到達圏
概要
実際の道路ネットワークとおおよその運転時間を使用した到達圏を生成できます。ボロノイ分割商圏は、実際の顧客の移動手段が考慮されていません。ボロノイ分割商圏は直線距離に基づいていますが、実際の顧客はさまざまな道路を使用して、目的地にたどり着く必要があります。2 マイルの移動に 5 分かかる道路ネットワークもあれば、15 分かかる道路ネットワークもあります。
ピザの配達は、運転時間ポリゴンを使用するよい例です。会社が配達時間を合計 15 分以内に抑えたいなら、これは、各店舗から配達地点までの時間を 6 分に制限することを意味します(配達地点まで 6 分、配達現場で 3 分、戻るのに 6 分)。
運転時間商圏の他の例を以下に示します。
- 運転時間は都市におけるほとんどの移動を決定付ける要因です。見込み客は、2 マイル以内と宣伝された場所よりも、5 分以内と宣伝された場所のほうにより関心を示します。
- 機器の修理業者は、運転時間ポリゴンを使用して、サービス コールの総時間を見積もります。
- コーヒー専門のフランチャイズが、定義した最小人口が各店舗から 5 分以内に収まるように店舗の位置を特定します。この人口の閾値は、各運転時間ポリゴン内の競合店舗の数と場所にも左右されます。
- 到達圏解析により、運転時間(実際の道路ネットワーク運転距離による)、運転距離、到達圏境界の 3 タイプの結果が作成されます。
入力の前提条件
到達圏を適切に実行するには、ポイントの位置とルート検索サービスが必要です。
到達圏解析では、NAVTEQ_NA_ND を使用できます。ルート検索サービスは、Business Analyst のインストールに付属しており、C:\ArcGIS\Business Analyst\US_2012\Data\Streets Data\NAVTEQ_2011_Q4_NA.gdb\streets\ にあります。このサービスを設定するには、[初期設定] → [データセット] タブ → [道路ネットワーク] の順にクリックします。
出力例
以下の図は、赤い星印で表した開始位置の周辺に作成された到達圏エリアを示しています。黄色いポリゴンは、3 分以内に到着できる位置のエリアを表しています。赤いポリゴンは 5 分以内のエリアを表します。青いボックス内の閾値 5 分のエリアは、到達圏のホールです。到達圏には、道路セグメント タイプ、一方通行道路などによって、ホールがある場合があります。
[初期設定] → [運転時間] タブで、さまざまな設定を制御します。たとえば、速度制限をカスタマイズしたり、到達圏アルゴリズムを変更したり、速度単位を変更したりできます。
開始位置が到達圏エリア外になることもあります。これは、通過可能な道路セグメントから一定の距離内の位置にポイントが配置またはジオコーディングされる場合に起こります。到達圏エリアが、道路セグメント沿いの最も近いスナップされたポイントから開始されるため、開始ポイントがポリゴン外になる可能性があります。これは、比較的新しい商業開発地で、道路がない場合や、ポイントが道路から遠く離れた屋上にジオコーディングされる場合によくあるケースです。
Business Analyst のインストールには、3 つの到達圏アルゴリズムが用意されています。
- デフォルトのアルゴリズムは、ArcGIS Network Analyst extensionです。Business Analyst に ArcGIS Network Analyst extension ライセンスが付属しているため、ArcGIS Network Analyst extensionをスタンドアロンとして使用して、カスタマイズを実行できます。ただし、Network Analyst アルゴリズムは、到達圏、近接解析、スパイダー ダイアグラムなどの複数の Business Analyst 機能から直接使用できます。Network Analyst アルゴリズムを選択すると、多くの場合、非常に現実味のある到達圏境界が返されます。全国レベルの解析よりも地方レベルの解析の方が、パフォーマンスの効率が上がる可能性があります。
- Business Analyst Online API アルゴリズムは、一般にオンライン データへの接続に使用されます。この場合、Business Analyst Online API から同じ到達圏アルゴリズムが使用され、デスクトップ上に到達圏エリアが作成されます。
到達圏エリアの詳細