バージョン 10 より前のスケマティック データセットの移行

このバージョンでは、バージョン 10 より前のスケマティック データセットに保存されているスケマティック ダイアグラムを表示することができますが、ダイアグラムの変更を保存することはできません。バージョン 10 より前のスケマティック ダイアグラムで編集セッションを開始することは可能ですが、ダイアグラムの編集内容の保存はできません。また、バージョン 10 より前のスケマティック データセットに基づくスケマティック ダイアグラムの更新や新しいスケマティック ダイアグラムの生成も行えません。同様に、スケマティック データセット エディタでは、バージョン 10 より前のスケマティック データセットの構成パラメータを読み込むことはできますが、パラメータの編集内容を保存することはできません。

バージョン 10 より前のスケマティック データセットに対して Schematics のすべての機能を使用できるようにするには、新しいスケマティック データセットに移行する必要があります。以下に、この手順について説明します。

レガシーレガシー:

以下の移行プロセスでは、ArcGIS 10.2.1 for Desktop と一緒にインストールされる新しい移行関数について説明します。この新しい関数は、10.0 および 10.1 でインストールされたものより柔軟性があります。次の操作ができます。

  • 移行するダイアグラムのセットのフィルタリング。
  • 移行プロセス中に時間がかかる一部の属性評価の無効化。
これらの新しいオプションにより、ダイアグラムの複数のサブセットに基づいて複数の移行処理を並列的に実行して、10.0 または 10.1 のときより、スケマティック データセットのコンテンツを高速に移行できます。

手順:
  1. ArcCatalog を起動します。
  2. バージョン 10 より前のスケマティック データセットの移行先とするジオデータベースを参照して選択します。

    新しいジオデータベースか、または移行対象のスケマティック データセットがすでに格納されているバージョン 10 より前のジオデータベースを選択できます。

  3. ジオデータベースを右クリックし、[新規作成] をポイントして、[スケマティック データセット] をクリックします。
  4. 新しいスケマティック データセットの名前を入力します。
  5. Enter キーを押します。
  6. カタログ ツリーで移行対象のバージョン 10 より前のスケマティック データセットを右クリックして、[現在のバージョンの Schematics に移行] をポイントします。

    [ジオメトリ タイプの選択] ダイアログ ボックスが開きます。

    [ジオメトリ タイプの選択] ダイアログ ボックスのサンプル

  7. [ジオメトリ タイプの選択] ダイアログ ボックスでは、移行するスケマティック ノードと描画クラスのジオメトリ タイプを指定できます。この設定は主に、スケマティック ダイアグラム内でコンテナとして使用されているスケマティック エレメント クラスに関連します。デフォルトでは、スケマティック ノード エレメント クラスはいずれもポイントとして移行され、スケマティック描画クラスはいずれもポリゴンとして移行されます。一部のスケマティック エレメント クラスでデフォルトのジオメトリを変更するには、次の操作を行います。
    1. [スケマティック エレメント クラス] 列で、ジオメトリを変更するスケマティック エレメント クラス アイテムをクリックします。

      [スケマティック エレメント クラス] 列には、移行するスケマティック データセットに含まれているすべてのスケマティック ノードと描画クラスがリストされます。

    2. 関連する [ジオメトリ タイプ] 列で、現在のデフォルトのジオメトリを右クリックします。

      使用できる 3 つのジオメトリ タイプ(ポイント、ポリゴン、またはポリライン)を示すポップアップ メニューが表示されます。

      [ジオメトリ タイプの選択] ダイアログ ボックスと [ジオメトリ タイプ] 列のポップアップ メニュー

    3. 必要なジオメトリ タイプをクリックします。
    4. 変更する必要があるすべてのスケマティック ノードまたは描画クラスで同じ操作を繰り返します。
  8. [OK] をクリックします。

