オフライン ベースマップの追加
インターネット アクセスを利用できない現場では、オフライン ベースマップをモバイル プロジェクトで使用することで、作業を中断せずに続けることができます。使用できるオフライン ベースマップのタイプには、StreetMap for Windows Mobile、タイル パッケージ、タイル データセットの 3 つがあります。使用するタイプを決定する前に、オフライン ベースマップが ArcGIS for Windows Mobile アプリケーションでどのように管理されるかを理解することが重要です。
Mobile Project Center でモバイル プロジェクトを作成するときに、プロジェクトにベースマップを追加することができます。ベースマップをプロジェクトに追加するには、ベースマップがプロジェクト フォルダの内部または外部のどちらに存在するかに応じて、参照情報による追加またはデータによる追加のいずれかの方法を使用します。
- 参照情報によるベースマップの追加
ベースマップは、ソース場所への参照としてのみプロジェクトに追加されます。つまり、プロジェクト フォルダにはベースマップのデータが含まれません。プロジェクトをフィールド デバイスに配置した後に、フィールド デバイスでベースマップ フォルダとして設定されている共通の場所に、参照されているベースマップを手動でコピーして配置する必要があります。この方法は、大きなベースマップを使用している場合や、1 つのベースマップを複数のプロジェクトで共有する場合に適しています。
- データによるベースマップの追加
Mobile Project Center がプロジェクトで使用されているベースマップのコピーを作成し、プロジェクト フォルダに保存します。プロジェクトがフィールド デバイスに配置されるときに、ベースマップも一緒に配置されます。この方法は、小さいベースマップを単一のプロジェクトで使用する場合に適しています。
参照情報によるベースマップの追加
プロジェクトを作成するときに、以下のいずれかの方法を使用して、タイル データセットまたは StreetMap for Windows Mobile のベースマップを参照情報により追加できます。
- ベースマップ カタログ - オフライン ベースマップが格納されているフォルダのリストを定義する仮想的な場所です。ベースマップ カタログは Mobile Project Center によって定義され、ベースマップを参照情報によってプロジェクトに追加するときに使用されます。Mobile Project Center を使用して、1 つ以上のベースマップ カタログを定義できます(それぞれが、コンピュータ上の 1 つのフォルダに対応します)。ベースマップ カタログからプロジェクトに追加したベースマップは、フィールド デバイスに個別に配置する必要があります。
- デバイスに配置済みのベースマップ - ベースマップがすでにフィールド デバイスに配置されていて、配置し直す必要がない場合は、この方法を使用できます。注意:
どちらの方法でも、Mobile Project Center がベースマップを操作する方法は同じです。異なるのは、ベースマップを追加するための手順だけです。
モバイル プロジェクトを作成してベースマップを参照情報により追加した後、プロジェクトとベースマップを使用するには、これらをフィールド デバイスに個別に配置する必要があります。フィールド アプリケーションは、フォルダ名を使用して定義済みの場所からベースマップを検索します。ベースマップをプロジェクトと別々に配置する方法については、「ベースマップの個別の配置」をご参照ください。
ベースマップ カタログからのベースマップの参照情報による追加
ベースマップ カタログを管理して、ベースマップをカタログからモバイル プロジェクトに参照情報によって追加するには、次の手順に従います。
- Windows で [スタート] メニュー → [すべてのプログラム] → [ArcGIS] → [ArcGIS for Windows Mobile] → [Mobile Project Center] の順にクリックして、Mobile Project Center を起動します。
ベースマップ カタログを定義または変更する場合はステップ 2 に、それ以外の場合はステップ 8 に進みます。
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ベースマップ カタログにベースマップ フォルダを追加するには、Mobile Project Center のメイン ウィンドウで [ファイル] → [設定] の順にクリックします。
Mobile Project Center の [アプリケーションの設定] ウィンドウが開きます。
- [ベースマップ カタログ] タブをクリックします。
現在定義されているベースマップ フォルダのリストが表示されます。Mobile Project Center を最初に開いたときには、ユーザ プロファイル以下の [マイ ドキュメント] フォルダがデフォルトのベースマップ カタログとして定義されています。
- 追加のベースマップ カタログを定義するには、ウィンドウの ボタンをクリックします。
[フォルダ参照] ウィンドウが開きます。
- カタログに追加する道路地図やタイル データセットのリストを含むフォルダを参照し、[OK] をクリックします。
