ArcGIS Server 運用のための AWS Management Console の使用
AWS Management Console は、AWS 上に作成した GIS サーバやその他のリソースの管理に使用できる Web アプリケーションです。サイトの作成、停止、開始などの基本操作を実行する場合、通常は、ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services を使用します。AWS Management Console を使用すると、セキュリティ グループ ルールの調整やサイトへの追加ストレージのアタッチなどの高度な管理タスクを実行することができます。
AWS Management Console で ArcGIS Server サイトを構築することもできますが、ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services でサイトを作成するほうが簡単です。AWS Management Console を使用して作成したサイトはいずれも、Amazon ELB(Elastic Load Balancer)に接続された、コンピュータが 1 台のみのサイトになります。これらのサイト同士は相互に無関係であるため、非同期ジオプロセシングや分散マップ キャッシュ ジョブなどのタスクには適していません。GIS サーバが相互に通信するアーキテクチャの利点を活用するには、Cloud Builder を使用する必要があります。

AWS Management Console を Internet Explorer で使用する場合、Amazon では Internet Explorer 8 よりも Internet Explorer 9 を使用することを推奨しています。Internet Explorer 8 の JavaScript エンジンは低速であるため、タイムアウトが発生する可能性があります。
AWS Management Console を使用して ArcGIS サーバ サイトを手動で構築する方法
AWS Management Console を使用した ArcGIS サーバ サイトの作成は、Amazon Web Services のアーキテクチャに関する計画および知識を必要とする複数の手順で構成されます。基本的なワークフローの例を以下に示します。実際の手順は、各配置での必要性に基づいて変化します。
- ArcGIS Server on Amazon Web Services の配置を準備します。
- EC2(Elastic Compute Cloud)を利用できる Amazon アカウントを作成します。
- Esri カスタマー サポートに連絡して、Esri が提供する AMI(Amazon Machine Image)へのアクセス権を取得します。
- ArcGIS の一般的な Amazon セキュリティ グループを作成し、リモート アクセスを許可するセキュリティ グループを少なくとも 1 つ構成します。
- 運用 AWS インスタンスの Amazon Elastic IP アドレスを構成し、インスタンスを最小のダウンタイムで復元または更新できるようにします。
- ArcGIS Server を実行する AWS インスタンスを起動して接続します。
- ArcGIS Server AMI のいずれかを使用して、AWS インスタンスを起動します。
- Windows リモート デスクトップ、Windows の SSH と端末エミュレータ、または Linux の SSH 接続を使用して新しいインスタンスに接続します。
- データを格納する場所を設定します。
- クラウド上のデータの格納場所を選択します。
- 必要に応じて、ローカル データ ストレージ用の追加 EBS ボリュームを構成します。
- 必要に応じて、PostgreSQL、SQL Server、または Amazon Relational Database Service 上の SQL Server でエンタープライズ ジオデータベースを作成し、データを格納します。
- データを AWS に移行します。
- データの転送方法を選択し、データを移動します。
- ArcGIS Server アカウントにデータにアクセスする権限を付与します。
- GIS サービスとアプリケーションを作成します。
- ArcGIS を使用して、マップやジオコードなどのサービスを作成します。
- アプリケーションを AWS インスタンスに移行し、AWS インスタンスで実行しているサービスをポイントし直します。
- AWS インスタンスのセキュリティをカスタマイズします。
- AWS インスタンスの管理者のパスワードを変更します(Windows の場合のみ)。
- PostgreSQL でジオデータベースを使用している場合、データベース ユーザのパスワードを変更します。
- 必要に応じて、サーバの ArcGIS サーバ セキュリティを構成します。
- 必要に応じて、AWS インスタンスのその他のセキュリティ設定を調整します(ファイアウォールの調整、SSL の構成など)。
- 運用環境を準備します。
- サイトのサービスおよびアプリケーションを含むカスタム AMI を作成します。
- 配置に対して適切な性能を持つインスタンス タイプになるように、必要に応じて、より大きなインスタンス タイプで手順を繰り返します。
- AWS セキュリティ グループ ルールを変更して、運用 AWS インスタンスへのリモート アクセスを無効化または制限します。これにより、運用インスタンスのセキュリティが強化されます。
- 必要な場合は、カスタム AMI を使用して需要に応じてインスタンスを起動または終了します。この手順は、Amazon Auto Scaling API を使用してプログラムで行うか、手動で行います。Amazon ELB(Elastic Load Balancer)により、複数のコンピュータを接続できます。
このヘルプ システムでは、上に示した手順の多くについて説明しています。その他の役に立つリソースとして、Amazon Web Services ドキュメントがあります。このドキュメントでは、AWS Management Console を使用する方法と、Amazon Web Services でプログラムを作成する方法が説明されています。