    [ジオメトリ タイプの選択] ダイアログ ボックスが閉じ、[現在のバージョンの Schematics に移行] ダイアログ ボックスが開きます。

    [現在のバージョンの Schematics に移行] ダイアログ ボックス

  9. [出力先ジオデータベース、またはスケマティック データセット] エリアの右側にある [参照] ボタン [参照] ボタン をクリックし、ステップ 5 で作成したスケマティック データセットを選択して [選択] をクリックします。

    指定したスケマティック データセットが [出力スケマティック データセット名] フィールドに自動的に入力されます。

  10. スケマティック データセットの構成パラメータを移行する場合は、[出力動作] セクションの [定義] をオンにします。
  11. バージョン 10 より前のスケマティック データセットに含まれるスケマティック ダイアグラムを移行する場合は、[出力動作] セクションの [ダイアグラム] をオンにします。

    [フィルタの指定] および [属性の評価付き] チェックボックスが表示されます。

    1. 移行するスケマティック ダイアグラムをフィルタリングする場合、つまり、バージョン 10 より前のスケマティック ダイアグラムのサブセットを出力スケマティック データセットに移行する場合は、[フィルタの指定] をオンにします。

      [編集] ボタンが表示されます。このボタンをクリックすると、[ダイアグラムのフィルタ処理] ダイアログ ボックスが開き、移行するダイアグラムを決定する強力なフィルタリング ルールを構成できます。

      移行するダイアグラムを決定するフィルタの指定の詳細

      注意注意:

      移行するスケマティック データセットに多数のスケマティック ダイアグラムがある場合、ダイアグラムのフィルタリングを強くお勧めします。

    2. 移行されるダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャのすべてのスケマティック属性を移行処理中に評価する場合、[属性の評価付き] チェックボックスをオンのままにします。
      注意注意:

      スケマティック データセットの移行中の属性評価には時間がかかります。これは、スケマティック フィーチャクラスに多数の Query、Function、Formatted、Script タイプ属性が構成されている場合は特にそうです。このボックスをオフにすると、移行されるスケマティック フィーチャの Query、Function、Formatted、Script 属性を評価しないでダイアグラムを移行できます。ただし、これらの属性を持つフィーチャが含まれている、移行されたすべてのスケマティック ダイアグラムは、後で更新する必要があります。

      注意注意:

      スケマティック データセットの定義に Query、Function、Formatted、Script スケマティック属性がない場合は、[属性の評価付き] チェックボックスをオンのままにしてかまいません。この場合、このオプションがオンとオフのどちらであっても、移行にかかる時間は変わりません。

    注意注意:

    [定義][ダイアグラム] の両方のボックスがオンの場合、スケマティック データセットの構成パラメータとスケマティック ダイアグラムが移行されます。

    注意注意:

    移行するスケマティック データセットに多数のダイアグラムが含まれている場合、移行を 2 段階に分けて行うことを強くお勧めします。

    • フェーズ A - [定義] オプションだけをオンにして移行処理を実行し、スケマティック データセットの構成を最初に移行します。
    • フェーズ B - [ダイアグラム] オプションだけをオンにして、複数の移行処理を並列的に実行します。それぞれの並列移行処理は、ダイアグラムの異なるサブセットを処理します。
    大きなスケマティック データセットを移行するための推奨されるワークフローの詳細

  12. [OK] をクリックして確定します。

    [現在のバージョンの Schematics に移行] ダイアログ ボックスが開きます。ここでは、プロセス実行中の移行ステップの要約が表示されます。

  13. プロセスの終了時にこのダイアログ ボックスが自動的に閉じるようにするには、[正常に終了した場合、このダイアログを閉じる] チェックボックスをオンにします。または、移行の終了時に [閉じる] をクリックしてこのダイアログ ボックスを閉じます。

    バージョン 10 より前のスケマティック ダイアグラムが ArcMap で 開かれていて、そのダイアグラムでデフォルトのレイヤ プロパティが指定されている場合、このようなスケマティック ダイアグラムのデフォルトのレイヤ プロパティは移行後のスケマティック データセットで維持されます。

移行プロセスの詳細

関連トピック

5/10/2014