モザイク データセットへの軍事用データの作成と追加
軍事用ラスタ データでモザイク データセットを作成してデータを追加するワークフローは、他のタイプのラスタ データで作業する場合と同じです。ただし、モザイク データセットでの軍事用データの格納と使用を最大限に活用するには、ここで説明するプロパティと概念に注意する必要があります。モザイク データセットで一般的なデータを使用する方法については、「モザイク データセットの作成」と「リアルタイム処理と動的なラスタ モザイク処理」をご参照ください。
モザイク データセットの作成とモザイク データセットへのデータの追加に関するワークフローのヒント
まず、[モザイク データセットの作成（Create Mosaic Dataset）] ツールを使用して、モザイク データセットを作成する必要があります。次に、[モザイク データセットにラスタを追加（Add Rasters To Mosaic Dataset）] ツールを使用して、DTED、CADRG、または CIB をモザイク データセットに追加します。このツールは、フォルダ全体またはネストされたフォルダ階層をモザイク データセットに読み込みます。フォルダが複数の異なる場所にある場合は、複数の [モザイク データセットにラスタを追加（Add Rasters To Mosaic Dataset）] ツールを追加して 1 つのジオプロセシング モデルを作成することにより、単一のプロセスとして実行できます。
注意:RPF a.toc ファイルはモザイク データセットに追加できません。
バンド数とピクセル タイプ
[モザイク データセットの作成（Create Mosaic Dataset）] ツールを使用してモザイク データセットを作成する場合は、モザイク データセットでサポートするバンド数とピクセル タイプ（ビット深度）の値を指定できます。これらのオプション プロパティの値を指定する場合は、次の表に示す推奨値を使用してください。値を指定しない場合は、モザイク データセットに追加された 1 つ目のラスタ データセットと同じプロパティが、[モザイク データセットにラスタを追加（Add Rasters To Mosaic Dataset）] ツールによりモザイク データセットに割り当てられます。
Raster format | バンド数プロパティの推奨値 | ピクセル タイプ プロパティの推奨値 |
|---|---|---|
CADRG/ECRG | 3 | 8_BIT_UNSIGNED |
CIB | 3 | 8_BIT_UNSIGNED |
DTED | 1 | 16_BIT_SIGNED |
HRE | 1 | 32_BIT_FLOAT |
ラスタ タイプ
ラスタ タイプはメタデータを識別し、ラスタ形式の他にジオリファレンス、取得日付、センサ タイプなどが含まれます。モザイク データセットへの軍事用データの追加をサポートするために、ArcGIS には CADRG/ECRG、CIB、DTED、HRE および NITF データのラスタ タイプが含まれます。[モザイク データセットにラスタを追加（Add Rasters To Mosaic Dataset）] ジオプロセシング ツールを使用して軍事用ラスタ データを追加するときに、[ラスタ タイプ] ドロップダウン メニューから適切なラスタ タイプ（CADRG/ECRG、CIB、DTED、HRE、NITF）を選択します。これらの軍事用ラスタ タイプは、画像からメタデータ情報を抽出して属性テーブルに追加するだけではなく、特定のラスタ データの性質に合わせて作成される更新ロジックも定義します（このロジックは、上書きされるデータを決定するために使用されます）。メタデータの詳細については、「ファイル テーブルと LIDAR ラスタ タイプ」をご参照ください。ロジックの詳細については、「軍事用データを含むモザイク データセットの更新」をご参照ください。
統計情報とピラミッド
- モザイク データセットの統計情報の計算を推奨します。注意:
モザイク データセット統計情報は、モザイク データセットのオーバービューが作成される際に自動的に計算されます。
- CADRG/ECRG、CIB、DTED、HRE および NITF ソース データに基づいて統計情報を計算することは推奨しません。
- NITF データをモザイク データセットに追加する際は、[NITF] ラスタ タイプの [ストレッチ] 処理テンプレートを使用して、[ラスタ タイプ プロパティ] タブの [統計情報の推定] チェックボックスをオンにします。これにより、各ソース画像の統計情報を計算することなく、データの外観が改善されます。
- CADRG/ECRG、CIB、および DTED ソース データに基づいたピラミッドの構築は推奨しません。ただし、データのサイズに応じて NITF データおよび HRE データでピラミッドが必要となる場合があります。
ソース データに基づくピラミッドの構築は、[ピラミッドと統計情報の構築（Build Pyramids And Statistics）] ジオプロセシング ツールを使用して、データをモザイク データセットに追加する前に実行できます。または、[モザイク データセットにラスタを追加（Add Rasters To Mosaic Dataset）] ジオプロセシング ツールで [ラスタ ピラミッドの構築] チェックボックスをオンにして、データをモザイク データセットに追加するときに構築できます。
複数の解像度を持つラスタの格納
モザイク データセットでは、データの複数の解像度（ピクセル サイズ）を格納および管理できます。したがって、それぞれの解像度を格納するために、モザイク データセットを分けて作成する必要はありません。たとえば、CIB プロダクトの解像度はそれぞれ異なりますが、すべての CIB プロダクトを 1 つのモザイク データセットに格納できます。1 つのモザイク データセットにしかアクセスする必要がないため、すべての CIB プロダクトを 1 つのモザイク データセットに格納できる点で便利です。
座標系に関する注意事項
ソースのデータの座標系を考慮する必要があります。データに地理座標系ではなく投影座標系が使用されていることが強く推奨されます。モザイク データセットを使用すると、ソースのデータを投影する必要がないため、これが簡単になります。モザイク データセットには、ソースのデータと異なる座標系を使用することができます。したがって、たとえば、ソースの CADRG が地理座標系であっても、それを表示するために使用されるモザイク データセットに投影座標系を使用することができます。
利用可能なテンプレート
ArcGIS Resource Center の「Defense and Intelligence Community」ページには、Scanned Maps Template や Imagery Basemap Template など、CADRG/ECRG および CIB 形式からベースマップを作成するのに役立つデスクトップ アプリケーション テンプレートがあります。これらのテンプレートには、CADRG/ECRG、CIB、およびその他のモザイク データセットからベースマップを構築するために使用できるジオデータベース スキーマ、ツール、サンプル データ、およびドキュメントが含まれています。