パーセルのコーナー位置の更新

このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。

複雑性: 初級 データ要件: 地方自治体のサンプル データ データ パス: \TaxParcelEditingMap\MapsandGeodatabase\ 目的: ArcGIS の Local Government 情報モデルを使用して、パーセルの境界線とコーナー ポイントの位置を更新する方法を説明します。

Local Government 情報モデルでパーセル ファブリックを有効にすると、効率のよいワークフローを使用して、パーセルのマージや分割などの一般的なパーセルの編集作業を行うことができます。このワークフローは、パーセルの境界線とコーナー ポイントの位置を臨機応変に更新する手順を示しています。

このワークフローでは、Resource Center の Tax Parcel Editing マップでダウンロードされるサンプル データセットを使用します。

パーセル データを Local Government 情報モデルのパーセル ファブリック スキーマに移行する方法を説明します。

パーセルの境界線とポイントの位置を臨機応変に更新するのは、他のデータとの間に配置のずれがあり、パーセルの空間位置を変更する必要がある場合です。デジタイズされたか、不正確な CAD ファイルからインポートされたパーセルの境界線は、多くの場合、高解像度の画像などのより正確なデータと位置を揃えるために更新する必要があります。

パーセル ファブリックのパーセルが正確な計測値、つまり、測量記録に一致する COGO 計測値を持つ場合は、ファブリックの最小二乗アジャストをコントロール ポイントとともに使用して、調整を行い、パーセルのコーナー ポイントの極めて正確な位置を求めることができます。

ただし、ディメンションの信頼性が低いときは、ディメンションを再入力し、最小二乗アジャストを実行しなくても、暫定的にパーセルの境界線とコーナー ポイントの位置を臨機応変に更新することができます。

ワークフローは下図に示されたコンポーネントで構成されます。

パーセルの境界線とポイントの位置を更新するためのコンポーネント

パーセルの検索

手順:
  1. MapsandGeodatabase フォルダにある TaxParcelEditingMap ドキュメントを開きます。
  2. コンテンツ ウィンドウで、更新したいパーセルを含むレイヤを選択可能にします。たとえば、ロット パーセル、課税パーセル、負債パーセルの境界線とポイントを更新したい場合は、[Lots and Units][Tax Parcels]、および [Encumbrances] レイヤを選択可能にします。

    サンプル データセットでは、[Tax Parcels] レイヤと [Lots and Units] レイヤの両方を選択可能にします。

  3. サンプル データを使用したワークフローでは、[Historic Parcels] レイヤの表示設定がオフになっています。

  4. 更新するパーセルを検索します。TaxParcelEditingMap ドキュメントのサンプル データセットでは、パーセル 1921201004 を検索します。

パーセルの選択

パーセル 19-21-201-004 およびそれに隣接するパーセルの境界線の位置を更新します。

手順:
  1. 編集セッションを開始し、[パーセルの編集] ツールバーにある [パーセル フィーチャの選択] ツール パーセル フィーチャの選択 を使用して、下図に示すように、パーセル 19-21-201-004 と周囲のパーセルを選択します。

    パーセルを表示するために縮小表示が必要になる場合があります。

  2. パーセルの選択

パーセルの境界線とポイントの移動

ワークフローでは、選択したパーセルの境界線とコーナー ポイントが更新され、高解像度の画像に揃えられます。現時点では、下図に示すように、境界線は高解像度の画像とずれています。見やすくするために、[Lots and Units] の表示設定はオフになっています。

基になる高解像度の画像

ヒントヒント:

Local Government サンプル データセットの Local Government Imagery Hybrid Basemap は、Land records Resource Center からダウンロードできます。

手順:
  1. [パーセル エディタ] ツールバーの [パーセルの変換] ツール パーセルの変換 をクリックし、[パーセルの変換] ツールバーを表示します。
  2. [パーセルの変換] ツールバーの [パーセルの移動][パーセルの拡大/縮小][パーセルの回転][パーセルの拡大/縮小と回転] ツールを使用して、パーセルの境界線を基になる画像に合わせて調整します。
    サンプル データセットを使用していて、サンプル データセットの画像をマップに追加していない場合は、選択したパーセルの移動、拡大/縮小、回転がどれくらい必要か見積もることができます。
  3. パーセルの移動、拡大/縮小、回転
  4. [パーセルの変換][変換のコミット] ジョブの保存(Job Save) をクリックして、パーセルの変換を保存します。

    カーブした境界線の新しい中心点を作成するか、元の中心点を維持するかを選択します。このワークフローでは、[変換の保存] ダイアログ ボックスで、[はい] をクリックします。

  5. 必要に応じて、[パーセル ポイントの移動] ツール ポイントの移動 を使用して、個々のパーセル ポイントを移動します。
  6. パーセル ポイントの移動
  7. [変換のコミット] をクリックし、パーセル ポイントの位置の変更を保存します。
  8. 移動されたポイントを共有するすべてのパーセルが更新されます。これには、基になるロット パーセル、負債パーセル、履歴パーセルなども含まれます。
    更新されたパーセルの境界線

    注意注意:

    パーセルのジオメトリを変更すると、ラインの COGO 形状がライン シェープ ジオメトリに一致しなくなる可能性があります。たとえば、ポイントを移動すると、ライン シェープの方位と距離が変わりますが、COGO 形状属性は変更されません。パーセル トラバース グリッドで、ライン シェープと 10 度以上の差がある方位、およびライン シェープと 20 パーセント以上の差がある距離が黄色でハイライト表示されます。

    不整合な COGO ディメンション

    コントロール ポイントとパーセル ファブリックの最小二乗アジャストを使用することにより、COGO ディメンションが正しい、空間的に正確なパーセル コーナーの位置を維持することができます。計測値が不正確なパーセル、または計測値の信頼性が低いパーセルは、測量記録から、正しい COGO 計測値で再入力する必要があります。選択したパーセルに最小二乗アジャストを適用し、指定したコントロール ポイントに対して調整することができます。

    パーセル ファブリックの最小二乗アジャストの詳細

パーセルのアノテーション

パーセルの位置を更新しても、アノテーションを更新する必要はありません。フィーチャ リンクされていれば、アノテーションは更新後の境界線の新しい位置に移動されます。必要に応じて、[アノテーション編集ツール]を使用して、生成されたアノテーションを編集し、配置を変更します。

選択したパーセルのアノテーションを再作成するには、[パーセル エディタ] ツールバーの [パーセル コースのアノテーション] ツール コースのアノテーション をクリックします。

属性パーセル

このワークフローでは新規のパーセルは作成されていないため、新しい属性情報を入力する必要はありません。既存の属性を編集するには、パーセルを選択し、[属性] ウィンドウを開きます。パーセルの属性は、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [プロパティ] タブでも編集できます。

9/14/2013