モバイル GIS は、さまざまなタイプのユーザがあらゆる軽量クライアント端末から ArcGIS を利用し、操作するというコンセプトです。モバイル アプリケーションは、目的に特化して、タスクベースになる傾向があります。一般に、このようなユーザは、個別の業務や任務があり、そこで特定のアプリケーションを使って、ArcGIS を利用し、操作します。多くの場合、ユーザはすべての通信環境から切断されたオフラインで作業します。モバイル デバイスに必要なコンテンツを整備し、現地へ向かいます。オンライン状態に戻ると、通常は、業務の結果を同期させます。現地にいながらオンラインに戻る場合もあります。
次のようなクライアント オプションからモバイル アプリケーションを使い、ArcGIS を操作することができます。
- iOS、PC、およびその他のタブレット
- iPhone、Android、および Windows Phone 用のスマートフォン アプリケーション
- 車載システムなど、組み込みデバイス上のアプリケーション
- ArcGIS for Windows Mobile のような PC および特定のデスクトップのアプリケーション
モバイル アプリケーションには次のような共通の特徴があります。
- 軽量 - フィールド GIS およびモバイル GIS の特徴の 1 つで、さまざまなデバイスに導入することができ、時間の経過ととも次々に新しいものがオンラインで取得できます。
- 位置情報対応 - スマートフォン、タブレット、その他のデバイスは、位置情報を地理座標として記録して報告することができます。記録した情報は、さまざまな用途に応用できます。
- 接続と非接続 - クライアントは企業またはクラウド システムに常時接続するとは限りません。さまざまなシナリオで、ユーザはマップおよび関連する地理情報を切り出して、デバイスにダウンロードし、現地で使用することが必要になります。ユーザはリモート接続に再接続したとき、またはオフィスに戻ったときに、現場で集めた更新情報を同期させます。
- Web マップの使用が設定可能 - モバイル デバイスで特定の GIS を使用する場合の重要な点は、インテリジェント マップが情報、ツール、およびユーザ操作のほとんどをカプセル化できるという点です。このことにより独自の開発工数が大幅に減少し、効率化およびサポートが向上し、導入時の柔軟性も改善できます。
- 特化 - モバイル GIS アプリケーションは特定のユーザの作業に特化しています。一般に、ユーザ エクスペリエンスは単純さと効率性に重点を置きます。
- 組み込み - モバイル アプリケーションの多くは GIS を特定のデバイス、たとえば車載システムに組み込めるように設計されています。
設定可能なアプリケーションとカスタム アプリケーション
ArcGIS には、すぐに使用できる設定可能なモバイル アプリケーションのセットがあります。これらのアプリケーションは、Web マップを使用して設定できます。GIS ユーザは Web マップを作成および共有し、任意の ArcGIS クライアントで開いて使用することができます。
さらに、各タイプのクライアントに開発者向け SDK が用意されているので、ユーザは独自のカスタム アプリケーションおよびワークフローを実装することができます。これは特に、組み込みマップおよびアプリケーションで重要です。以下に、開発者オプションをいくつか示します。
スマートフォンおよびタブレット用 ArcGIS Runtime
これらのデバイスの特徴は、タッチ スクリーン インタフェース、高解像度、カラー グラフィックス、片手での使用、および接続中に取得可能な位置情報の使用です。これらは GPS をサポートし、調査および現地でのデータ収集のワークフローを数多くサポートしています。ポイント コレクション、ステータス レポート、インテリジェント フィールド フォームの記入、および整合チェックと検査などです。
これには iOS 用 (iPhone および iPad 用)、Android 用、および Windows Phone 用の SDK が含まれます。開発者はこれらの SDK を使用して、各スマートフォン環境で動作するアプリケーションを構築することができます。詳細については、次のサイトをご参照ください。
高耐久性デバイス用 ArcGIS Runtime
これらのアプリケーションは、厳しい条件下で使用するために設計された特殊な高耐久性デバイスで実行されることもよくあります。アプリケーションは、プロフェッショナル レベルの GPS と共に整備されることが多く、現地で正確なフィーチャ 収集に使用されます。車載システムに使われることが多く、ネットワーク接続が限られているワークフローで使用されます。
これには、ArcGIS Runtime for Windows および ArcGIS Runtime for Windows Mobile を使用します。これらのランタイム SDK を使って、Windows Tablet および Windows Mobile デバイスの組み込みアプリケーションを作成します。詳細については、次のサイトをご参照ください。
ArcGIS Runtime for Windows および ArcGIS Runtime for Linux
開発者は、Windows 上では WPF、Qt、および Java API を使用し、Linux 上では Qt および Java API を使用します。これらのアプリケーションはインストールおよび配布が容易です。メモリ使用量とフットプリントが非常に少なくなっています。たとえば、これらのアプリケーションを USB メモリに入れ、コンピュータに差し込んで、実行することができます。これらのアプリケーションの多くは、ワイヤレス アクセスに対応するために、接続環境と非接続環境の両方で実行できます。
詳細については、次のサイトをご参照ください。