ArcGIS 10.1 サービス パックの新機能

ArcGIS 10.1 サービス パックでは、ArcGIS 製品ライン全体にわたって安定性の強化と機能改善が図られています。安定性の強化の詳細については、Esri サポート サイトの ArcGIS 10.1 サービス パック ソフトウェア ダウンロード ページをご参照ください。ソフトウェアの機能変更の概要については、以下のセクションをご参照ください。

Service Pack 1

ジオプロセシングと ArcPy

ここでは、Service Pack 1 におけるジオプロセシングと ArcPy の主な機能について簡単に説明します。詳細については、以下のリンクをご覧ください。

  • Background Geoprocessing(64-bit)
  • ジオプロセシング ツールでは、タイム スライダで設定された特定の期間内のフィーチャのみを対象に処理することで、時間対応レイヤを適用します。
  • 新規並列処理ファクタ環境
  • タイル キャッシュを生成および管理する 4 つの新規ツール
  • Spatial Analyst および 3D Analyst エクステンションの [観測ポイント(Observer Points)] ツールおよび [可視領域(Viewshed)] ツール用の新規 AGL(Above Ground Layer)出力ラスタ
  • ジオプロセシング サービスおよびサーバのデータ ストアを管理する新しい ArcPy メソッド
  • ジオメトリの JSON 表現を処理する新しい arcpy.da(データ アクセス)メソッド

Service Pack 1 におけるジオプロセシングと ArcPy の新機能の詳細

ジオデータ

ジオデータベースおよびデータベース

ArcGIS 10.1 SP1 での PostgreSQL 9.1 の 使用が認定されました。PostgreSQL 9.1 データベースでジオデータベースまたは ST_Geometry タイプを作成するには、適切な st_geometry ライブラリを PostgreSQL の lib ディレクトリに配置する必要があります。ArcGIS クライアントのインストール ディレクトリにある [DatabaseSupport] フォルダに、9.1 という名前のフォルダが追加されました。[9.1] フォルダには、PostgreSQL 9.1 データベースでのジオデータベースの作成または ST_Geometry タイプのインストール、または既存のジオデータベースの 10.1 SP1 へのアップグレードに必要な st_geometry ライブラリが含まれています。

編集

オフセット距離でトレースしている間に Tab キーを押すことで、エッジの反対側に切り替えることができます。以前は、Tab キーにより [フィーチャの作図] ツールバーも表示されていたため、トレース対象を表示するのが大変でした。SP1 では、ツールバーは Tab キーを押したときにのみ表示され、アクティブ トレース内には表示されなくなりました。

パーセル編集

パーセル ファブリック データセットを Local Government 情報モデル(米国の地方自治体用のモデル)で有効にできるようになりました。

Local Government 情報モデルがパーセル ファブリックで有効になっている場合、Local Government パーセル管理の編集要件を反映したパーセル タイプ、属性、およびドメインがパーセル ファブリック テーブルに追加されます。パーセル ファブリック レイヤは Local Government 設定を使用して表示およびシンボル表示されます。また、パーセル ファブリックは効率的で自動化されたパーセル編集ワークフローで使用することができます。

ラスタと画像

[タイル キャッシュ] ツールセットは、4 つの新規ツールを含む新たなツールセットです。[タイル キャッシュ] ツールセットには、タイル キャッシュを作成、管理、インポート、エクスポートし、タイル キャッシュのタイル スキーマを生成するツールが含まれています。これらのツールでは、ラスタ データセットまたはモザイク データセットからタイル キャッシュをデスクトップ上でローカルに生成することができます。これらのタイル キャッシュは、ArcGIS Online でタイル パッケージとして共有することができます。

ML Classify 関数により、ラスタ データセットまたはモザイク データセットに対して最尤法分類が実行されます。これにより、ラスタ データをシグネチャ ファイルを使用して分類することができます。

メタデータ

完全なメタデータ コンテンツをサポートするすべてのメタデータ スタイルにおいて、整合性ルールが改善されました。特に、FGDC CSDGM Metadata スタイルへの更新により、ArcGIS で FGDC CSDGM に準拠したメタデータ コンテンツを作成するプロセスに関するガイドが改善されました。また、すべてのメタデータ スタイルで、ArcGIS メタデータで引用が指定されている任意の関連リソースの場所を示す URL を提供できるようになりました。

トピック「FGDC メタデータを作成するための図解ガイド」は、これらの変更を受けて更新されています。また、ArcGIS で FGDC CSDGM に準拠したメタデータを作成する際に注意すべき重要な点をまとめた新規トピック「ArcGIS メタデータと FGDC メタデータの相違点」も追加されています。

ArcMap

新規マップ ドキュメントを作成する際、アクティブな変換のリストに地理座標系(測地基準)変換方式 NAD_1927_To_NAD_1983_NADCON が自動的には追加されなくなりました。米国のアラスカとハワイを除いた 48 州の NAD 1927 および NAD 1983 データを使用している場合は、[データ フレーム プロパティ] ダイアログ ボックスを開いて [座標系] タブをクリックし、[座標変換] をクリックして、この変換方式を設定する必要があります。変換方式が設定されていない場合、NAD 1927 および NAD 1983 データは最大 200 メートルオフセットされる場合があります。既存のマップ ドキュメントは影響を受けません。

