ArcGlobe のグループ レイヤ キャッシュの使用について
ArcGlobe のグループ レイヤにはグループ レイヤ固有のキャッシュを設定できます。グループ レイヤ キャッシュは、子のキャッシュの代わりに使用する(グループ レイヤをラスタ化する)ことも、子のキャッシュと一緒に使用する(子のキャッシュをマージする)こともできます。いずれの場合も、グループ レイヤ キャッシュは子レイヤの結合図を表します。
グループ レイヤ キャッシュを使用すると、ArcGlobe で画面にレンダリングされるディスク キャッシュの数が減少するので、ArcGlobe のパフォーマンスが向上します。キャッシュのすべてのタイプと同様に、グループ レイヤ キャッシュのパフォーマンス上の利点は、エリアを再表示したときに明らかになります。
グループ レイヤのラスタ化
グループ レイヤのラスタ化では、子レイヤがグループ レイヤ用の単一キャッシュに統合され、すべてのレイヤが 1 つのキャッシュを持つ 1 つのイメージとしてレンダリングされます。ラスタ化したグループ レイヤ内の子レイヤもすべて、ラスタ化する必要があります。ラスタ化されていない子レイヤは、オプションを有効にしたときにラスタ化されます。この方法により、ArcMap の場合と同様にグループ レイヤが描画されます。
グループ レイヤのラスタ化は、背景の表示など、単一のユニットとして操作するグループ レイヤの場合に特に便利です。多数のレイヤを単一の代表ラスタに統合することにより、ディスクに格納されるキャッシュのサイズが減少し、1 つのレイヤのみを描画するだけで済むので、パフォーマンスが向上します。
単一のラスタ レイヤを使用することは、子レイヤが一部のレイヤ プロパティを共有するということです。特に、シンボル ポイント サイズと最小セル サイズは、グループを単一ラスタに統合するときに子レイヤの表示を大幅に変化させることがあります。問題を防ぐためには、グループ レイヤ キャッシュを作成する前に、すべての子レイヤに共通のシンボル ポイント サイズと最小セル サイズを設定します。
ラスタ化によってグループ レイヤを統合すると、コンテンツ ウィンドウの [タイプ別にリスト] ビューにグループ レイヤとして単一のレイヤが追加されます。ただし、すべての子レイヤは除外されます。子レイヤは、グループ レイヤの展開ツリーからアクセスできます。この展開ツリーは、 ボタンをクリックしてコンテンツ ウィンドウのモードを [グループ レイヤを含むリスト] に切り替えた場合のみ表示されます。子レイヤの表示設定はこのリストで切り替えることができますが、グループ レイヤの表示を変更するたびにグループ レイヤ キャッシュが無効になり、要求時に再生成されることになるので、表示設定の変更はできるだけ避ける必要があります。作成する子キャッシュがないので、これはコストが非常に大きくなることがあります。
子キャッシュのマージ
子キャッシュをマージすると、ラスタ化した個々の子レイヤの表示がグループ レイヤ用の単一の表示キャッシュに統合され、子レイヤが固有のキャッシュを保持し、管理することができます。このため、ArcGlobe に単一シンボルの描画レイヤを表示することで、レンダリング速度が向上します。
子キャッシュのマージは、ラスタ化しない 1 つ以上のレイヤを含むグループ レイヤの場合に便利です。たとえば、標高レイヤをグループ レイヤに入れることができます。ラスタ化したレイヤは最適化された方法でレンダリングされますが、ラスタ化していないレイヤは以前と同様に独立してレンダリングされます。
また、子キャッシュのマージは、道路のレイヤ用の複数の表示レベルなど、異なる距離の範囲で表示される一連のレイヤがある場合に効果的です。このオプションにより、各表示レベルについて個々のキャッシュを持つことができ、ArcGlobe に単一のレンダリング レイヤのみを送ることができます。
子キャッシュのマージによりグループ レイヤを統合すると、新規レイヤがコンテンツ ウィンドウのデフォルトの [タイプ別にリスト] ビューにグループ レイヤとして追加され、子レイヤは展開ツリーからアクセス可能になります。子レイヤの表示設定は引き続き切り替えることができますが、グループ レイヤの表示を変更するたびにグループ レイヤ キャッシュが削除され、要求時に再生成されることになるので、表示設定の変更はできるだけ避ける必要があります。ただし、子キャッシュは表示設定のステータスの影響を受けず、無効になるのは最終的にマージしたキャッシュのみなので、これはグループ レイヤのラスタ化よりもコストが小さくなります。