ArcGIS for Desktop からのマップ サービスの公開

このチュートリアルでは、ArcGIS for Desktop から ArcGIS for Server にマップ サービスを直接公開します。ArcMap で Web マップを準備する方法について説明した前回のチュートリアルと同様、このチュートリアルでも ArcGIS for Desktop が必要です。今回はさらに ArcGIS for Server も必要です。

ArcGIS for Desktop から Web マップ サービスを公開する方法は次の 2 つです。

  • 組織で所有するサーバを使用します。組織で ArcGIS for Server を所有している場合は、Web にマップ サービスを直接公開し、それらのマップ サービスを ArcGIS Online の Web マップに含めることができます。また、ジオプロセシング サービスなど、他の種類のサービスを公開することもできます。
  • ArcGIS Online を使用します。組織で ArcGIS for Desktop バージョン 10.1 と組織のサブスクリプション用に ArcGIS Online を所有している場合は、ArcGIS for Server がなくても (Esri によってホストされる) マップ サービスを公開できます。この方法では、セットアップと管理を必要とするサーバ ソフトウェアがなく、GIS データを Web サービスに容易に変換できます。

このチュートリアルでは、ArcGIS for Desktop と ArcGIS for Server を使用した公開手順について説明します。ただし、基本的な手順はどちらの方法でも変わりません。

ArcGIS for Desktop からのサービスの公開

手順:
  1. 前のチュートリアルで修正して保存した「Massachusetts_Crime_WebMap.mxd」という名前のファイルを開きます。
    Massachusetts Crime Web マップ ドキュメント。
    このファイルは Documents and Settings\User\My Documents\ArcGIS\Packages にあります。
  2. [ファイル] メニューから [Share As] をポイントして [サービス] を選択します。
    [ファイル] メニューの [Share As] メニューが選択されてハイライト表示された状態。
  3. デフォルト設定を受け付けてサービスを公開し、[次へ] をクリックします。
  4. [Share as Service] ダイアログ ボックス。
    接続の選択

    次の手順でサービスを使用できるかどうかは、ArcGIS for Server のインストールの構成に応じます。既存の接続を選択するか、新しい接続を作成するように指示されたら、このサービスへの新しい接続を作成できます。このチュートリアルでは、ローカル ホスト コンピュータへの接続がすでに設定済みであると想定します。

  5. ドロップダウン リストからローカルホスト (公開者) の ArcGIS を選択します (すでに確立済みの接続がある場合は、その接続を選択します)。

    サーバ アドレスとして一般公開する場合は、Web マップを保存して他のユーザと共有するなど、より便利な操作を多数行うことができます。

  6. このサービスに「Massachusetts_Crime_WebMap」という名前を付けます (名前にスペースを使用しないでください)。
  7. 接続を設定する [Publish a Service] パネル。
  8. 次のパネルで、デフォルト設定の [root] を受け付けて [Continue] をクリックします。
  9. [次へ] をクリックします。
    サービスの出力場所を選択する [Publish a Service] パネル。

    次に、Service Editor が表示されます。Service Editor では、サービスが正常に機能するかどうかを分析したり、サービスをプレビューしたりできます。ここでは、ArcGIS for Server を介してサービスを直接公開することも、サービス定義ファイルを作成して後日公開することもできます。

    [Service Editor] ダイアログ ボックス。
  10. [分析] ボタンをクリックします。
    警告の一覧が表示された [準備] ウィンドウ。

    [分析] ボタンをクリックすると、各種診断テストが実行されます。これらのテストを通じて、サービスの公開、最適な実行、およびベスト プラクティスへの準拠が保証されます。

  11. [準備] ウィンドウに表示されている内容が読めるように Service Editor を適当な場所にドラッグします。

    幸い、公開を妨げるようなエラーはありません。ただし、警告が 4 件、メッセージが 1 件あります。

  12. 黄色の感嘆符の横にあるプラス記号 (+) をクリックして、警告の一覧を展開します。
    [準備] ウィンドウで展開された警告の一覧。

    [警告] は、サーバにデータが登録されていないため、データをサーバにコピーすることを示しています。データセットは比較的小さく、これらの警告は無視しても問題ありません。States レイヤがすべての縮尺範囲で描画されることを示すメッセージもあります。これは優先度の低いメッセージです。この例では、States レイヤをすべての縮尺範囲で描画するようにしたいので、この設定も無視できます。

