空間統計ツールボックスの新機能
[空間統計] ツールボックスには、適切な解析の縮尺を選択するための [インクリメンタル空間的自己相関(Incremental Spatial Autocorrelation)] ツール、正しく指定した OLS モデルを特定するための [予備回帰分析(Exploratory Regression)] ツール、複数の属性、および空間と時間の両方のリレーションシップに基づきデータ内の自然なグルーピングを特定するための [グループ分析(Grouping Analysis)] ツールという 3 つの新しいツールが用意されています。バージョン 10.1 では、ツールの改善もいくつか行われており、たとえば [最小二乗法(Ordinary Least Squares)] に新しい PDF レポートが追加されたほか、[空間ウェイト マトリックスの作成(Generate Spatial Weights Matrix)] を使用して時空間のリレーションシップを作成できるようになりました。
ツールセットの変更内容
新しいツールセットは追加されませんでした。
新規ツール
ツールセット | ツール | 説明 |
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パターン分析ツールセット | インクリメンタル空間的自己相関(Incremental Spatial Autocorrelation) | 一連の距離の空間的自己相関を計測し、必要に応じて、これらの距離とそれに対応する Z スコアの折れ線グラフを作成します。Z スコアは、空間クラスタ化の強度を表し、統計的に有意な Z スコアのピークは、クラスタ化を促進する空間プロセスが最も顕著である距離を表します。これらの距離のピークは、多くの場合、[距離バンドまたは距離半径] パラメータを持つツールで使用する際に適した値となります。 |
クラスタ分析のマッピング ツールセット | グループ分析(Grouping Analysis) | フィーチャ属性およびオプションの空間的/時系列的制限に基づいてフィーチャをグループ化します。 |
空間関係のモデリング ツールセット | 予備回帰分析(Exploratory Regression) | 予備回帰分析ツールは入力された説明変数候補のすべての組み合わせを評価し、ユーザが指定する条件のコンテキスト内で従属変数を最もよく説明する OLS モデルを探します。 |
機能強化されたツール
ツール | 改善点 |
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クラスタ/外れ値分析(Cluster_and_Outlier_Analysis) |
出力データセットを必要に応じて元のデータセットに結合できるよう、派生出力 source_id が追加され、モデルで使用できるようになりました。 |
フィーチャ属性を ASCII にエクスポート(Export_Feature_Attribute_to_ASCII) | 新しいパラメータ [Add Field Names to Output] が追加され、フィールド名を出力テキスト ファイルに追加できるようになりました。 |
空間ウェイト マトリックスの作成(Generate Spatial Weights Matrix) | 新しいいくつかのパラメータを使用して、フィーチャ間のリレーションシップを空間と時間の両方で定義できるようになりました。時空間分析の場合は、[空間リレーションシップのコンセプト] パラメータについて、新たに追加された [SPACE_TIME_WINDOW] オプションを選択します。空間を定義するには、[閾値距離] の値を指定します。時間を定義するには、[日付/時間フィールド]、および [日付/時間のタイプ]([時間] または [日] など)と [日付/時間の間隔値] の両方を指定します。これらはいずれも新しいパラメータです。[日付/時間の間隔値] は整数です。たとえば、「1000」フィートと入力して、[時間] を選択し、[日付/時間の間隔値] に「3」と入力した場合は、1,000 フィート以内で 3 時間以内の間隔で発生するフィーチャが近接フィーチャと見なされます。 |
ホット スポット分析(Hot_Spot_Analysis) | 出力データセットを必要に応じて元のデータセットに結合できるよう、派生出力 source_id が追加され、モデルで使用できるようになりました。 |
最小二乗法(Ordinary Least Squares) | 新しいパラメータ [Output Report File] により、必要に応じて出力できる PDF レポートの場所をユーザが指定できるようになりました。新しい PDF レポートには、OLS 解析の結果と診断に加え、解釈に役立ついくつかのグラフィックスが含まれます。 |