ArcGIS for Windows Mobile の新機能
3.0 リリースで、ArcGIS for Windows Mobile(旧 ArcGIS Mobile)は大幅な機能強化、変更、ユーザ エクスペリエンスの向上を実現しています。このトピックでは、これらについて説明します。
インストールの変更
- ArcGIS for Windows Mobile では、2 つのインストール プログラム(セットアップ)を付属するようになりました。1 つはモバイル ソリューションの構築に必要なすべてのアプリケーションであり、もう 1 つは SDK(ソフトウェア開発キット)ArcGIS Runtime SDK for Windows Mobile です。SDK はプログラマ向けで、配置の準備が整ったフィールド アプリケーションの拡張(タスクやエクステンションのカスタマイズ)や独自の SDK アプリケーションの開発を行うことができます。
- ArcGIS for Desktop を使用している場合は、ArcGIS for Desktop の 10.0 バージョンと 10.1 バージョンの両方で機能するジオプロセシング ツールをインストールできます。
プロジェクト構築の機能強化と変更
次を実行できます。
- モバイル プロジェクトは、モバイル キャッシュ、ベースマップ、カスタム タスクおよびエクステンションを含めて作成し、パッケージ化すると、これらを個別に配置する必要がなくなるため、フィールドへの配置を簡素化できます。
- Mobile Project Center の整合チェック フレームワークを使用して、プロジェクトを配置する前にその問題を検出することにより、フィールド プロジェクトの整合性を確保できます。
- ArcGIS Server、ArcGIS Online、Portal for ArcGIS を使用して、デバイスでダウンロードするモバイル プロジェクトを共有およびアップロードできます。
- Mobile Project Center でマップ レイヤの振舞いの適格性を確認することにより、フィールド作業員のフィールド同期プロセスを簡素化できます。
- モバイル マップ サービスを介したフィーチャや添付ファイルの同期または [モバイル キャッシュの同期(Synchronize Mobile Cache)] ツールによるフィールド編集のチェックイン。
ArcGIS for Desktop との統合
- [モバイル キャッシュの作成(Create Mobile Cache)] ツールと [モバイル キャッシュの同期(Synchronize Mobile Cache)] ツールで添付ファイルをサポートします。
- モバイル ソリューション用のマップ ドキュメントを作成するときのカスタム範囲の要件を削除しました。カスタム全体表示を設定しない場合、データ フレームの空間参照により定義された範囲が使用されます。
- ArcGIS for Desktop を介してモバイル マップ サービスを公開する際に、分析を行います。
Mobile Project Center
- すべての操作レイヤ、ベースマップ(オプション)、カスタム タスク(オプション)、カスタム範囲(オプション)を配置の 1 つのアイテムとして含めることができます。
- 目的別に操作マップ レイヤを設定し、構成ワークフローを簡素化できます。
- プロジェクト ユーザの ID メカニズムは ID レイヤにより実現されるようになりました。
- フィールド作業員またはログ レイヤのスキーマに関する制限を緩和しました。
- フィールド スタッフが一連の組み込み変数(ユーザ ID、コンピュータの詳細、GPS の詳細)を使用してフィーチャを収集または更新したり、カスタム エクステンションを使用してユーザ独自の変数を定義するときに、フィールド自動入力を設定できます。
- プロジェクトの配置前にすべてのモバイル マップ サービスからのデータをパッケージ化できます。
- ベースマップを、参照によって追加したり、モバイル プロジェクトにコピーして追加したりできるようになり柔軟性が向上しています。
- タイル データセット、およびオフライン ベースマップとしての StreetMap for Windows Mobile に加え、タイル パッケージをサポートしています。
- よく使用されるタイル データセットや streetmap データセットの参照をすばやく追加して、ベースマップ カタログを管理できます。
- プロジェクトの問題の原因と解決策についての詳細情報が提供される、プロジェクトの整合チェック。
- ArcGIS Server、ArcGIS Online、Portal for ArcGIS との間でプロジェクトを共有し、ダウンロードできます。
モバイル コンテンツ サーバ
- モバイル コンテンツ サーバは、ArcGIS Server から同じロール ベースのセキュリティ モデルを継承します。プロジェクトをダウンロードするには、少なくとも「ユーザ」ロール タイプが必要です。
Windows Mobile デバイス用の ArcGIS アプリケーションへの変更
フィールド スタッフとして、次を実行できます。
- プロジェクトのデフォルトのソースの場所を設定して、プロジェクトのダウンロードを効率化できます。
- 現在のプロジェクトの詳細(データソース、使用されているエクステンションなど)を確認できます。
- 操作マップ データのアップロードとダウンロードの両方を可能にする簡素化された同期ワークフローを使用できます。
- 繰り返されるタスクを効率化する簡素化されたワークフローを使用することにより、新しいフィーチャを作成できます。
- 既存のフィーチャのジオメトリを更新できます(一部を拡張、再収集、置換)。
- 単一点による GPS 位置(GPS 平均化法の代替方法)を使用してポイントをキャプチャできます。
- カメラを使用し、ジオデータベースの添付ファイルを使って写真やビデオをフィーチャに添付することができます。
- ファイル システムを参照し、ファイルをフィーチャに添付できます。
- フィーチャに添付されているファイルをダウンロードおよびアップロードできます。
- フィーチャの場所へナビゲートできます。
- GPS(全地球測位システム)受信機を ArcGIS で使用するために構成できます。
- マップに表示されている場合は、GPS 情報バーを使用して GPS 位置の詳細を表示できます。
- アプリケーション全体で使用する座標系の形式を設定できます。
- プロジェクトのニーズに合わせて、アプリケーション全体で使用する単位を標準化できます。
Windows デバイス用の ArcGIS アプリケーションへの変更
フィールド スタッフとして、次を実行できます。
- プロジェクトのデフォルトのソースの場所を設定して、プロジェクトのダウンロードを合理化できます。
- 操作マップ データのアップロードとダウンロードの両方を可能にする簡素化された同期ワークフローを使用できます。
- ファイル システムを参照し、ファイルをフィーチャに添付できます。
- フィーチャに添付されているファイルをダウンロードおよびアップロードできます。
- 単一ショットによる GPS 位置(GPS 平均化法の代替方法)を使用してポイントをキャプチャできます。
- スケッチ時に、マップ上に現在表示してズームしている内容に応じて、フィーチャに正確にスナップできます。
- プロジェクトのニーズに合わせて、アプリケーション全体で使用する単位を標準化できます。
SDK
- アタッチメント用のアプリケーション プログラミング インタフェース(API)を提供します。
- CatalogServices 名前空間のための Rest API を提供します。
- Geometries 名前空間で公開される、バッファ、ユニオン、切り取りなどの新しい演算。
- 測地線計算を提供します。
8/23/2013