Portal for ArcGIS と サーバの使用について
Portal for ArcGIS は、Web マップ、Web サービス、その他のアイテムを作成および共有できる GIS リポジトリです。 ArcGIS Server サイトで Portal for ArcGIS を使用すると、次のようなメリットがあります。
- Portal for ArcGIS で、ArcGIS Server サービスを情報成果物に変換できます。ポータルを使用すると、サービスを Web マップに整理したり、それらをユーザ グループと共有したりすることができます。
- Portal for ArcGIS は、ユーザの情報成果物を整理して、簡単に見つかるようにできます。これを行うには、ポータル ギャラリー、グループ、および検索機能を使用します。
- Portal for ArcGIS は、ポータル グループを使用して、ArcGIS Server サービスへのアクセスを制御できます。
- Portal for ArcGIS では、ユーザがより多くのユーザにデータおよびマップを Web サービスとして公開することができます。これを行うには、ポータル管理者として、ArcGIS Server サイトをホスト サーバとして機能するように割り当てます。
ポータルおよびサーバ間の統合レベル
ポータルおよび ArcGIS Server サイトは、組織のニーズに合わせてさまざまなレベルに統合できます。以下の 3 つの一般的な統合方法があります。
下の表では、使用できる一般的な Portal for ArcGIS の機能を、サーバの統合がある場合とない場合についてまとめています。これらの方法を組み合わせて、組織に必要な統合レベルを満たします。たとえば、ポータルは、他のサーバから登録された個々のアイテムだけでなく、フェデレーション サーバのアイテムを公開する場合があります。
注意:バージョン 10.2 以降を使用している ArcGIS Server サイトのみが、ポータルとフェデレートできます。
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機能 |
サーバの統合なし |
フェデレーション サーバあり |
ホスト サーバあり |
注意事項 |
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アイテム（たとえば、ファイル、Web アプリケーション、サービス）のポータルへの追加 |
あり |
あり |
あり |
ArcGIS Server サービスをポータルに追加する場合、サービスのバージョンは 9.3 以降である必要があります。 |
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シェープファイルと CSV ファイルの Web マップへの追加 |
なし |
なし |
あり |
Web マップに追加される CSV データとシェープファイル データの整合チェックを実行するため、ホスト サーバが必要です。 |
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Web マップの作成 |
あり |
あり |
あり |
Web マップを作成するために、ホスト サーバをフェデレートしたり構成したりする必要はありません。 |
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Web マップの個別の住所のジオコーディング |
あり |
あり |
あり |
Web マップの個別の住所をジオコーディングするために、ホスト サーバをフェデレートしたり構成したりする必要はありません。 |
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Web マップの住所のバッチ ジオコーディング（たとえば、CSV から読み込み） |
なし |
なし |
あり |
Web マップに追加される住所データの整合チェックを実行するため、ホスト サーバが必要です。 ArcGIS Server または ArcGIS Online の組織サイト からジオコード サービスを使用して住所を検索できます。 |
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ホスト サービスの公開（たとえば、キャッシュ マップ サービスやフィーチャ サービス） |
なし |
なし |
あり |
データの整合チェック、サービス データの格納、およびサービスのホストを実行するため、ホスト サーバが必要です。 アイテムを Web サイトに追加するときに、ArcGIS for Desktop を使用して、または直接 Portal for ArcGIS で、ホスト サービスを公開できます。 |
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Esri Maps for Office からのレイヤおよびマップの共有 |
なし |
なし |
あり |
ポータル ユーザが Esri Maps for Office からレイヤとマップを共有できるようにするには、ホスト サーバが必要です。 |
サービスの登録
ArcGIS Server サービスをポータルのアイテムとして登録できます。これにより、ポータル ユーザは、簡単にそれらを見つけて Web マップに追加することができます。サービスは、独自の ArcGIS Server サイトまたは他のサイトから取得できます。サービスの登録は、サーバをポータルと統合する方法の中で最も結合度が緩い方法です。
