パーセル ファブリックへのデータの読み込み

このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。

パーセル ファブリックが土地区画データを表示および格納する場合、その正確さはトポロジの正確さに基づきます。パーセル ファブリックへ移行しようとする既存の土地区画データセットには、パーセル ファブリックと同じレベルのトポロジの正確さが反映されます。

[トポロジをパーセル ファブリックへ読み込み(Load A Topology To A Parcel Fabric)] ジオプロセシング ツールを使用して、トポロジ的にクリーンな検証済みのパーセル フィーチャクラスのトポロジ データをパーセル ファブリックに読み込むことができます。ジオデータベース トポロジがフィーチャ データセットに作成され、作成先となるフィーチャ データセットには、パーセル ラインのフィーチャクラスおよびパーセル ポリゴンのフィーチャクラス、また、オプションとしてポイント フィーチャクラス(パーセルのコーナー)が含まれます。トポロジは、必要な一連のルールに対して検証されます。トポロジがクリーンであれば、ジオプロセシング ツールを使用してトポロジをパーセル ファブリックに読み込むことができます。

トポロジ ルール

トポロジの整合チェックでは、トポロジに属するフィーチャは定義された一連のルールに照らしてチェックされ、ルールに反するフィーチャはエラーとして処理されます。[トポロジをパーセル ファブリックへ読み込み(Load A Topology To A Parcel Fabric)] ジオプロセシング ツールを使用する場合、以下の一連のトポロジ ルールが必要になります。

  1. [ライン フィーチャクラス] は、[ポリゴン フィーチャクラス] の境界線上にある
  2. [ライン フィーチャクラス] は同一ライン内で重複しない
  3. [ライン フィーチャクラス] は同一ライン内で交差しない
  4. [ライン フィーチャクラス] は単一パートから構成される
  5. [ライン フィーチャクラス] は交差しない、または接する
  6. [ポリゴン フィーチャクラス] の境界線が他のクラスのライン上にある

ラインを接続線または道路の中心線としてパーセル ファブリックに移行する場合、「[ライン フィーチャクラス] は、[ポリゴン フィーチャクラス] の境界線上にある」のルールを例外としてマークできます。接続線は、パーセル ポイントをコントロール ポイントに接続するライン、またはパーセルのブロックを接続するラインです。ラインを接続線として移行している場合は、ソース ラインの属性テーブルに [Category] フィールドが存在し、カテゴリの値が(接続線を表す)3 に設定されています。

トポロジの整合性は、ArcCatalog もしくは ArcMap でチェックします。ArcCatalog では、全データセットの整合性がチェックされます。ArcMap では、[トポロジ] ツールバーにある [現在の表示範囲でトポロジ整合チェック]現在の表示範囲でトポロジ整合チェック ツールまたは [指定エリア内のトポロジ整合チェック]指定エリア内のトポロジ整合チェック ツールを使用して、データのサブセットの整合性をチェックできます。

トポロジの整合性がチェックされると、トポロジ ルールの違反(エラー)が ArcMap のトポロジ レイヤにシンボル表示されます。トポロジ エラーは、ポイント、ライン、ポリゴンでシンボル表示されます。

エラーのあるトポロジ レイヤ
エラーのあるトポロジ レイヤ

トポロジ エラーは、[トポロジ] ツールバーからアクセスする [エラー インスペクタ] ダイアログ ボックス エラー インスペクタ でも確認できます。[エラー インスペクタ] に、現在の表示範囲のトポロジ エラーが表示されます。すべてのトポロジ エラーを表示させることも可能です。ルールに違反したものがエラーとして表示されます。

トポロジ エラー インスペクタ
トポロジ エラー インスペクタ

[エラー インスペクタ] ダイアログ ボックスの詳細

パーセル データをパーセル ファブリックに移行する際にトポロジ エラーを最小化する方法の詳細

整合チェックされたトポロジがクリーンであり、エラーがなければ、それをパーセル ファブリックに読み込むことができます。[トポロジをパーセル ファブリックへ読み込み(Load A Topology To A Parcel Fabric)] ツールは、カタログ ウィンドウの [Toolboxes] [System Toolboxes] [Parcel Fabric Tools.tbx] [データ移行] にあります。

トポロジをパーセル ファブリックへ読み込み(Load A Topology To A Parcel Fabric)ジオプロセシング ツールの使用

[トポロジをパーセル ファブリックへ読み込み(Load A Topology To A Parcel Fabric)] ジオプロセシング ツールでは、[入力(トポロジ)フィーチャクラス] としてパーセル ライン フィーチャクラスまたはパーセル ポリゴン フィーチャクラスを使用できます。ただし、読み込みが正常に完了するには、ポリゴン フィーチャクラスとライン フィーチャクラスの両方のトポロジが必要です。

