モザイク データセットの境界
境界は、モザイク データセット内のすべてのラスタ データセットの範囲であり、フットプリントによって定義されます。これは、ジオデータベースに格納されたポリゴン フィーチャクラスです。境界は、[境界線の構築(Build Boundary)] ツールを使用して作成するか、または [モザイク データセットへのラスタの追加(Add Rasters To Mosaic Dataset)] ツールを使用する場合のオプションとして作成します。これは、基本的に、すべてのラスタのフットプリント(サービス概要を含まない)を単一のポリゴンまたはマルチパート ポリゴンにマージして作成します。境界を作成すると、モザイク データセットの展開ビューの一部であるレイヤとして、ArcMap のコンテンツ ウィンドウで表示することができます。
境界は、モザイク データセットの空間範囲を決定するために使用されます。すべてのフットプリントを結合した境界を持つ必要はありません。そのため、[境界線の構築(Build Boundary)] ツールを使用して、凸包手法を使用するかモザイク データセットのエンベロープを計算して、境界を単純化できます。これらのオプションは、世界全体をカバーするラスタを含むモザイク データセットを作成する場合や、境界に多くの頂点(5000 以上など)がある場合にお勧めします。
モザイク データセットは境界にクリップできます。このとき、モザイク データセットの表示時に、モザイク化した画像が境界フィーチャクラスにクリップされます。モザイク データセットに境界の範囲を越えるラスタ データが含まれる場合、このデータはモザイク化した画像に表示されません。このため、モザイク データセット内に表示したいエリアの範囲を越えるラスタ データがある場合でも、境界を変更すれば、表示可能なデータを制限することができます。
モザイク データセットをその境界でクリップするには、[モザイク データセット プロパティ] ダイアログ ボックスで [常にモザイク データセットを境界にクリップ] プロパティを [はい] に設定します。
次の例では、境界は、すべてのラスタのフットポイントを含む全範囲です。
次の例では、境界は編集されています。フットプリントにより全範囲も表されていますが、モザイク化した画像は、境界の範囲でトリミングされます。ただし、もともとの画像データに損失はありません。この境界を編集して外側に拡張すると、見えなかった画像データが表示されるようになります。これは、ソース データを編集しないで、モザイク化した画像の境界のみを編集しているためです。
境界は、ArcMap の標準編集ツールを使用して編集できます。[モザイク データセット ジオメトリのインポート(Import Mosaic Dataset Geometry)] ツールを使用して、境界ファイルを別のポリゴン フィーチャクラスに置き換えることもできます。
境界の座標系は、モザイク データセットの座標系で定義されます。