画像とラスタ データの解析について

セルベースのデータは、衛星や航空機に搭載されたセンサからの画像であるか、重力モデリングや DEM を表すラスタ データセットであるかに関係なく、解析を行うときにさまざまな方法で使用できます。たとえば、データを視覚的に解析したり、背景(ベースマップ)として使用して他のデータを視覚的に解析したり、解析操作で使用したりできます。

画像やラスタ データの視覚的な解析では、分水界調査の結果を検証したり、デジタル標高モデル(DEM)を基に作成された陰影図でフィーチャを探したり、バンドの組み合わせを変更してフィーチャを識別したりできます。ラスタ データを他のデータの解析に役立てる場合は、道路などのベクタ データを調査して、更新することができます。たとえば、最新の画像をベースマップとして使用し、不明な道路の位置を判断することができます。こうした種類の解析で重要となるのは、ほとんどの場合、データの視覚表現です。画像やラスタ データを表示するために使用するレンダラの種類(ストレッチまたは RGB コンポジット レンダラなど)について検討する必要があります。また、それらを変更して、ヒストグラムにさまざまな種類のストレッチを適用してデータセット内の特定の情報を強調したり、表示からラスタの値をいくつか削除したりすることもできます。

各種のレンダリングを使用した画像とラスタの表示について、詳細は「ラスタ データの表示に使用するレンダラ」をご参照ください。高速レンダリング、パフォーマンスの最適化、コントラスト調整、背景値の表示の変更など、データセットの表示および動作のその他の特性については、「ラスタ データの表示の改善」をご参照ください。複数の画像の表示バランスを調整し、継ぎ目のない 1 つの画像のように見せるためのツールもあります。詳細については、「ラスタ データのカラー補正」または「モザイク データセットのカラー補正」をご参照ください。

表示しているデータが衛星画像の場合、その多くは ArcGIS 内でラスタ プロダクトとしてサポートされています。この場合、ラスタ プロダクトから適切なテンプレートを使用して、表示に追加する必要があります。アプリケーション内には、正しく表示するための設定があります。

ラスタ プロダクトの詳細

レンダリングされる画像の対話的な改善

[画像解析] ウィンドウには、ヒストグラムのストレッチ方法を変更して画像の表示を改善するのに役立つ多くのツールがあります。スライダを使用すると、画像のコントラスト コントラストをリセット、明るさ 明るさをリセット、ガンマ ガンマをリセット を調整できます。[ヒストグラム ストレッチ ツール] ボタン 対話式ヒストグラム ストレッチ は、ピクセル値の分布を理解し、ストレッチ方法を調整するのに便利です。

画像の表示を変更する [画像解析] ウィンドウの各ツールの詳細

画像とピクセル値の照会

ArcMap には、ラスタ データセット内のピクセル値のエリアを表示するために使用する [ピクセル調査(Pixel Inspector)] ツール ピクセル調査 や、スワイプされるレイヤの下のレイヤを対話的に表示する [スワイプ レイヤ(Swipe Layer)] ツール スワイプ レイヤ など、ラスタ データの分析に役立つツールもあります。これらを含めたツールについて詳しくは、次のトピックをご参照ください。

[個別属性] ツール 個別属性表示 を使用して、単一ピクセルのピクセル値情報を取得したり、ジオプロセシング モデルの操作時に [セル値の取得(Get Cell Value)] ツールを使用することもできます。

解析および処理関数

[画像解析] ウィンドウからは、ラスタ データの処理機能と表示機能にアクセスできます。DEM を陰影起伏 陰影起伏 として表示し、カラー ランプを容易に変更できます。2 つのデータセットに差異 差異 があるかどうかを検証し、複数のラスタを 1 つ モザイク(Mosaic) に結合するためのツールもあります。

[画像解析] ウィンドウとそのツールの詳細

[画像解析] ウィンドウの特長の 1 つは、ラスタ レイヤに関数を追加できることです。これらの関数を必要に応じて変更すれば、ラスタ データに対して高度な解析を行えます。ウィンドウの [処理] セクションにあるボタンの多くは、レイヤに関数を挿入します。また、[関数の追加] ボタン 関数の追加 を使用して関数チェーンにアクセスして、適用する処理関数を選択し、それらを繋げてより複雑な解析を作成することもできます。これらの関数はデータにアクセスした時点で適用され、レイヤ ファイルに保存されます。

関数の詳細

画像からの計測

[画像解析] ウィンドウの中には、センサ情報(またはジオデータ変換)を使って、画像(ラスタ データセットまたはモザイク データセット)からポイント、距離、角度、高さ、周長、面積を計測するツールなどの、計測ツール群があります。

計測とは、幾何学的ルールを適用して、ラインと角度から取得した情報を基にラインの長さ、サーフェスの面積、容積を求めることと定義されます。また、これにはフィーチャの高さや絶対位置の計測も含まれます。

計測ツールの詳細

解析用のエクステンション

解析処理では、ラスタ データがさまざまな方法で使用されます。こうした操作を実行するときに重要となるのは、おそらくセルの値で表されるデータなので、それらの値を操作する処理を実行します。ArcGIS for Desktop には、データの管理や変換のためにラスタ データを操作できるツールが多数含まれています。しかし、解析操作内にラスタ データを活用するには、エクステンションの 1 つが必要になります。

ラスタ データの解析機能を拡張する ArcGIS エクステンションが用意されています。次のようなツールが提供されています。

ArcGIS またはこれらのエクステンションによって提供されるジオプロセシング ツールを使用する際には、解析を実行するためのモデルを構築することにより、ワークフローを自動化することができます。モデルを構築して、ツールを連結することができます。

モデルの構築の詳細

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5/10/2014