[トポロジをパーセル ファブリックへ読み込み] ダイアログ ボックス
[トポロジをパーセル ファブリックへ読み込み] ダイアログ ボックス

入力ポリゴン フィーチャクラスもしくは入力ライン フィーチャクラスで選択されているフィーチャがある場合、選択されたフィーチャのみがパーセル ファブリックに読み込まれます。

ポイント フィーチャの移行

必要に応じて、パーセル ポイント フィーチャをパーセル ファブリックに読み込むことができます。ポイントに関するユーザ定義の属性を、パーセル ファブリックの対応するポイントへ反映する必要がある場合、既存のポイント フィーチャをパーセル ファブリックへ移行することができます。ポリゴン フィーチャやライン フィーチャと同様に、ポイント フィーチャクラス レイヤで選択がされている場合、選択したポイントのみ移行されます。

ライン ストリング セグメントの最小数

この値は、複数のセグメントからなる境界線を自然境界として移行するかどうかの制御に使用されます。複数のセグメントからなるラインまたはポリゴンは、セグメント数が指定された [ライン ストリング セグメントの最小数] よりも少ない場合、個々の 2 ポイント ラインに分割されます。ポリラインに含まれるセグメントの数がこの指定値よりも多い場合、そのポリラインは自然境界として移行されます。自然境界は、川などの自然界のフィーチャを辿ります。通常、COGO 属性は、自然境界に関連付けられません。パーセル ファブリックで自然境界を表現する場合、ライン ストリングが使用されます。

コントロールのマッチ許容値

この許容値は、新しく読み込まれたパーセルのポイントを、パーセル ファブリック内の既存のコントロール ポイントに関連付けるために使用されます。パーセル ファブリックのポイントは、指定された許容値よりも既存のコントロール ポイントに近い場合に、そのコントロール ポイントと関連付けられます。コントロール ポイントをパーセル ファブリックに読み込むには、[コントロール ポイントのインポート] ウィザードを使用します。

単位

[方向単位][方向タイプ]、および[面積単位] に指定した単位が、格納されている COGO 値の単位に一致していることを確認してください。

半径ポイントの許容値

この許容値は、パーセル ファブリックに読み込まれたデータのトポロジの整合性を改善するために使用されます。隣接する曲線と重なり合う曲線の中心点が、指定した許容値の範囲内にある場合、1 つの中心点にマージされます。

転化ラインの正確度カテゴリ

読み込み処理中にライン ジオメトリから生成された COGO 計測値を持つラインの正確度カテゴリを自動的に設定します。正確度カテゴリは、パーセル ファブリック アジャストで使用されます。パーセルを調整しようとする場合、パーセルとラインの正確度カテゴリを指定することは重要です。正確度カテゴリを指定しない場合、デフォルトのカテゴリ 4 が使用されます。転化された COGO 個別値を持つラインを、低い正確度カテゴリ 6 に設定することをお勧めします。転化された COGO 個別値は不正確で信頼できない場合があるため、アジャストの結果に影響を与えることはできません。

パーセル ファブリックの Local Government 情報モデルへのデータの読み込み

パーセル ファブリックは、Local Government 情報モデルで有効にできます。Local Government 情報モデルをパーセル ファブリックで有効にすると、Local Government のパーセル保守の編集要件を反映したパーセル タイプ、属性、ドメインがパーセル ファブリック テーブルに追加されます。パーセル ファブリック レイヤは、Local Government 構成を使用して表示およびシンボル化されます。また、パーセル ファブリックは、効率のよい自動化されたパーセル編集ワークフローで使用できます。

Local Government 情報モデルで有効化されたパーセル ファブリックに読み込むデータを作成する場合、データの形式を設定してからステージング ジオデータベースに読み込むことをお勧めします。ステージング ジオデータベースでは、パーセル データはタイプ別に分かれています。そのため、トポロジはパーセル タイプごとに作成します。各トポロジは、[トポロジをパーセル ファブリックへ読み込み(Load A Topology To A Parcel Fabric)] ジオプロセシング ツールを使用して、ステージング ジオデータベースからパーセル ファブリックに読み込まれます。

パーセル ポリゴンを、シェープファイルまたは CAD ファイルの形式でパーセル ファブリックの Local Government 情報モデルに読み込む場合は、パーセル ポリゴンを読み込むワークフローをご参照ください。

COGO 計測値を持つパーセル ラインをパーセル ファブリックの Local Government 情報モデルに読み込む場合は、COGO ディメンションを持つパーセルを読み込むワークフローをご参照ください。

追加情報

属性フィールドの読み込み、計画、および重なり合うパーセル データへの対応の詳細については、「データ読み込み時の考慮事項」をご参照ください。

大規模なパーセル データセットの読み込みの詳細については、「大規模データセットの読み込み」をご参照ください。

公道用地と道路の中心線の読み込みについては、「公道の読み込み」をご参照ください。

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5/10/2014