サービス アクション
サービス アクションは、ArcMap などのクライアント アプリケーションにデータ メッセージをストリーミングしてトラッキング フィーチャとしたときに、そのデータ メッセージに対して動作します。ArcGIS Tracking Analyst でリアルタイム データを扱っているときは、トラッキング サービスからストリーミングしたデータ メッセージから、リアルタイム トラッキング レイヤにフィーチャが作成されます。したがって、サービス アクションには、トラッキング データ メッセージがフィーチャになる前に、メッセージにあるデータを変更または削除する機能があります。
サービス アクションは、レイヤでなくトラッキング サービスに対して定義します。そのため、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスではサービス アクションを構成できません。サービス アクションを構成するには、ArcCatalog の [トラッキング サービス プロパティ] ダイアログ ボックス、または ArcMap のカタログ ウィンドウにアクセスする必要があります。
ここでは、Tracking Analyst で使用可能なすべてのサービス アクションについて説明します。
フィルタ
サービスのフィルタ アクションをレイヤのフィルタ アクションと混同しないようにしてください。サービスのフィルタ アクションでは、ロケーション条件または属性条件、あるいはその両方に基づいて、受信データ メッセージをサービスの対象とすることや、逆に対象外とすることができます。サービスの対象外とするためのフィルタのトリガ条件を受信データ メッセージが満たしている場合、そのデータ メッセージは破棄され、対応するトラッキング データはトラッキング レイヤのフィーチャになりません。サービスの対象とするためのフィルタはこれと反対の動作をします。このトリガ条件を満たすデータ メッセージは、破棄されずに保持されます。破棄されたデータ メッセージは、クライアント アプリケーション側では取得できなくなります。したがって、トラッキング サービスにサービスのフィルタ アクションを適用する際は注意が必要です。
サービスのフィルタ アクションを使用すると、エラーのあるデータをトラッキング サービスから除外できます。たとえば、緯度と経度で航空機の位置を追跡しているとします。緯度の値が 90 度を超えるイベントは、データに問題があることを示しているため除外できます。
データ変更
データ変更サービス アクションでは、ユーザ定義の関数を使用してデータ メッセージ内のフィールドを変更することができます。この関数では、受信データ メッセージ内のフィールド値を入力として使用することで計算を実行できます。計算結果に基づいて、受信データ メッセージ内のフィールド値を変更して、計算の出力と置き換えることができます。置き換えられたフィールド値は、トラッキング レイヤ内のデータ メッセージから作成されたフィーチャに表示されます。この関数は、定義したトリガ条件を満たすデータ メッセージに対してのみ実行されます。
E メール警告
E メール警告サービス アクションでは、アクションの始動時に、選択した受信者に E メール メッセージが自動的に送信されます。この E メール メッセージは、テンプレート エディタを使用して構成できます。テンプレート エディタを使用すると、データ メッセージのフィールドから E メールの本文に値を直接埋め込むことができます。また、E メール受信者のマスタ リストを作成することもできます。このリストから、E メール警告アクションごとに受信者を選択できます。
データ サマリ
データ サマリ サービス アクションは、トラッキング サービスからストリーミングされたデータ メッセージに含まれている情報を蓄積して集計します。このサマリ情報は、指定した時間が経過するたびに計算されます。また、サマリ情報は一定の時間間隔ごとにフィールド ベースで提供されます。その際に、データ範囲や平均値などの統計を生成できます。レポートで使用するデータ フィールドやサマリ情報タイプは自由に構成することができます。データ サマリ レポートの柔軟性は、上級ユーザにとって重要な利点です。このレポートでは、定義した空間条件と属性条件を満たすデータ メッセージのみが処理されるように制御できます。また、レポートを E メールで自動送信したり、ファイルに保存したり、ネットワーク プリンタで印刷することができます。