ArcGIS での LAS データセットの表示の概要

ArcGIS では、LAS データセットを通じて大量の LIDAR およびサーフェス データを使用することができます。LAS データセットは、1 つ以上の LIDAR(LAS)ファイルをシンプルにまとめる定義情報で、これにより 1 つの論理単位を表します。たとえば、行政区域全体をカバーする数千個の LAS ファイルがある場合もあれば、特定の調査区域を数個の LAS ファイルだけでカバーすることもあります。

LAS データセットには、LIDAR データおよびサーフェス データの格納および表示に特化した機能があります。LAS データセットは、ArcGIS で、ArcMap および ArcScene を使用して 2D と 3D の両方で可視化することができます。LAS データセットは、ポイントまたはトライアングル サーフェスとして表示できます。

LAS データセットには、ポイント間引き機能があります。これにより、大量のデータが関与する場合に、特に小縮尺での表示速度が上がります。LAS データセットのスケーラビリティの詳細については、「LAS データセットのスケーラビリティ」をご参照ください。

[データの追加] データの追加 ボタンまたはウィザード、またはカタログ ウィンドウからのドラッグなどの標準の手法を使用して、LAS データセットを ArcMap または ArcScene に追加し、デフォルトのレンダリングを必要に応じて調整します。LAS データセットをポイントとして表示する場合、分類などの LAS 属性を使用して、ポイント シンボルを定義できます。LAS データセットを ArcMap または ArcScene に追加すると、デフォルト表示は、[すべてのリターン] フィルタ セットを持つポイントとなります。

LAS データセットを ArcMap または ArcScene に追加すると、レイヤはコンテンツ ウィンドウに追加され、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスから標準のレイヤ機能にアクセスできるようになります。ほとんどの場合、LAS データセット レイヤは、ArcScene 内でも ArcMap 内でも同様に機能します。[レイヤ名[[説明] などの一般的なレイヤ プロパティを定義したり、フィルタや LIDAR 属性レンダリングなどの LAS 固有のプロパティを設定したりできます。

LAS データセットのサーフェス ベースのレイヤ タイプは、TIN またはテレイン データセット レイヤに類似しており、複数の表示レンダリングをサポートします。標高範囲、傾斜角、傾斜方向、コンターによって色付けされたトライアングルを表示できます。ブレークライン、トライアングルのエッジ、およびトライアングル サーフェスのノードを表示できます。LAS データセット固有のポイント シンボル レンダリング([一意のシンボルでグループ化された LAS 属性][LAS ポイントを標高でグラデーション描画])も使用できます。

ArcMap の航空機 LIDAR データ

ArcMap と ArcScene では、LAS データセットの最初の表示が異なります。

LAS データセットを ArcMap に追加すると、最初はポイント数が多すぎて表示できないということがよくあります。その場合、LAS データセット内の各 LAS ファイルの範囲を表す最小のバウンディング ボックスが表示されます。LAS データセットを描画しようとすると、現在の範囲内のポイント総数が推定されます。ポイントの数は、スキャンが必要なディスク上のデータ サイズに直接対応しています。推定されたポイント数が多すぎて、ディスクからの読み取りに時間がかかりそうな場合、表示はワイヤフレーム ビューに切り替わります。

LAS データセットを ArcScene に追加すると、LAS データがシーンで描画されるたびに、LAS データセット内の各 LAS ファイルの範囲を表す最小のバウンディング ボックスが表示されます。各 LAS ファイルの読み込みまたは再読み込みが実行されると、これらのバウンディング ボックスは表示されなくなります。

[個別属性] ツール ポイント情報 を選択すると、選択された LIDAR ポイントに対応する追加の情報を表示できます。ポイントを選択すると、ポイントの場所情報と LIDAR 属性情報が表示されます。

注意注意:
  • ArcCatalog またはカタログ ウィンドウには、LAS データセット(*.lasd ファイル)のみが表示され、実際の *.las ファイルは表示されません。Windows Explorer を使用して個々の LAS ファイルを表示するか、ArcGIS システムで LAS ファイル エクステンションを登録することができます。

  • LAS データセットは、本来、ArcGlobe ではサポートされていません。LAS データセット レイヤをラスタ DEM に変換することで、ArcGlobe で使用できます。LAS データセットをラスタ DEM に変換するには、 [LAS データセット → ラスタ(LAS Dataset To Raster)] ジオプロセシング ツールを使用します。
  • LAS データセットは、当初、航空システムから取得される LIDAR データ用に設計されました。ArcMap または ArcScene では、地上 LIDAR データは、ポイントとして表示および解析できます。
  • キーボードのプラスまたはマイナス キーを使用して、ArcScene、または ArcMap の 2D または 3D ビューに表示されるポイントのサイズを拡大または縮小させます。

LAS データセットの表示の詳細については、以下をご参照ください。

ArcMap で LAS データセットをサーフェスとして表示する

ArcMap で LAS データセットを ポイントとして表示する

ArcScene で LAS データセットをサーフェスとして表示する

ArcScene で LAS データセットをポイントとして表示する

「ArcScene で LAS データセットを最大解像度で表示する」

ArcMap と ArcScene の表示の違いの詳細については、以下をご参照ください。

LAS データセット ポイントの表示に関する ArcMap と ArcScene の相違点

LAS データセット サーフェスの表示に関する ArcMap と ArcScene の相違点

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5/10/2014