正確度について
このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。
パーセルのディメンションは、現場で観測されたそのままの測量計測値から導かれます。そのままの測量計測値には、必ず計測の品質を反映した正確度が関連付けられています。計測が真の値に近ければ近いほど(正確であればあるほど)、計測の正確度が高くなります。パーセルのディメンションはそのままの測量計測値から導かれるものであるため、パーセルのディメンションには正確度も関連付けられます。
パーセル ファブリック内の各パーセルと各パーセル ラインに正確度カテゴリを関連付けることができます。デフォルトでは、パーセル ファブリックの正確度カテゴリはパーセルのプランの測量日から得られます。理由は、過去の測量設備は一般的に、現代に比べて精度が低かったためです。正確度カテゴリをパーセル、パーセル ライン、パーセル プランに割り当てることができます。
正確度とパーセル ファブリック アジャスト
パーセル ファブリックの正確度カテゴリは、パーセル ファブリック アジャストでのみ使用されます。高正確度カテゴリのパーセルは調整ウェイトが高く、低正確度でウェイトの低いパーセルに比べて少ない調整で済みます。低正確度のパーセルは、高正確度のパーセル付近に調整されます。
パーセル ファブリックの正確度カテゴリ
パーセル ファブリックでサポートされている正確度カテゴリには 6 通りがあります。正確度カテゴリ 1 が最高の正確度で、7 が最低の正確度です。正確度カテゴリ 7 が割り当てられたパーセルまたはパーセル ラインは、ファブリックの最小二乗アジャストから除外されます。このため、パーセル ラインは、最小二乗アジャストの結果には影響しません。ただし、残りのパーセル ファブリックに合わせて調整されます。パーセル ファブリックのデフォルトでは、次の標準偏差と日付範囲が正確度カテゴリに割り当てられます。
正確度レベル |
Std. deviation bearing (secs) |
標準偏差: 距離(メートル/フィート) |
PPM(m)(百万分率) |
説明 |
---|---|---|---|---|
1 |
5 |
0.001/0.00328 |
5 |
最高 |
2 |
30 |
0.01/0.0328 |
25 |
1980 ~ |
3 |
60 |
0.02/0.0656 |
50 |
1908–1980 |
4 |
120 |
0.05/0.164 |
125 |
1881–1907 |
5 |
300 |
0.2/0.656 |
125 |
~ 1881 |
6 |
3,600 |
1/3.28 |
1,000 |
1800 |
7 |
6,000 |
10/32.8 |
5,000 |
最低 - 調整対象外 |
上の表では、距離の標準偏差が、メートルとフィートの両方の単位で示してあります。標準偏差値と PPM 値は、[正確度] テーブルを編集すれば変更することができます。
[正確度] テーブルを表示および編集するには、[System Toolboxes] → [パーセル ファブリック ツール] → [レイヤとテーブル ビュー] の順に選択し、[パーセル ファブリック テーブル ビューの作成(Make Parcel Fabric Table View)] ジオプロセシング ツールを使用します。
標準偏差と PPM
偏差とは、同じ目標点を測定するときに各値がどれくらい外れているかを示す尺度のことです。したがって、測量士は、同じ計器で多くの回数にわたって同じターゲット点を測定する場合、各値のばらつき(範囲)をできる限り狭める(標準偏差を可能な限り小さくする)必要があります。
パーセル ファブリックの場合、計測値のうち最高正確度のものの標準偏差は、方位で 5 秒、距離で 0.001 メートルです。
測量において PPM(百万分率)は、計測値の変動または不確実性の尺度です。この値の単位は 100 万分の 1 です。パーセル ファブリックにおいて PPM 値は、正確度の指標です。上の表で正確度レベルが 1 の場合、5 PPM は、1 キロメートルに対して誤差が 5 ミリメートルを意味します(1 キロメートル = 1,000,000 ミリメートル)。
正確度カテゴリの割り当て
正確度カテゴリをパーセル、パーセル ライン、パーセル プランに割り当てることができます。パーセル プランに割り当てておいた正確度カテゴリは、プランで作成された新しいパーセルのそれぞれに継承されます。個々のパーセルの正確度カテゴリが NULL であっても、内部的にその計画の正確度カテゴリが割り当てられます。計画の正確度は、[プランのプロパティ] ダイアログ ボックスの [属性] で設定されます。プランの正確度を指定変更するには、個々のパーセルに別々の正確度カテゴリを指定します。パーセルの正確度は、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [プロパティ] タブで設定されます。
関連するすべてのパーセル ラインがパーセルの正確度カテゴリを継承します。個々のパーセル ラインの正確度カテゴリが NULL であっても、内部的にそのパーセルの正確度カテゴリが割り当てられます。パーセルの正確度カテゴリを指定変更するには、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [ライン] タブで、トラバース グリッド内の個々のパーセル ラインに正確度カテゴリを指定します。
次のデフォルトの正確度が使用されます。
- プランで正確度カテゴリが指定されてない場合は、デフォルトの正確度カテゴリ 4 がプラン パーセルおよびその関連ラインに使用されます。
- パーセル データの移行時に計画が定義されていない場合、データはデフォルトの <map> 計画に移行されます。この計画のデフォルトの正確度カテゴリは 4 です。ヒント:
パーセル テーブルの PlanID フィールドを編集して、データの移行後に、パーセル データに計画を割り当てることができます。割り当てたい計画の ObjectID にパーセルの PlanID を設定します。
- データ移行の間にディメンションがライン ジオメトリ(転化)から生成される場合、転化ラインの正確度カテゴリには、[トポロジをパーセル ファブリックへ読み込み(Load A Topology To A Parcel Fabric)] ジオプロセシング ツールの [転化ラインの正確度カテゴリ] に指定された値が設定されます。
- 精密接続線は、デフォルトでパーセルの正確度より 1 つ上の正確度カテゴリに設定されます。たとえば、パーセルの正確度カテゴリが 3 である場合、精密接続線の正確度カテゴリは 2 になります。
- デジタイズされたラインには、自動的にデフォルトの正確度カテゴリ 6 が割り当てられます。
- 長さが 500 メートルを超える半径ラインには、正確度カテゴリ 7(ファブリックの最小二乗アジャストの結果の影響から除外)が割り当てられます。