ArcGIS for Windows Mobile のデスクトップ ワークフローとサーバ ワークフロー

ArcGIS for Windows Mobile では、現場での操作にサーバ ワークフローとデスクトップ ワークフローという 2 つの異なるワークフローを提供しています。サーバ ワークフローは、ArcGIS Server、ArcGIS Online for Organizations および Portal for ArcGIS を使用してモバイル マップ データを提供します。それに対して、デスクトップ ワークフローは、ArcGIS for Desktop のモバイル ジオプロセシング ツールを使用して、モバイル マップ データを生成したり同期したりします。どちらのワークフローでも、フィールド作業員はほとんど同じ方法で現場での操作を行います。

それぞれのワークフローにはメリットとデメリットがあります。組織の現場での操作でどちらを使用するかを決める前に、これら 2 つのワークフローの違いを理解しておくことが大切です。

サーバ ワークフロー

サーバ ワークフローは、モバイル マップ データの提供に ArcGIS Server、ArcGIS Online for Organizations、および Portal for ArcGIS を活用するサーバ中心のモバイル ソリューションです。フィールド作業員は、フィールドからバックエンド データベースに接続して、データをダウンロードまたはアップロードします。

このワークフローは、現場での操作において、フィールド デバイスとバックエンド データベースをリアルタイムまたはほぼリアルタイムで同期する必要がある場合や、モバイル ソリューションに拡張が必要な場合、あるいはフィールド スタッフがオフィスにデバイスを持ち帰り、モバイル ジオプロセシング ツールを使って手動でデータをチェックインできない場合に特に便利です。シナリオの例としては、危機管理や犯罪調査などが挙げられます。

サーバ ワークフローの手順

データの準備段階では、現場で使用するデータを使用して、ArcMap 内でマップ ドキュメントを作成します(「ArcGIS for Desktop を使用したモバイル マップの設計と作成」をご参照ください)。マップ データが操作可能な場合は(「操作マップ レイヤ」を参照)、マップをモバイル サービス(モバイル データ アクセス機能を持つマップ サービス)として ArcGIS Server で公開します(「モバイル サービスの公開」を参照)。また、マップをホストされたフィーチャ サービスとして ArcGIS Online for Organizations または Portal for ArcGIS で公開できます(「ホストされたフィーチャ サービスの公開」をご参照ください)。ベースマップのマップ ドキュメントを作成している場合は、マップをタイル マップ サービスとして公開します(詳細については、「オンライン ベースマップ」を参照)。

注意注意:

モバイル サービスの場合、使用されるデータ リポジトリのタイプは、現場でのデータの使用方法に影響を与える場合があります。ファイル ジオデータベースからのデータを ArcGIS Server でホストすると、そのデータは GlobalID を追加していても読み取り専用になります。ArcSDE データベースからのデータも、公開前にサーバで登録していない場合は、読み取り専用になります。ただし、これらの制限は、フィーチャ サービスには適用されません。つまり、データは GlobalID がなかったり、ファイル ジオデータベースに格納されていなくても、編集可能です。

準備が完了したら、モバイル サービス、フィーチャ サービス、タイル サービス、または他のオンラインまたはオフライン データ ソースを追加して、モバイル プロジェクトMobile Project Center に統合し始めることができます。また、フィールド作業員にプロジェクトを配置した後、フィールド デバイスでモバイル データをすぐに使用できるように、Mobile Project Center が提供するデータ パッケージ ツールを使用して、操作マップ レイヤをダウンロードすることができます(詳細については、「データ パッケージについて」をご参照ください)。その後、プロジェクトを構成して、プロジェクトをローカル コンピュータに保存できます。

次に、以下の配置方法のいずれかを使用して、プロジェクトをフィールド スタッフのデバイスに配置します。

  • Mobile Project Center を使用して、プロジェクトを ArcGIS Online または Portal for ArcGIS で共有して、フィールド作業員がフィールド アプリケーションを使用してプロジェクトをダウンロードできるようにします。
  • Mobile Project Center を使用して、プロジェクトをモバイル コンテンツ サーバと共有します。フィールド作業員は、フィールド アプリケーション内からプロジェクトをダウンロードできます。
  • 直接コピーするか、サードパーティの配置ツールを使用して、プロジェクトのコピーをフィールド スタッフのデバイスに配置します。

プロジェクトの共有と配置の詳細については、「モバイル プロジェクトの共有と配置」をご参照ください。

フィールド作業員がプロジェクトをダウンロードして開いた後に、データがプロジェクトにパッケージ化されていない場合は、バックエンド データベースからデータをダウンロードするように、フィールド アプリケーションから要求されます。この時点で、操作データはデバイス上にローカルに保存され、フィールド スタッフは、更新内容を同期する必要が生じるまで、このオフライン データを収集または更新することができます。同期を実行するには、フィールド スタッフが編集内容のアップロードや更新内容のダウンロードをできるように、現場から接続を確立する必要があります(詳細については、「タスクの同期」をご参照ください)。同期が完了すると、変更内容は即座にサーバ側で利用できます。

