ダルシー フロー 解析とは

地下水解析ツールを使用すると、地下水の成分について初歩的な移流分散をモデル化することができます。ダルシー フロー 解析では、水頭が深さに依存しない場合での、2 次元の、垂直方向に混合された水平の、安定した状態でのフローをモデル化します。

ダルシー フロー解析

ダルシー フロー解析の目的は、2 つあります。1 つ目の目的は、地下水データセットの整合性をチェックし、地下水流向ベクトルを示すラスタを生成することです。標準の出力ラスタは地下水量収支残余ラスタで、各セルに流入する水と流出する水の差を示します。

フローの計算は、セルの 4 つの境界ごとに独立して実行されるので(フローは隣接セルとの差で規定される)、セルから流出するよりも多くの(または少ない)水が流入することがあり、その結果、水量収支残余が正(または負)になります。

ソースやシンクのないスムーズで一貫性のある入力ラスタでは、残余は小さい(0 に近い)値になります。大きい残余の値は、透水率、間隙率、および層厚のラスタに対して水頭ラスタが妥当でないことを示します。水頭ラスタの各セルには、地下水の水頭の高さの値があります。水頭は通常、平均海面など、あるデータからの高さです。大きい残余が出力される場合、入力データに一貫性がなく、意味のない結果が生成されることがあります。

ダルシー フロー解析の 2 つ目の目的は、ダルシーの法則(後述)を使用してフロー フィールドを算出することです。フロー フィールドは、地下水流の浸透速度のベクトル フィールドで、強さと方向の 2 つのラスタで表されます。

地下水流をモデル化する最初のステップは、フロー フィールドの各ポイントにおける流れの速度と方向を決定することです。[ダルシー フロー(Darcy Flow)] はこれを行い、各セルの水量収支を計算します。水量収支は、井戸、浸透、漏出などのソースやシンクがなければ小さくなります。水量収支残余が 0 の場合、セルへの流入量と流出量が等しいことを示します。フロー フィールドは安定している(時間で一定)と仮定されます。地下水水理の詳細な解説は、Bear(1979)、Freeze と Cherry(1979)、Marsily(1986)などの文献に記載されています。

ダルシー フロー

[ダルシー フロー(Darcy Flow)] の標準の出力は地下水量収支残余ラスタで、各セルに流入する水と流出する水の差を示します。残余は、地下水データセットの整合性をチェックするために使用されます。

フローの計算はセルの 4 つの境界ごとに独立して実行されるので(フローは隣接セルとの差で規定される)、セルから流出するよりも多くの(または少ない)水が流入することがあり、その結果、水量収支残余が正(または負)になります。

井戸、浸透、漏出などのソースやシンクのないスムーズで一貫性のある入力ラスタでは、残余は小さい(0 に近い)値になります。大きい残余の値は、透水率、間隙率、および層厚のラスタに対して水頭ラスタが妥当でないことを示します。そのような場合は、入力データに一貫性がなく、意味のない結果が生成されることがあります。

[ダルシー フロー(Darcy Flow)] は、次のセクションで説明するように、必要に応じて [ダルシー流速(Darcy Velocity)] の出力を作成できます。

ダルシー流速

[ダルシー流速(Darcy Velocity)] は、ダルシーの法則を使用してフロー フィールドを計算します。フロー フィールドは、地下水流の浸透速度のベクトル フィールドです。

フロー速度は、強さと方向の 2 つのラスタで表されます。

[ダルシー流速(Darcy Velocity)] は、[ダルシー フロー(Darcy Flow)] の水量収支残余が必要ない場合に役立ちます。

参考文献

Bear, J. Hydraulics of Groundwater.McGraw-Hill.1979.

Freeze, R. A., and J. A. Cherry. Groundwater.Prentice-Hall.1979.

Marsily, G. de. Quantitative Hydrogeology.Academic Press. 1986.

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9/17/2013