このチュートリアルでは、ArcGIS for Desktop でマップ ドキュメントを準備します。準備したマップは、次のチュートリアルでマップ サービスとして公開します。このマップは、このシリーズの別のチュートリアルで使用するオンライン犯罪率比較マップの簡易版です。このチュートリアルを実行するには、ArcGIS for Desktop バージョン 10.1 が必要です。また、ソフトウェアの基本操作を習得していることが前提となります。
オンライン Crime Comparison Map の操作
ArcMap を開始する前に、Crime Comparison Map を再度参照して、このマップを Web で役立てるためにどのような方法が使用されているかを確認します。
- Web ブラウザで www.arcgis.com/home
を開きます。
- Web ページの右上隅の [Find maps, applications, and more] ボックスに「crime comparison」と入力して、[検索] ボタンをクリックします。
- 下にスクロールして「Crime Comparison Map」を見つけます。
- [開く] をクリックします。
- ナビゲーション ツールを使用して拡大/縮小します。
マップを拡大すると、州、郡、郵便番号などの詳細が表示されます。詳細情報が表示されるのは、レイヤ レベルに指定された縮尺範囲によるものです。つまり、レイヤごとに特定の縮尺範囲が指定されているため、どのような場合も常に 1 つのレイヤが表示されます。
- ジオグラフィの任意のレベルでマップをクリックしてポップアップ ウィンドウを開きます。ポップアップ ウィンドウに、わかりやすいテキストと棒グラフが表示されることを確認します。
このマップは ArcMap で作成され、ArcGIS for Server で公開され、Web ブラウザで使用されます。
- マップの操作が終了したら、左上隅の ArcGIS リンクをクリックして ArcGIS Online ホーム ページに戻ります。
ArcGIS Online からマップをダウンロードして開く
作業を開始する前に、ArcGIS Online Web サイトにサイン オンして、必要なチュートリアル データを含むマップ パッケージをダウンロードします。
- まだサイン インしていない場合は、ArcGIS Online アカウントにサイン インします。
- Web ページの右上隅にある検索ウィンドウ上部で、ドロップダウン リストから [Show: All Content] をクリックします。
- 検索ウィンドウに「massachusetts crime」と入力し、[検索] ボタンをクリックします。
検索結果が表示されない場合は、スペルを再度確認します。
- [結果] リストで、Massachusetts_Crime_Index を探します。
このファイルは .mpk ファイル拡張子を持つ ArcGIS マップ パッケージです。マップ パッケージには、マップ ドキュメント (.mxd ファイル) とデータが圧縮して収められています。
- [開く] の横にある小さな矢印をクリックし、ドロップダウン メニューから [ダウンロード] をクリックします。
- [ファイルのダウンロード] で [開く] をクリックします。ファイルが自動的にダウンロードされ、ArcGIS File Handler ユーティリティが開きます。
18.8 MB のファイルのダウンロードが完了すると、マップ パッケージが解凍され、ArcMap にドキュメントが開きます。このマップ ドキュメントには、マサチューセッツ州の 4 つのレベルでの犯罪指標を示す 4 つのレイヤ (Block Groups、Tracts、Counties、および州全体) があります。
Block Groups を除くすべてのレイヤはすでに適切に設定されています。最初から設定する場合は、次の操作を行います。
- ジオデータベースからレイヤをすべて追加します。
- レイヤの名前を変更します。
- 属性テーブルに含まれる値に基づいて各レイヤをシンボル表示します。
- 各レイヤが適切な縮尺で描画されるように縮尺の依存関係を設定します。
- メタデータに説明およびタグ フィールドを設定します。
Block Groups の縮尺範囲の設定
このセクションでは、Tracts レイヤについて調べた後、BG_10_CRIME (未設定のレイヤ) にいくつかの縮尺範囲プロパティを設定します。
- コンテンツ ウィンドウで、[BG_10_CRIME] をクリックしてテキストをハイライト表示します。再度クリックしてレイヤを編集可能にし、「Block Groups」と入力します。
これはレイヤ名としてサービスの公開時に表示されます。したがって、他のレイヤ (Tracts、Counties、および State) と同じようにわかりやすい名前を付ける必要があります。
- 下にある次のレイヤ (Tracts) をダブルクリックしてレイヤ プロパティを開きます。
[一般] タブで、縮尺範囲を設定します。ここでは、マップが 1:150,001 ~ 1:2,400,000 の縮尺で表示される場合にのみレイヤを描画するように設定します。
- [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [キャンセル] をクリックします。
- コンテンツ ウィンドウで、Counties レイヤをダブルクリックしてプロパティを開きます。
ここでは、縮尺範囲を <なし> ~ 1:2,400,000 に設定します。Counties レイヤは、縮尺範囲が 1:2,400,000 未満の場合に表示されます。この閾値を超えて拡大すると、Counties レイヤはオフになります。
