ArcGIS マップの利点

マップは誰にでも親しみやすく、使い方もすぐにわかります。マップは大量の情報を整理し、理解しやすい形にまとめて伝達できる便利な道具です。マップと地理は真の共通言語と言えます。

マップの必要性はより一層高まっており、実際に活用されつつあります。マップの価値は広く認められており、マップを一般消費者向けアプリケーションに活用する方法も知られるようになっています。あらゆるデジタル レポートの中で最も一般的に使用されているのはマップであることは周知の事実です。

この 10 年で、コンピュータの利用方法は Web により大きく変化しましたが、情報にアクセスする手段や、情報を使用する手段も大きく変わりました。現在では、高度な情報を使用するさまざまな活動に誰もが Web やスマートフォンを使用しています。Web 上では、Google Maps などのシステムによって、数百万もの人々がオンライン マップを普通に使うようになりました。現在では誰もが普通にオンライン マップでショップを検索したり、ストリートレベルの表示を操作して周辺を見て回ったり、独自のメモや写真をマップ表示に追加したりしています。マップは利用者が急速に拡大しているスマートフォンやタブレットの標準機能であり、カーナビは自動車の標準機能になりつつあります。

このような状況を踏まえて、あらためて GIS の可能性について考えてみましょう。

GIS の目的は、便利なマップベースの情報プロダクトを作成、共有、および適用して、組織の業務の価値を高め、必要な基本地理情報を作成および管理してマップを強化することです。

スマートフォンやモバイル デバイス、組織の各種 Web サイト、および組織のコンピューティング ネットワークの一部である内部ネットワークからオンライン GIS マップにアクセスして使用できるようになること。それが GIS の新しいビジョンです。これらのオンライン マップは、Web 上のマップ サービスと関連する GIS サービスを結合し、オンライン マップとマッシュアップして作成されます。

もちろん、GIS は、さまざまなレポートと情報プロダクトを生成するのに使用できます。ただし、これらの中心にあるのはマップであり、これらのレポートが理解および使用されるのはマップが重視されるようなケースにおいてです。

ArcGIS マップとは?

現在、ArcGIS を使用しているユーザであれば、マップの利点をすでに理解しているでしょう。マップを使用した会議に参加すると、周囲から特別な反応があります。マップの周りに人が集まり、指を差しながら問題について討論を始めます。

ArcGIS は、あらゆる人がオンライン マップと関連の地理情報を利用できるようにするシステムです。ArcGIS ではさまざまな種類のマップを作成できます。最も興味深いのは対話型インテリジェント マップで、各種ソースから収集された空間および属性情報に基づく豊富なレイヤを表示、統合、および作成します。これらの ArcGIS マップには、こうした情報を視覚化、調査、および解析できる対話型ウィンドウがあります。

これらのマップは、信頼性の高いデータをプロフェッショナル GIS の解析、視覚化、およびデータ管理ツールと組み合わせた、まったく新しいタイプの情報プロダクトと見なすことができます。これらのツールは、属性レポート、豊富な主題表示、情報ポップアップ ウィンドウ、動的グラフ、タイム スライダ、およびインテリジェントなテンプレートベースのデータ収集から、地球統計学、ジオプロセシング、および予測モデリングまで網羅します。

たとえば、組織では ArcGIS マップを次の用途で使用します。

  • 作業員が大規模な施設と顧客についての最新データを収集および保存できるようにします。
  • 作成担当者が最新データを解析して新しい施設を建設する最適な場所を見つけることができるようにします。
  • この計画策定作業の結果を管理チームに伝達します。
  • 施設の土木工事と設計を計画します。
  • パートナーと周辺住民に施設について知らせます。
  • 施設の運用状態を管理します。

これらのタスクを支援するマップには、計画策定マップのための人口統計データ、土木工事マップのための地質工学データ、センサからのライブ データ フィード、運用管理マップのための GPS データなど、特定の業務のために必要な情報が含まれています。これらのデータは一元化されたデータベースで管理できます。したがって、施設の場所などの同じコア データセットを、利用しやすいマップおよびアプリケーションとして種類を問わず幅広く使用できます。

また、ArcGIS マップはさまざまな形態で利用されます。たとえば、データ収集マップはフィールド調査用のモバイル デバイスで使用され、地図設計者はデスクトップ コンピュータに配置されたマップを使用する場合があります。ブリーフィング管理に使用するマップは、印刷されたレポートに含まれていたり、幹部用の情報システムに組み込まれていたりします。公共福祉マップは Web で使用されるでしょう。対話型マップはアプリケーション内に組み込まれます。このアプリケーションでは、適切なツールとユーザ インタフェース (編集ツール、データ収集マップ用のフィーチャ作成テンプレート、計画策定マップ用の需要予測モデルなどの解析ツール) を備えています。