次のスクリーンショットに示すように、追加したフォルダのパスがベースマップ カタログに表示されます。
ヒント:ベースマップ カタログにフォルダを追加するときには、StreetMap for Windows Mobile またはタイル データセットを格納している親フォルダを追加します。たとえば、上のスクリーンショットでは StreetMap という名前のフォルダが、追加する StreetMap for Windows Mobile が格納されている親フォルダを表しています。注意:UNC(Universal Naming Convention)パスからフォルダを追加すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。
- カタログからフォルダを削除するには、リストでフォルダを選択して、 ボタンをクリックします。
- ベースマップ カタログの管理が完了したら、[OK] ボタンをクリックして [アプリケーションの設定] ウィンドウを閉じます。
これで、タイル データセットまたは StreetMap for Windows Mobile をカタログからプロジェクトに参照情報によって追加する準備ができました。
- Mobile Project Center で既存のプロジェクトを開始するか開きます。詳細については、「モバイル プロジェクトの作成」をご参照ください。
- [追加] ボタン をクリックし、[カタログに含まれるベースマップ] をクリックします。
[マップ レイヤの追加] ウィンドウが開き、ステップ 5 で定義したフォルダの名前がすべて表示されます。フォルダ名の横にある アイコンをクリックすると、次のスクリーンショットに示すように、フォルダに含まれるタイル データセットと StreetMap for Windows Mobile が表示されます。
ヒント:ベースマップがリストに表示されない場合は、追加したフォルダにタイル データセットまたは道路地図が含まれていることを確認してください。
- [追加] をクリックします。
Mobile Project Center によってベースマップ カタログからベースマップへの参照が維持され、プロジェクトにベースマップが追加されます。
デバイスに配置済みのベースマップの追加
ベースマップ カタログを使用せずに、参照情報によって、ベースマップをモバイル プロジェクトに追加するには、次の手順に従います。
- [追加] ボタン をクリックし、[ベースマップの参照] → [デバイスに配置済み] の順にクリックします。
[ベースマップの参照] ウィンドウが開きます。
- タイル データセットのフォルダを参照するか(ディレクトリの conf.xml ファイルを選択)、StreetMap for Windows Mobile のフォルダを参照し(ディレクトリの *.navmap ファイルを選択)、[開く] をクリックします。
Mobile Project Center により、ベースマップの参照がプロジェクトに追加されます。
データによるベースマップの追加
データによるベースマップの追加は、タイル パッケージやタイル データセットで利用できますが、StreetMap for Windows Mobile では利用できません。タイル パッケージをプロジェクトに追加する場合は、Mobile Project Center がパッケージからタイル データセットを抽出し、データセットをプロジェクトにコピーします。タイル データセットを追加する場合は、Mobile Project Center がデータセットのコピーをプロジェクトに追加します。どちらの場合も、データにより追加されたベースマップはプロジェクト フォルダに格納され、プロジェクトを配置するときに一緒に配置されます。
データによって追加したベースマップを含むプロジェクトを ArcGIS Server、ArcGIS Online、または Portal for ArcGIS で共有する場合は、プロジェクトのサイズ、ネットワークの速度、およびフィールド デバイスの利用可能な格納領域について十分に理解してください。共有やダウンロードにかかる時間はこれらの要素で決まるため、検討が必要です。
タイル パッケージまたはタイル データセットをデータにより追加するには、次の手順に従います。
- Mobile Project Center で既存のプロジェクトを開始するか開きます。詳細については、「モバイル プロジェクトの作成」をご参照ください。
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[追加] ボタン をクリックし、[ベースマップの参照] → [プロジェクトにコピー] の順にクリックします。
[ベースマップの参照] ウィンドウが開きます。
- モバイル プロジェクトに含めるタイル パッケージまたはタイル データセットの場所を参照し、*.tpk ファイル(タイル パッケージの場合)または conf.xml ファイル(タイル データセットの場合)をダブルクリックしてプロジェクトに追加します。
ベースマップが [マップのプレビュー] に表示されます。
プロジェクトを([ファイル] → [保存] または [名前を付けて保存] の順にクリックして)保存した後、Mobile Project Center によってベースマップがプロジェクト フォルダにコピーされ、プロジェクトとベースマップの配置準備が完了します。