデータを作成する権限を持つデータベース ユーザを作成します。 | |
| エンタープライズ ジオデータベースの作成（Create Enterprise Geodatabase） | [エンタープライズ ジオデータベースの作成（Create Enterprise Geodatabase）] ツールは、使用するデータベース管理システム（DBMS）に応じて、データベース、格納場所、およびジオデータベースの管理者またはジオデータベースの所有者として使用するデータベース ユーザを作成します。まずデータベース管理者にジオデータベースの作成に必要な権限を与えます。次にデータベースにジオデータベースを作成します。 | |
| ロールの作成（Create Role） | [ロールの作成（Create Role）] ツールを使用すると、データベース ロールを作成し、ロールへのユーザの追加およびロールからのユーザの削除を行うことができます。 | |
| エンタープライズ ジオデータベースの有効化（Enable Enterprise Geodatabase） | [エンタープライズ ジオデータベースの有効化（Enable Enterprise Geodatabase）] ツールは、既存のエンタープライズ データベースにジオデータベース システム テーブル、ストアド プロシージャ、関数、およびタイプを作成し、データベースのジオデータベース機能を有効化します。 | |
| インデックスの再構築（Rebuild Indexes） | エンタープライズ ジオデータベースに格納されているデータセットとシステム テーブルのインデックスを更新します。このツールは、エンタープライズ ジオデータベースで既存の属性インデックスまたは空間インデックスを再構築するために使用します。インデックスが最新でない場合は、ジオデータベースのパフォーマンスが低下する可能性があります。 | |
| データセットのアップグレード（Upgrade Dataset） | モザイク データセット、ネットワーク データセット、またはパーセル ファブリックのスキーマを現在の ArcGIS リリースにアップグレードします。データセットをアップグレードすると、データセットは現在のソフトウェア リリースで使用可能な新しい機能を使用できるようになります。 | |
| [ジオメトリック ネットワーク] ツールセット | ジオメトリック ネットワークにエッジ-エッジ接続性ルールを追加（Add Edge-Edge Connectivity Rule to Geometric Network | ジオメトリック ネットワークにエッジ-エッジ接続性ルールを追加します。 |
| ジオメトリック ネットワークにエッジ-ジャンクション接続性ルールを追加（Add Edge-Junction Connectivity Rule To Geometric Network） | エッジ-ジャンクション接続性ルールをジオメトリック ネットワークに追加します。 | |
| ジオメトリック ネットワークの作成（Create Geometric Network） | 指定したフィーチャクラス、各フィーチャクラスの役割、および指定されたウェイトとウェイトの関連付けを使用して、ジオデータベースにジオメトリック ネットワークを作成します。 | |
| ジオメトリック ネットワークから接続性ルールを削除（Remove Connectivity Rule From Geometric Network） | 接続ルールをジオメトリック ネットワークから削除します。 | |
| ジオメトリック ネットワークから空のフィーチャクラスを削除（Remove Empty Feature Class from Geometric Network） | ジオメトリック ネットワークから空のフィーチャクラスを削除します。 | |
| ジオメトリック ネットワークのトレース（Trace Geometric Network） | Solves the specified network analysis problem based on the flags, barriers, and specified weight properties. | |
| フロー方向の設定（Set Flow Direction） | ジオメトリック ネットワークのデジタイズ方向またはソースとシンクの設定に基づいて、ジオメトリック ネットワークのフロー方向を設定します。 | |
| LAS データセット ツールセット | LAS データセットの作成（Create LAS Dataset） | 1 つまたは複数の LAS ファイルとオプションとしてサーフェス制御フィーチャを参照する LAS データセットを作成します。 |
| LAS データセットにファイルを追加（Add Files To LAS Dataset） | 1 つまたは複数の LAS ファイルおよびサーフェス制限フィーチャを LAS データセットに追加します。 | |
| LAS データセットからのファイルの削除（Remove Files From LAS Dataset） | 1 つまたは複数の LAS ファイルおよびサーフェス制御フィーチャを LAS データセットから削除します。 | |
