演習 4: オルソ幾何補正のためのラスタ タイプを使用したモザイク データセットの作成
このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。
この演習では、生の航空画像、DEM、いくつかのパラメータ ファイルを使用して、モザイク データセットを作成します。このモザイク データセットに追加する画像は MATCH-AT で処理したものなので、MATCH-AT ラスタ タイプを使用してモザイク データセットに追加します。
多くの画像が重なっているため、適切な継ぎ目を定義するシームラインを作成すると効果的です。このチュートリアルでは、シームラインの作成方法も紹介します。
これ以前の演習を実行していなくても、この演習を単独で行えます。
演習を始める前にチュートリアルが C:\ ドライブにインストール済みであることが想定されています。この想定と異なる場合は、MATCH-AT プロジェクト ファイル(\arcgis\ArcTutor\Raster\Data\Amberg_scans\Match-AT Parameters 内の Amberg_MAT2.prj)のデータの場所を示すパス情報を編集する必要があります。MATCH-AT プロジェクト ファイルは、任意のテキスト エディタ プログラム(Notepad や WordPad)で開くことができるテキスト形式のファイルです。「C:\ImageServerTutorial\Data\Amberg_scans\Scans」という文字列を検索し、*.tif ファイルが格納されている [\Scans] フォルダへの実際のパスで置き換えてください。このパスはファイル内の 16 箇所に記述されています。
たとえば、チュートリアル データのパスが D:\mydata で始まる場合は、
$PHOTO_FILE: C:\arcgis\ArcTutor\Raster\Data\Amberg_scans\Scans\110211.tif
という行のテキストを、次のように置き換えます。
$PHOTO_FILE: D:\mydata\arcgis\ArcTutor\Raster\Data\Amberg_scans\Scans\110211.tif
ArcMap の起動
- [スタート] → [すべてのプログラム] → [ArcGIS] → [ArcMap 10.1] の順にクリックして、ArcMap を起動します。
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[ArcMap - はじめに] ウィンドウで [キャンセル] をクリックします。
[はじめに] ウィンドウを表示しないように設定している場合は、このウィンドウが開きません。
注意:この演習では、この後、デフォルト マップ ドキュメントのジオデータベースを設定します。
ファイル ジオデータベースの作成
別の演習で ImageGDB をすでに作成済みの場合は、このセクションの手順を省略できます。
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[標準] ツールバーの [カタログ] ボタン をクリックします。
カタログ ウィンドウが開きます。
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[場所] テキスト ボックスに「C:\arcgis\ArcTutor\Raster」と入力して、Enter キーを押します。
カタログ ツリーで、[フォルダ接続] の下にこの場所が追加されます。
チュートリアル データが別の場所にインストールされている場合は、実際のインストール場所に従ってパスを変更してください。
- Raster フォルダを右クリックして、[新規作成] → [フォルダ] の順に選択します。
- このフォルダに「Exercises」という名前を付けます。
- Exercises フォルダを右クリックして、[新規作成] → [ファイル ジオデータベース] の順に選択します。
- 新しいファイル ジオデータベースの名前を「ImageGDB」に変更します。
デフォルト ジオデータベースの設定
各マップ ドキュメントには、マップの空間コンテンツに対するホーム位置に相当する、デフォルト ジオデータベースがあります。この位置は、データセットを追加したり、データセットにさまざまな編集操作やジオプロセシング操作を実行した結果を保存したりするときに使用します。
- カタログ ウィンドウで ImageGDB ジオデータベースを右クリックし、[デフォルト ジオデータベースに設定] の順に選択します。
新しいモザイク データセットの作成
- カタログ ウィンドウで ImageGDB を右クリックし、[新規作成] → [モザイク データセット] の順に選択します。
- [モザイク データセット名] テキスト ボックスに、「AmbergOrtho」と入力します。
- [座標系] の参照ボタン をクリックします。
- [投影座標系] → [国別グリッド] → [ドイツ] の順に展開し、Germany Zone 4.prj を選択してから、[OK] をクリックします。
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[モザイク データセットの作成(Create Mosaic Dataset)] ツールのウィンドウで [OK] をクリックします。
進行状況バーに、実行中のツールの状態が表示されます。
処理が完了した後、ポップアップ メッセージが表示されます。
AmbergOrtho のモザイク データセットがジオデータベースに作成され、ArcMap のコンテンツ ウィンドウに追加されます。これは空のモザイク データセットです。次の手順では、これにラスタ データセットを追加します。
モザイク データセットがコンテンツ ウィンドウに追加されるときは、グループ レイヤとして追加されます。トップ レベルにはモザイク データセットの名前である AmbergOrtho が表示されます。さらに、空の 境界線レイヤ、フットプリント レイヤ、イメージ レイヤもあります。
モザイク データセットへのラスタの追加
- ImageGDBの下にある カタログ ウィンドウで作成した AmbergOrtho モザイク データセットを右クリックして、[ラスタの追加] をクリックします。
[モザイク データセットにラスタを追加] ツールが開きます。
- [ラスタ タイプ] リストで、[Match-AT] を選択します。
- [プロパティ] ボタン をクリックします。
[ラスタ タイプ プロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。ここで、DEM およびカメラ ファイルの場所に関する詳細な情報を入力します。
- [プロパティ] タブをクリックします。
- [DEM] ラジオ ボタンをクリックします。
- 参照ボタン をクリックし、C:\ArcGIS\ArcTutor\Raster\Data\Amberg_Scans\DEM にナビゲートします。
- 01x01.flt ファイルをクリックし、[追加] をクリックします。
- [補助入力] タブをクリックします。
- [カメラ] の参照ボタン をクリックします。