サーバ ワークフローの利点

サーバ ワークフローには、次の利点があります。

  • ArcGIS Server、ArcGIS Online、および Portal for ArcGIS がホストするモバイル マップ データとプロジェクトのセキュリティを保護することができます(詳細については、「マップ サービスとモバイル コンテンツ サーバのセキュリティ」をご参照ください)。
  • 現場からのリアルタイムなデータの同期機能。
  • フィールド作業員が移動すると自動的に更新されるフィールド作業員レイヤによる機能(詳細については、「操作レイヤのプロパティ」をご参照ください)。
  • タイル サービスのベースマップ データはサーバに格納されます。そのため、フィールド デバイスの格納領域を消費しません。

デスクトップ ワークフロー

デスクトップ ワークフローは、チェックインおよびチェックアウトの手順に従います。このワークフローは、ArcGIS for Desktopモバイル ジオプロセシング ツール、および Mobile Project Center を使用してプロジェクトを作成し、その後フィールド スタッフのフィールド デバイスにプロジェクトを配置します。モバイル ジオプロセシング ツールは、ArcGIS for Windows Mobile アプリケーションのインストール プログラムに含まれており、コンピュータに ArcGIS for Desktop がインストールされていれば、インストールすることができます。ArcGIS for Desktop 10.0 以降をお持ちの場合、その上にモバイル ジオプロセシング ツールをインストールできます。

デスクトップ ワークフローは、現場とバックエンド データベース間でリアルタイムの同期が必要ないユーザ、オフラインでのデータの収集やフィーチャの検査に少数のプロジェクトの配置しか必要ないユーザに適しています。

デスクトップ ワークフローの手順

データの準備段階では、モバイルでの使用のために ArcMap でマップ ドキュメントを作成します(「ArcGIS for Desktop を使用したモバイル マップの設計と作成」を参照)。マップの作成が完了したら、[モバイル キャッシュの作成(Create Mobile Cache)] ツールを使用して、操作マップ データのオフライン ソースとしてモバイル キャッシュを作成します(詳細については「操作マップ レイヤとは」をご参照ください)。ArcGIS for Desktop を使用して、マップ ドキュメントからタイル パッケージを作成し、それをオフライン ベースマップとして使用することもできます(詳細については、「タイル パッケージまたはタイル データセット」」をご参照ください)。

注意注意:

デスクトップ ワークフローでは、ファイル ジオデータベースまたは ArcSDE データベースの操作マップ データは、GlobalID を持つ限り常に編集可能になります。

Mobile Project Center でモバイル プロジェクトを作成します。モバイル キャッシュ、タイル パッケージ、およびオンライン/オフライン データのその他のソースをプロジェクトに追加します。プロジェクトを構成して、プロジェクトをローカル コンピュータに保存します。

サーバ ワークフローでは、次に、以下の配置方法のいずれかを使用して、プロジェクトをフィールド スタッフのデバイスに配置します。

  • Mobile Project Center を使用して、プロジェクトを ArcGIS Online または Portal for ArcGIS で共有して、フィールド作業員がフィールド アプリケーションを使用してプロジェクトをダウンロードできるようにします。
  • 直接コピーするか、サードパーティの配置ツールを使用して、プロジェクトのコピーをフィールド スタッフのデバイスに配置します。

プロジェクトの共有と配置の詳細については、「モバイル プロジェクトの共有と配置」をご参照ください。

注意注意:

フィールド スタッフにとって、デスクトップ ワークフローとサーバ ワークフローの唯一明らかな違いは、バックエンド データベースとの同期機能です。サーバ ワークフローの場合、フィールド スタッフは、サーバへの更新内容を投稿したり、データベースからデバイスへ最新データをダウンロードしたり、フィールド作業員の追跡機能を利用したりできます。デスクトップ ワークフローでは、いずれも利用できません。同期機能以外に関しては、どちらのワークフローでも、データ収集や現場での他の作業を行っている間にフィールド スタッフが違いを感じることはありません。

デスクトップ ワークフローの最後の手順は、モバイル キャッシュをフィールド デバイスから元のマップ ドキュメントにアクセスできる場所に移動し、[モバイル キャッシュの同期(Synchronize Mobile Cache)] ツールを使用して、編集内容をデータベースに戻すことです(また、必要に応じて、次の現場操作のために更新内容をデータベースからキャッシュに取り込みます)。

デスクトップ ワークフローの利点

デスクトップ ワークフローには、次の利点があります。

  • ファイル ジオデータベースまたは ArcSDE データベースのいずれのデータも、GlobalID が設定されていれば、フィールド アプリケーションで編集できます。
  • ArcGIS for Desktop ライセンス 1 つにつき、1 つのモバイルを無償で配置できます。詳細については、Esri の担当者または地域の Esri 販売代理店にお問い合わせください。

関連トピック

9/14/2013