| LAS データセットの統計情報（LAS Dataset Statistics） | LAS データセットの統計情報を計算または更新し、オプションの統計情報のレポートを作成します。 | |
| LAS ポイント統計をラスタに出力（LAS Point Statistics As Raster） | LAS データセットが参照する LAS ファイルの計測値についての統計情報を反映したセル値を持つラスタを作成します。 | |
| [レイヤとテーブル ビュー] ツールセット | クエリ レイヤの作成（Make Query Layer） | 入力 SQL の SELECT ステートメントに基づいて、DBMS からクエリ レイヤを作成します。 |
| [パッケージ] ツールセット | 結果の統合（Consolidate Result） | 1 つまたは複数のジオプロセシングの結果を、指定された出力フォルダへ統合します。 |
| 結果のパッケージ化（Package Result） | すべてのツールや入力および出力データセットなど、1 つ以上のジオプロセシング結果を 1 つの圧縮ファイル（*.gpk）にパッケージ化します。 | |
すべてのロケータを 1 つのフォルダにコピーして、ロケータまたはコンポジット ロケータを統合します。 | ||
ロケータまたはコンポジット ロケータをパッケージ化して、1 つの *.gcpk 圧縮ファイルを作成します。 | ||
マップ ドキュメントからタイルを生成し、そのタイルをパッケージ化して 1 つの *.tpk 圧縮ファイルを作成します。 | ||
| [写真] ツールセット | ジオタグ付き写真 → ポイント（GeoTagged Photos To Points） | ジオタグ付き写真に保存された X、Y、および Z 座標情報からポイントを作成します。また、写真ファイルを出力フィーチャクラスのフィーチャにジオデータベース アタッチメントとして追加することもできます。 |
| 時間で写真を行と一致（Match Photos To Rows By Time） | 写真および行のタイム スタンプに従って、写真ファイルとテーブルまたはフィーチャクラスの行を対応付けます。写真の撮影時刻に最も近いタイム スタンプを持つ行が、その写真に対応付けられます。入力行の ObjectID および行に対応する写真のパスを含む、新しいテーブルが作成されます。対応する写真ファイルを、ジオデータベース アタッチメントとして入力テーブルの行に追加することもできます。 | |
| [トポロジ] ツールセット | トポロジ エラーのエクスポート（Export Topology Errors） | ジオデータベース トポロジからターゲット ジオデータベースにエラーをエクスポートします。エラーと例外に関連するすべての情報（エラーまたは例外で参照されているフィーチャなど）がエクスポートされます。これらの情報がエクスポートされると、ArcGIS のいずれのライセンス レベルでもフィーチャクラスにアクセスできるようになります。フィーチャクラスは [空間検索] ダイアログ ボックスまたは [空間検索（Select Layer By Location）] ツールで使用できます。また、トポロジ自体にアクセスできないユーザとフィーチャクラスを共有することもできます。 |
| [バージョン] ツールセット | バージョンのリコンサイル（Reconcile Versions） | Reconciles a version or multiple versions against a target version. |
| バージョン対応ビューの作成（Create Versioned View） | テーブルまたはフィーチャクラスにバージョン対応ビューを作成します。 | |
| [ワークスペース] ツールセット | データベース接続の作成（Create Database Connection） | エンタープライズ データベースまたは ArcSDE ジオデータベースへの接続に使用できる接続ファイルを作成します。 |
| 空間タイプの作成（Create Spatial Type） | [空間タイプの作成（Create Spatial Type）] ツールは、Oracle または PostgreSQL データベースに ST_Geometry SQL タイプ、サブタイプ、および関数を追加します。これにより、ST_Geometry SQL タイプを使用して、ジオデータベースを含まないデータベースにジオメトリを格納できます。また、このツールを使用して、Oracle または PostgreSQL データベース内の 既存の ST_Geometry インストールをアップグレードすることもできます。 |
機能強化されたツール
ジオデータベース管理
ツール | 改善点 |
|---|---|
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ArcGIS 10.1 以前のバージョンでは、ArcSDE コマンド ライン ユーティリティを使って ArcSDE に登録してからでなければ、データベース テーブルとフィーチャクラスをジオデータベースに登録することができませんでした。このバージョンでは、データベース テーブルとフィーチャクラスをジオデータベースに 1 つのステップで登録できるようになりました。 |