反射率関数
この関数は、大気補正と同様に、衛星センサの画像の輝度 DN(デジタル値)を変換します。変換は、太陽高度、取得日、およびセンサのプロパティ(各バンドのゲイン/バイアス設定)に基づいて行われます。
反射率関数は、衛星画像の反射率(輝度)の値を、シーンの日照およびセンサのゲイン設定に基づいて変換するために使用されます。画像は、理論的に一般的な日照条件に調整されることにより、日付やセンサの違いによるシーン間の違いが抑えられます。これは、画像分類、カラー調整、モザイク処理に便利です。
この関数は、特定の画像だけで使用できます。適用可能なセンサは、Landsat MSS、Landsat TM、Landsat ETM+、Landsat 8、IKONOS、Quickbird、GeoEye-1、RapidEye、DMCii、WorldView-1、WorldView-2、SPOT 6、および Pleiades です。
補正に必要なすべての情報は、関数を初期化するときに、各画像のメタデータの主要プロパティから抽出されます。この関数を実行するためには、画像に次のプロパティが必要です。
- データセットの取得日と太陽高度
- 各バンドの放射輝度ゲイン、放射輝度バイアスおよび日射量
- 反射率ゲインおよび反射率バイアス(Landsat 8 の場合)
この関数は、2 つの補正を実行します。最初の補正は、ゲイン設定に基づいて行われます。ゲイン方程式を逆算して、元の輝度値が画像の値から再生成されます。2 番目の補正は、太陽の角度と輝度の差異を使用して行われます。元の輝度値は、さまざまな光の照射条件下で撮影されたシーンを正規化することで、一般的な日照条件に調整されます。一般的に、出力画像のデータ タイプは入力画像のデータ タイプと同じになりますが、出力値は入力値よりも小さくなり、有効なデータ範囲にクリップされます。
反射率関数の結果は、アルベドとして表現することもできます。これは、地表面で反射された利用可能なエネルギーの比率を表します。アルベド データは、科学分野のユーザが複雑なモデリングや技術的なリモートセンシング アプリケーションを実行する際に使用されます。
- オフ - 関数は反射率の値を返します。これはデフォルト設定です。
- オン - 関数は 32 ビットの浮動小数点値を返します。これは一般的に、0.0 ~ 1.0 の値になります。このオプションを選択した場合、データのクリップは行われません。
アルベドの出力データ タイプは浮動小数点であるため、優先する出力ピクセル タイプとして、32 ビット浮動小数点または 64 ビット倍精度のいずれかを明示的に選択する必要があります。[出力ピクセル タイプ] パラメータは、[反射率ラスタ関数] メニューの [一般] タブにあります。[アルベド] オプションに対して [出力ピクセル タイプ] が正しく設定されていない場合、結果の値は無効となり、値が 0 になります。
ArcGIS 10.2 for(Desktop、Engine、Server)Landsat 8 Patch をインストールした場合は、反射率関数を適用すると、出力ピクセル値は 8 ビット データに対しては 0 ~ 255 の範囲に設定され、16 ビット データに対しては 0 ~ 55,000 の範囲に設定されます。[アルベド] をオンにした場合は、出力ピクセル値は -0.1 ~ 1.0 の範囲に設定され、[出力ピクセル タイプ] は自動的に 32 ビット浮動小数点に設定されます。
この関数は、画像の値を変更するため、元の統計情報とヒストグラムは使えなくなります。これは、バンド抽出(並べ替え)の後で、ストレッチやその他の放射量変換関数の前の、関数チェーンの前に適用する必要があります。
この関数を無効なデータセットに適用した場合、関数チェーンの処理速度が遅くなりますが、変換は行われません。