スケマティック ビルダはスケマティック ダイアグラムのコンテンツを構築します。
スケマティック ビルダの実行
すべてのスケマティック ダイアグラム テンプレートはスケマティック ビルダに基づいています。スケマティック ビルダは、スケマティック ダイアグラム テンプレートによって実装されるダイアグラムのコンテンツを構築/更新するために使われます。スケマティック ビルダは所定のデータやコンテキストを受け取り、そこからスケマティック ダイアグラムを生成/更新します。
スケマティック ダイアグラム テンプレートの基礎になるスケマティック ビルダは、スケマティック ダイアグラム テンプレートの作成時に指定します。
スケマティック ダイアグラム テンプレート ビルダの構成方法の詳細
Schematics には、スタンダード ビルダ、ネットワーク データセット ビルダ、XML ビルダの 3 種類のビルダが用意されています。定義済みの各スケマティック ビルダは、特定の入力データを処理するように設計されています。
さらに、どのビルダを使用する場合でも、ビルダ プロセスから得られたスケマティック フィーチャとカスタム検索 (クエリ) から得られた他のスケマティック フィーチャを混合したダイアグラムを生成するように Schematics を構成することができます。
スケマティック ビルダと入力データ
スタンダード ビルダ
スタンダード ビルダは、任意の GIS フィーチャクラス/レイヤまたはオブジェクト テーブルから処理を行います。
ネットワーク フィーチャからの処理
スタンダード ビルダはジオメトリック ネットワークとネットワーク データセット トポロジをデコードできるので、ジオメトリック ネットワークまたはネットワーク データセットに編成される GIS フィーチャクラスの処理に特に使用されます。スタンダード ビルダでは、選択またはトレース操作に関連して ArcMap ドキュメントで現在強調されているネットワーク フィーチャのセットからスケマティック ダイアグラムを最小限の時間ですばやく生成できます。これは、ジオメトリック ネットワークまたはネットワーク データセットを扱う典型的な公益事業会社と運輸会社に有用なビルダです。
空間データまたは非空間データの検索による処理
スタンダード ビルダは、コンテンツ全体がカスタム検索 (クエリ) から構築されるスケマティック ダイアグラムの生成にも使用できます。これらのカスタム検索は、どんなタイプのデータベースにも有効です。カスタム検索を使用するための主な前提条件は、データベースに格納されているデータに、接続性に不可欠な情報 (つまり、生成すべきダイアグラム内の各リンクの始点と終点を特定するのに必要な情報) が含まれていることです。目的のデータを取得するのに必要なクエリを記述するには、構造化クエリ言語 (Structured Query Language: SQL) を使用します
XML ビルダ
XML ビルダは、XMLBuilderDiagram XML スキーマ定義ファイルに基づいた XML データから処理を行います。このビルダは、産業用アプリケーション (Network Engineer など)、ERP (SAP など)、PLM (Matrix One など)、解析パッケージ (CYME など) といった外部アプリケーションで作業を行う場合に使用するビルダです。このビルダを使用すると、多くのコストがかかって保守も容易でないインタフェース コードを特別に開発しなくて済みます。このビルダでは、ビルダに渡す XML を生成するカスタム コードを記述する必要があります。
ネットワーク データセット ビルダ
ネットワーク データセット ビルダは、ネットワーク データセットに対するソルバーの解析結果から処理を行います。このビルダで入力として想定しているのは、解析済みのネットワーク解析です (解析済みのルート、到達圏、最寄り施設、車両配送ネットワーク タスク解析など)。このビルダを構成することによって、入力された解析済みのネットワーク解析の中に何度も出現するネットワーク エレメント ジャンクションをマージして、それらのジャンクションがスケマティック ダイアグラム内の単一のスケマティック ノードで表現されるようにすることができます。
ビルダの結果とカスタム検索の結果の混合
どのスケマティック ビルダでも、以下のものが含まれる混合ダイアグラムを生成することができます。
- 処理対象として想定されている特定の入力データ/コンテキスト (たとえば、ネットワーク データセット ビルダでは解析済みのネットワーク解析レイヤ、XML ビルダでは XML データ、スタンダード ビルダではマップ内で強調された一群の GIS フィーチャ) からのスケマティック フィーチャ
- カスタム検索から構築されたその他のスケマティック フィーチャ。このカスタム検索は、それらの新たに作成されたスケマティック フィーチャから直接動作するものか、他のどんなタイプのデータでも動作するものです。
たとえば、ある電力ネットワークの主要な施設と接続を表現しているジオメトリック ネットワークがあるとします。さらに、各施設のセキュリティ装置 (スイッチ、短絡検知器、セキュリティ コンポーネントなど) を詳述した非空間オブジェクト テーブルもあるとします。この場合、Schematics を構成することによって、ジオメトリック ネットワークからのスケマティック フィーチャと、非空間オブジェクト テーブルに対して実行され、各ネットワーク施設に関連するセキュリティ装置をすべて自動的に取得する検索からのスケマティック フィーチャとを混合した高度なダイアグラムを生成することができます。
次のキャプチャは、このシナリオを示しています。これは、ArcGIS Schematics を使って作成された複数のスケマティック ダイアグラムの中のあるダイアグラムを表しています。電力ジオメトリック ネットワークからの施設と接続が、緑、青、および灰色のスケマティック ノードとスケマティック リンクがブルーとグレーで表されています。各施設に関して検索されたセキュリティ装置は、該当する施設ノードの近くに表示される小さな赤のシンボルと黒のフラグで表されています。それらの装置は、ノード オン リンク スケマティック フィーチャと呼ばれる特種なスケマティック フィーチャで実装されています。