- Counties レイヤのレイヤ プロパティを閉じます。
- コンテンツ ウィンドウの上部で、[Block Groups] をダブルクリックしてレイヤ プロパティを開きます。[一般] タブを必要に応じてクリックします。現在、このレイヤはすべての縮尺で描画するように設定されています。ここでは、このレイヤを Tracts レイヤがオフの場合にのみ表示するように設定します。
- [縮尺に応じて表示を制御] オプションをクリックします。[より拡大時に表示] ボックスに「150,000」と入力します。
- [OK] をクリックして Tracts レイヤのレイヤ プロパティを閉じます。
- 拡大ボタンを使用してマップの縮尺範囲をテストします。
レイヤのシンボルとクラス閾値の設定
このセクションでは、Tracts レイヤのいくつかの表示プロパティについて調べます。Block Groups レイヤに他のレイヤと同じ設定を構成します (Block Groups レイヤのみ、事前の準備が十分に行われていません)。ここでは、Tracts および Counties レイヤはすでにシンボル表示され、同じグラデーション描画が設定されています (色が濃くなるに従って犯罪指標値が高くなります)。このグラデーション描画を制御するデータはどこにあるでしょうか。属性テーブルを開いて表示します。
- コンテンツ ウィンドウで、Tracts レイヤを右クリックし、ドロップダウン メニューから [属性テーブルを開く] を選択します。
各フィールドには、Total Crime Index、Personal Crime Index、Property Crime Index など、わかりやすい名前が付いています。このテーブル内の各レコードが 1 つの地区に対応し、各 Index フィールドには値が含まれています。最初のフィールド (Total Crime Index) はレイヤのシンボル表示に使用されます。これと同じフィールドを使用して Block Groups レイヤのシンボルを設定します。
- Block Groups レイヤを右クリックし、[属性テーブルを開く] を選択してテーブル ウィンドウの新しいタブに属性テーブルを開きます。
このテーブル内の各フィールドには、CRMCYTOTC、CRMYPERCTXT など、わかりにくい名前が付いています。
- 属性テーブルの左上隅にある [テーブル オプション] ボタンをクリックし、[フィールドのエイリアスを表示] をクリックします。
このメニュー項目をオンにすると、事前に設定済みのわかりやすいフィールド名が表示されます。
- コンテンツ ウィンドウを開いた状態で、コンテンツ ウィンドウの [Block Groups] をダブルクリックしてレイヤ プロパティを開きます。
- [シンボル] タブをクリックします。
- パネルの右上隅にある [インポート] ボタンをクリックします。
[シンボルのインポート] ダイアログ ボックスが開きます。このダイアログ ボックスでは、マップに含まれる別のレイヤのカラー ランプをインポートできます。また、このダイアログ ボックスではクラス閾値もインポートできます。値の範囲の上限を上げるにはクラス閾値を調整する必要があります。
- [シンボルのインポート] ダイアログ ボックスで、[レイヤ] ドロップダウン メニューをクリックし、[Tracts] を選択します。[OK] をクリックします。
現在のレイヤの値フィールドとインポートしたシンボル定義で使用されるフィールドが一致していることを確認する必要があります。
- [Total Crime Index] を選択し、[OK] をクリックします。
[シンボル] タブの [範囲] 列に、最も高い値範囲として 401 ~ 833 が表示されます。数字 833 は Tracts 属性テーブル内の最大値を表します。これより大きな値が Block Groups に含まれていても、それらは範囲外の値になるため、マップに表示されません。次はその修正を行います。
- [OK] をクリックしてレイヤ プロパティを閉じ、新しい設定を適用します。
コンテンツ ウィンドウで、最初の 3 つのレイヤのカラー ランプが一致していることを確認できます。
- テーブル ウィンドウ内のタブをクリックして、Block Groups の属性テーブルを表示します。
- [Total Crime Index] フィールドを右クリックし、[降順で並べ替え] を選択します。
最大値は 1648 です。
- Block Groups レイヤのレイヤ プロパティを開き、[シンボル] タブを必要に応じてクリックします。
- [分類] ボタンをクリックします。[分類] ダイアログ ボックスの [ブレーク値] で、最後の値を 833 から 1648 に変更します。
- [OK] をクリックします。再度 [OK] をクリックしてレイヤ プロパティを閉じます。
- テーブル ウィドウを閉じます。
- ズームと画面移動ツールを使用して、マップの表示を州全体に戻します。
- [ファイル] メニューをクリックし、[名前を付けて保存] を選択します。新しいドキュメントに「Massachusetts_Crime_WebMap」という名前を付けます。
このマップ ドキュメントにベースマップが含まれていないことを確認します。サーバを介してベースマップを公開する必要はないので、ベースマップが含まれないようにします。Web マップを ArcGIS Online で開くと、ベースマップは Web マップの一部になります。サーバを介してベースマップを公開する必要はありません。
これで、マップをサービスとして公開する準備ができました。