サービス

ArcGIS Server Manager の機能改善

ArcGIS Server Manager では、ArcGIS Server サイトの管理に役立つさまざまな機能改善が図られています。

  • [サービス] ギャラリーの各ページに表示されるサービスの数を設定できます。詳細については、「Manager でのサービス ギャラリーの設定」をご参照ください。
  • サイトに ArcGIS Web Adaptor を登録している場合は、Manager を使用してそのプロパティを表示でき、必要に応じてサイトから登録を解除することもできます。詳細については、「Manager での Web Adaptor プロパティの表示」をご参照ください。

ArcGIS for Server(Linux)における Netezza のサポート

ArcGIS for Server(Linux)では、データベースのクライアントとして Netezza データ ウェアハウス アプライアンスをサポートするようになりました。ArcGIS で Netezza を使用するには、サポートされているバージョンの Netezza Spatial Cartridge をデータベース管理システムにインストールし、データベース接続を行う ArcGIS クライアント マシンに Netezza ODBC ドライバをインストールおよび設定する必要があります。詳細については、「ArcGIS Server のデータベースへの接続の構成」をご参照ください。

フィーチャ サービス上の検索はフィーチャの所有者に応じた制限が可能

フィーチャ サービスに所有権ベースのアクセス制御オプションが新たに追加されました。このオプションでは、フィーチャの作成者のみにそのフィーチャの検索を許可することができます。ユーザが検索を実行すると、ユーザが作成したフィーチャのみが返されます。「フィーチャ サービスでの所有権ベースのアクセス制御」をご参照ください。

ArcGIS Server サイトにフォルダおよびデータベースを登録するための新しい ArcPy 関数

ArcGIS Server サイトに登録されたフォルダおよびデータベースの管理に役立つ新しい関数が ArcPy サイト パッケージに追加されました。ArcGIS Server 管理タスクを Python でスクリプト記述している場合、ArcGIS Server Administrator API のネイティブ オペレーションよりもこれらの関数のほうが使用しやすい場合があります。新規関数は以下のとおりです。

イメージ サービスおよびジオプロセシング サービスの公開のための新しい ArcPy 関数

ArcPy サイト パッケージでは、Python を使用したイメージ サービスおよびジオプロセシング サービスの公開の自動化に役立つ 2 つの新しい関数を提供しています。これらの関数はそれぞれ CreateImageSDDraftCreateGPSDDraft です。これらの関数は、マップ サービスの公開の自動化を実現する arcpy.mapping モジュール内の既存の関数を補完します。これらのスクリプト構築の詳細については、「公開ツールセットの概要」をご参照ください。

新規 OGC WMS(Web マップ サービス)オプション

ArcGIS for Server では、OGC(Open Geospatial Consortium)WMS サービスとの通信方法の改善に使用可能な 3 つの新規パラメータがサポートされています。

  • [レイヤ定義] により、レイヤに対して定義条件式を指定することで、クライアントへの負担を軽減しながら、エクスポートされたマップの個々のレイヤのフィーチャにフィルタを適用することができます。詳細については、「WMS リクエストの layerDefs パラメータを使用したフィーチャのフィルタリング」をご参照ください。
  • [ピクセル許容値] プロパティでは、マップがクリックされたときに GetFeatureInfo オペレーションがフィーチャ情報をクライアントに返す際の許容値(ピクセル単位)を定義できます。このプロパティの詳細については、「利用可能な WMS サービス プロパティ」をご参照ください。
  • [カスタム座標参照系のリスト] プロパティでは、WMS サービスにカスタム投影または投影の WKT(Well-Known Text)表現を定義することができます。これは、特にカスタム空間参照系が公式の EPSG ID に関連付けられていない場合に役立ちます。詳細については、「WMS サービス用のカスタム投影の定義」をご参照ください。

インポートおよびエクスポート時にキャッシュ タイルを上書き可能

タイルをマップ キャッシュにインポートまたはエクスポートする際に、インポート元またはエクスポート元のキャッシュ内のタイルでインポート先またはエクスポート先のキャッシュ内のタイルを上書きできるようになりました。以前は、すべての場合でブレンドされた画像が生成されていました。

この機能改善は、[マップ サービス キャッシュのエクスポート(Export Map Server Cache)] および [マップ サービス キャッシュのインポート(Import Map Server Cache)] ツールの新規パラメータ [タイルの上書き] を使用することで利用可能です。これらのツールのいずれかを使用する既存モデルがある場合は、Service Pack 1 でそのモデルを使用する前にモデルを開き整合チェックを行う必要があります。手順については、「ジオプロセシングによるキャッシュの作成と更新の自動化」をご参照ください。

管理者はサーバへのデータコピーの無効化が可能

ArcGIS Server 管理者が公開者による公開時のサーバへのデータの自動コピーを防止するには、ArcGIS Server Administrator Directory を使用してデータのコピーを無効化します。すべての手順については、「サーバへの公開時におけるデータの自動コピーの無効化」をご参照ください。

防衛/インテリジェンス

ArcGIS Online を通じて配布される Esri の軍事関連フィーチャ部隊レイヤ内のデータは、リプレゼンテーションを使用して、symbolrule フィールドに格納されているリプレゼンテーション ルールで定義されているシンボルによってシンボル表示されます。

9/14/2013