重要な点は、ArcGIS システムではアプリケーションの種類を問わず、さまざまな方法で、インテリジェント マップの機能を利用できるということです。つまり、ArcGIS マップは、ユーザが GIS で行うことのすべてを内包し、遂行することができるということです。

対話型 ArcGIS Web マップ

ArcGIS Web マップは、タイトル、範囲、および有効化したマップ機能を持つ一連のマップ レイヤで構成されます。マップ機能には、フィーチャのポップアップ ウィンドウ、時間対応レイヤ、編集、解析機能などがあります。Web マップは、ベースマップ、マップ サービス、その他の GIS サービス、操作データセットなど、GIS データ フィードを使用して作成されます。各 Web マップは、メッセージを伝達し、特定のユーザと特定の操作をサポートするように設計されます。

Web マップは、今すぐ使用可能な対話型マップで、有益な情報を含んでいます。ArcGIS Web マップはオンライン リソースです。標準的な Web ブラウザ、モバイル デバイス、またはデスクトップ マップ ビューアで開いて使用できます。

次に、興味深い Web マップの例を示します。

ArcGIS Web マップは、一般的なインターネット マップより優れた機能を多数備えています。たとえば次のようなものがあります。

  • フィーチャの情報ポップアップ ウィンドウ
  • 編集パレット
  • 解析を実行して結果を使用するメカニズム
  • 時系列情報の表示および操作ツール
  • その他多数

これらの機能は、それぞれの Web マップの定義の一部として保存されます。これらの機能は、Web およびモバイル アプリケーションを使用して Web に接続する他のユーザと共有できます。

便利で効果的な Web マップの作成

豊富な GIS コンテンツと機能を、地理情報を共有するために使用する Web マップにカプセル化することができます。効果的な Web マップを作成するための一般的な開始点は、特化型の操作情報を、効果的なマルチスケール ベースマップ (ベースマップおよび操作オーバーレイ) でマッシュアップすることです。

組み込みのベースマップには、詳細な地形図、米国地理学協会ベースマップ、画像および道路地図、データの中間背景となるキャンバス ベースマップ、世界の海洋図など、さまざまな種類のものがあり、その中から使用するベースマップを選択できます。これらのベースマップにはすべて、世界中の GIS コミュニティに寄せられる信頼性の高い情報が反映されています。また、標準都市土地区画マップや、地質学マップなど、カスタム ベースマップを作成することもできます。

事実上、これらのマップを介してあらゆる情報を表示およびアクセスできます。これらのマップには、世界中の政府機関から提供される地域、地方、国、および国際レベルの公式データなど、GIS コミュニティによって作成および公開されるデータを含めることができます。これらのデータは、独自の操作用 GIS データと各種形式のビジネス データ (KML、エンタープライズ データベース、テーブル、スプレッドシート、CAD システム、ジオタグ付き写真およびビデオ、センサからのライブ フィードなど) によって補足および追加されます。これらのデータはすべて、完全にカスタマイズ可能な属性ポップアップ ウィンドウを使用するなど、ユーザのニーズに応じて、さまざまな方法でシンボル表示および提示できます (使用できる方法の数は事実上、無制限です)。また、ユーザ自身が別のマップのデータをマッシュアップし、独自のデータを上面に積み重ねて、新しい Web マップを作成して共有することもできます。

Web マップには、属性レポート、データドリブン シンボル、動的グラフ、タイム スライダ、およびインテリジェントなテンプレートベースのデータ収集などの、対話型ツールおよび機能を付与することができます。それらのマップには、地球統計学、ジオプロセシング、解析、および予測モデリングの結果を取り込むことができます。これらのツールを使用すると、Web マップを使用してデータを視覚化できるだけでなく、マップを通して、調査、クエリ、解析、および問題解決に使用するデータや空間モデリング結果を実際に取得することもできます。

Web マップを使用すると、マップのフィーチャから豊富な情報にアクセスできます。
Web マップは対話形式のウィンドウであり、追加情報にアクセスするために使用します。ユーザは前述のマップを使用して、全米のコミュニティの経済、人口統計、およびライフスタイルのプロファイルのポップアップを表示できます。ソースは、マーケティング アプリケーション用に 65 の固有の市場区分にコミュニティを分類するシステムである、Esri タペストリ セグメンテーション分類です。それぞれの地理の縮尺で、地域をクリックしてその地域の支配的なタペストリ セグメントを確認できます。このマップを起動して使ってみましょう。

情報の信頼性は、これまで以上に求められています。さまざまな情報を合成し、それをわかりやすく効果的な形で提示できるという点で、ArcGIS Web マップは特に周囲から注目されています。世界は、ユーザが作成するマップが登場するのを待っています。

ArcGIS マップの多くの種類

ArcGIS を使用して作成および展開できる多種多様な種類のマップがあります。ArcGIS マップは特定のタスクのために使用できるので、強力で正確です。さまざまなマップの種類と一般的な使用法を確認するには、ArcGIS マップの種類をご参照ください。