- C:\ArcGIS\ArcTutor\Raster\Data\Amberg_Scans\Match-AT Parameters にナビゲートし、CAMERA ファイルをクリックしてから [開く] をクリックします。
- [OK] をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。
- [入力データ] の参照ボタン をクリックします。
- C:\ArcGIS\ArcTutor\Raster\Data\Amberg_Scans\Match-AT Parameters\Amberg_MAT2.prj にナビゲートして、[開く] をクリックします。
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[OK] をクリックして、このツールを実行します。
進行状況バーに、実行中のツールの状態が表示されます。
処理が完了した後、ポップアップ メッセージが表示されます。
モザイク データセットにラスタ データセットが追加されます。各ラスタ データセットのフットプリントが作成され、モザイク データセット全体の境界が作成されます。
- 表示される警告メッセージは無視してください。
この Match-AT プロジェクト ファイルで定義されていながら、このチュートリアル データには含まれていない画像が、いくつかあります。それらの画像はモザイク データセットに追加されません。欠けている画像のリストは [結果] ウィンドウに表示されます。
- [全体表示] ボタン ボタンをクリックし、モザイク データセットを表示します。
- [イメージ] レイヤをオフにします。
これにより、各画像のフットプリントのみを見ていることになります。それぞれのフットプリントはラスタ データセットの範囲を表す単なる四角形ではないことが確認できます。各フットプリントは固有の形状を持っています。この形状は、オルソ幾何補正によって画像で適用された幾何補正を表しています。
- [フットプリント] レイヤをオフにし、[イメージ] レイヤをオンにします。
モザイク画像でもフットプリントと同じ形状が見られます。しかし、そこには黒いラインもあります。このラインは、スキャンされた画像の周縁部を表しています。この周縁部を取り除くには、フットプリントを縮小します。幸い、画像には多くの重なりがあるため、縮小によって多くのデータが失われることはありません。実際に、これは航空写真画像をトリミングする一般的な方法になっています。
フットプリントの縮小
- カタログ ウィンドウで AmbergOrtho のモザイク データセットを右クリックし、[変更] → [フットプリントの構築] の順にクリックします。
[フットプリントの構築(Build Footprints)] ツールが開きます。
- [計算方法] ドロップダウン矢印をクリックし、[なし] をクリックします。
- [頂点の概数] テキスト ボックスに「25」と入力します。
- [縮小距離] テキスト ボックスに「60」と入力します。
- [OK] をクリックして、このツールを実行します。
進行状況バーに、実行中のツールの状態が表示されます。
処理が完了した後、ポップアップ メッセージが表示されます。
- コンテンツ ウィンドウで [フットプリント] レイヤをオンにして表示します。
データセットを見ると、画像の周囲がモザイク画像から削除されていることが分かります。
シームラインの構築
航空写真を扱うとき、モザイクの継ぎ目を調整して見栄えを良くしたい場合があります。これを行うには、シームラインを作成します。
- カタログ ウィンドウで AmbergOrtho のモザイク データセットを右クリックし、[拡張] → [シームラインの生成] の順にクリックします。
[シームラインの構築] ツールが開きます。
- [計算方法] ドロップダウン矢印をクリックし、[RADIOMETRY] をクリックします。
このオプションを指定すると、シームラインを計算するために、交差するエリア内でピクセル値とパターンが調査されます。
- [OK] をクリックして、このツールを実行します。
進行状況バーに、実行中のツールの状態が表示されます。
処理が完了した後、ポップアップ メッセージが表示されます。
モザイク データセットのプロパティの更新
結果を見る前に、モザイク データセットのプロパティがシームラインを使用するように設定されていることを確認します。
- コンテンツ ウィンドウでモザイク データセットを右クリックし、[削除] をクリックします。
プロパティを更新し、モザイク データセットを再び表示ビューに追加すると、更新されたプロパティが画像レイヤに反映されます。
- カタログ タブをクリックしてウィンドウを展開します。
- AmbergOrtho のモザイク データセットを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [デフォルト] タブをクリックします。
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[許可されるモザイク手法] の省略記号ボタン をクリックします。
[許可リストの構成] ダイアログ ボックスが表示されます。
- [デフォルトの手法] が [シームライン] であることを確認して、[OK] をクリックします。
- [デフォルトのモザイク オペレータ] のドロップダウン矢印をクリックし、[ブレンド] をクリックします。
これにより、シームラインに沿って重なっているラスタ間のピクセル値がブレンドされます。デフォルトの [ブレンド幅] は 10 で、やはりこのタブで指定します。この値は、距離をピクセル(表示縮尺)で定義します。
- [OK] をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。
- AmbergOrtho のモザイク データセットをカタログ ウィンドウから表示ビューにドラッグ アンド ドロップします。
- [フットプリント] レイヤをオフにし、[シームライン] レイヤをオンにします。
- シームラインの拡大とズームを行います。シームラインのオンとオフを切り替えて、境界を調べることができます。
オーバービューの構築
完全なモザイク データセットを構築するには、オーバービューを構築する必要があります。オーバービューは、デフォルトのモザイク手法である Seamline を使用して生成されます。
- ImageGDBの下にあるカタログ ウィンドウで AmbergOrtho モザイク データセットを右クリックして、[最適化] → [オーバービューの構築] の順に順にクリックします。
[オーバービューの構築(Build Overviews)] ツールが開きます。
- デフォルトのまま [OK] をクリックします。
- [OK] をクリックして、このツールを実行します。
進行状況バーに、実行中のツールの状態が表示されます。
処理が完了した後、ポップアップ メッセージが表示されます。
モザイク データセットが作成され、ArcGIS for Server を使用してイメージ サービスとして公開する準備ができました。このモザイク データセットを ArcMap または ArcGlobe 内でレイヤとして使用することもできます。