  13. サーバへのデータ登録

    サーバ管理者は、ArcGIS for Server にデータ フォルダとジオデータベースを登録するオプションを使用できます。データ登録を行うと、サーバに場所の一覧が指定されます。これらの場所は、サーバ管理者によって検証済みで、GIS サーバからアクセス可能な場所です。また、データ登録を行うと、複数のコンピュータ間で公開する場合に GIS サーバがデータ パスの調整方法を容易に理解できます。未登録の場所からデータを参照するサービスを公開しようとすると、公開処理中にサーバにデータがコピーされます。

  14. Service Editor の [プレビュー] タブをクリックし、ズームと画面移動ツールを使用して、公開後のサービスの表示方法と動作を確認します。
    マップ サービスのプレビュー。

    マップ サービスにコンテキストもベースマップもないこと、つまり公開するフィーチャ以外のものが一切含まれていないことを確認します。

  15. ArcGIS for Server のプレビュー ウィンドウを閉じます。
  16. Service Editor の [Publish] をクリックします。
    [Copying Data to Server] ダイアログ ボックス。

    データがサーバにコピーされることを示すメッセージが表示されます。このワークフローに従って操作する場合、サーバのどの場所にもソース データは存在しないため、このメッセージが必ず表示されます。データセットが小さく、ローカル ホストで作業しているため、次の手順に安全に進むことができます。

  17. [OK] をクリックします。
    [Publishing in progress] メッセージ ボックス。

    プログレス バーに公開処理の進行状況が表示されます。

  18. [OK] をクリックして、マップが正常に公開されたことを示すメッセージを閉じます。
    [Service Publishing Result] メッセージ ボックス。
  19. ArcMap のカタログ ウィンドウで、GIS Servers の下にサービスが表示されていることを確認します (この例では、ローカル ホスト _6080 上の ArcGIS)。
    GIS Servers の一覧が展開された状態の ArcMap のカタログ ウィンドウ。
  20. ArcMap を閉じて、[はい] をクリックして変更内容を保存します。
  21. [スタート] [すべてのプログラム] [ArcGIS] [ArcGIS10] [GIS Server] [Services Directory] から Services Directory を開きます。
    Window 7 の [スタート] メニューの Services Directory。

    ArcGIS REST Services Directory 内のライブ サービスが表示されます。

    ArcGIS REST Services Directory。
  22. Massachusetts_Crime_WebMap へのリンクをクリックして、詳細なサービス情報パネルを開きます。
    Massachusetts Crime Web マップ サービスに関する情報が表示されるパネル。
  23. ディレクトリを閉じます。
  24. ブラウザで www.arcgis.com\home を開き、[Make a Map] をクリックします。
  25. [追加] ボタンをクリックし、ドロップダウン メニューから [Add Layer from Web] をクリックします。
    [追加] ドロップダウン メニュー。
  26. デフォルトの ArcGIS Server Web サービスをコピーし、ローカル ホスト サーバの URL 内に貼り付けます (この例では、http://localhost:6080/arcgis/rest/services/Massachusetts_Crime_WebMap/MapServer となります)。[レイヤの追加] をクリックします。
    [Add Layer from Web] ダイアログ ボックス。
  27. ズームと画面移動ツールを使用して、マサチューセッツ州を拡大します。
    Web マップに表示されるマップ サービス。
  28. [マップのコンテンツの表示] ボタンをクリックします。
    サイド パネルの [マップのコンテンツの表示] ボタン。
  29. [Massachusetts_Crime_WebMap] をクリックして展開し、サブレイヤを表示します。
  30. [Block Groups] の小さな矢印リンクをクリックし、[ポップアップの有効化] をクリックします。
    Block Groups サブレイヤのショートカット メニュー。
  31. この操作を他の 3 つのレイヤに対して繰り返します。

    このように設定すると、フィーチャをクリックしたときに、書式設定された属性テーブルを表示できるようになります。

  32. マップ上のフィーチャを適当にクリックして、属性テーブルが表示されるかどうかをテストします。
  33. マップ フィーチャの属性が表示されるポップアップ ウィンドウ。
  34. Massachusetts Crime Index Map へのリンクをクリックし、[透過表示] を約 30% (あるいは希望の値) に設定します。
    レイヤ プロパティのショートカット メニューの透過表示設定。

以上です。サービスを公開し、そのサービスが期待どおりに ArcGIS Online に表示されることを確認できました。