この方法で必要なのは、ポータルをホストするサーバのみです。独自の ArcGIS Serverを持つ必要はありません。ArcGIS Web Adaptor は、同じサーバまたは別の専用サーバに配置できます。
バージョン 9.3 以降のサービスを登録できます。ポータルに、HTTPS を使用した暗号化された通信が必要で、それらがドメインの外部にある場合、登録するサービスに HTTPS を使用する必要があります。
サービスをポータル アイテムとして登録する場合、サービスおよびアイテムの有効期間に関連性はありません。つまり、使用されているサービスがなくなると、ポータルからアイテムを削除する必要があります。
「Web からのアイテムの追加」をご参照ください。
サーバのフェデレート
ArcGIS Server とポータルをフェデレートすることは、セキュリティを強固に統合して、ポータルのモデルを ArcGIS Server サイトと共有する高度な構成です。サーバをフェデレートさせると、サービスにアクセスするための認証はポータルに委任されます。これは次のことを意味します。
- ポータル ユーザを使用して ArcGIS Server にアクセスする。 ArcGIS Server ユーザおよびロールは使用されません。ポータルの管理者、公開者、およびユーザはそれぞれ、ArcGIS Server の管理者、公開者、およびユーザになります。ポータルおよびサーバ ユーザを統合することで、GIS リソースの管理が簡素化され、1 回のサイン インでセキュリティ保護された ArcGIS Server リソースにアクセスできるようになります。
- ArcGIS Server サービスへのアクセスは、ポータルの共有モデルで制御されます。 フェデレーション サーバに公開するすべての ArcGIS Server サービスは、ポータルで自動的にアイテムとして共有されます。ポータルの共有モデルによって、サービスをその公開者のプライベートにするか、またはポータル ユーザの 1 つ以上のグループで共有することができます。または、アイテムを組織全体（すべてのログイン ユーザ）で共有するか、またはすべてのユーザがアイテムを表示できるように匿名アクセスを有効化することができます。この共有モデルでは、ArcGIS Server サービスへのアクセスを詳細に定義することができます。
次の図は、ArcGIS Server サイトがポータルとフェデレートされると、フェデレーション サーバに公開されたサービスが自動的にポータルと共有されることを示しています。また、ポータル ユーザは、ポータルとフェデレーション サーバの両方へのアクセスに使用されます。この図は、フェデレートされた ArcGIS Server サイトを 1 つだけ表示していますが、複数の ArcGIS Server サイトがポータルとフェデレートされることがあることに注意してください。フェデレートされた ArcGIS Server サイトはすべて、ArcGIS Server アカウントではなく、ポータル アカウントを使用してアクセスされます。
以下の図は、フェデレーション サーバを使用する場合の従来のハードウェア レイアウトと、各コンポーネントへの接続に使用する URL 形式を示しています。バージョン 10.2 以降を使用している ArcGIS Server サイトのみが、ポータルとフェデレートできます。「ArcGIS Server サイトとポータルのフェデレーション」をご参照ください。
ホスト サーバの指定
フェデレーション サーバは、それをホスト サーバに指定すると、ポータルとの統合関係をさらに深めることができます。ホスト サーバはポータル サーバに次のことを許可します。
- ArcGIS for Desktop からタイル マップおよびフィーチャ サービスをポータルに公開する。
- Esri Maps for Office からレイヤおよびマップを共有する。
- ローカル コンピュータからポータル マップ ビューアに CSV ファイルおよびシェープファイルを追加することによって、マップを作成する。
- ポータル Web サイトからフィーチャ サービスとして CSV およびシェープファイルを公開する。
構成されたホスト サーバは、ポータルと ArcGIS Server サイト間で実現できる最高レベルの統合です。
ホスト サーバを公開するときは、サーバ リソースと使用状況を常に監視し、サーバがポータル ユーザの負荷に耐えられるようにしなければなりません。多数のユーザがマップ タイルを作成したり、多数のサービスをホストすることが予想される場合は、ホスト サーバを構成する前に、ArcGIS Server サイトに GIS サーバを追加することをお勧めします。
サーバをホスト サーバとして指定するには、エンタープライズ ジオデータベースを ArcGIS Server の管理されたデータベースとして登録する必要があります。ユーザがホスト フィーチャ サービスをポータルに公開すると、このデータが、管理されたデータベースにコピーされます。管理されたデータベースは、ポータル ユーザにマップへの CSV ファイルおよびシェープファイルの追加、または Esri Maps for Office からのレイヤおよびマップの共有を許可するためにも必要です。
以下のダイアグラムは、ホスト サーバに接続されているポータルの一般的なアーキテクチャを示しています。管理データベースと追加の GIS サーバも示されています。
ホスト サーバの設定方法の詳細については、「ポータルへのホスト サーバの構成」をご参照ください。