Tracking Analyst とは
ArcGIS Tracking Analyst エクステンションは、時間の経過につれて状態が移動または変化するオブジェクトをマッピングように設計されています。Tracking Analyst を使用すると、次の操作を行うことができます。
- 日付と時刻(時系列データ)を含む地理データをトラッキング レイヤとしてマップに追加して活用します。
- オブジェクトをリアルタイムに追跡します。Tracking Analyst では、GPS(Global Positioning System)装置とその他の追跡および監視装置へのネットワーク接続がサポートされているため、リアルタイムでデータをマッピングできます。
- タイム ウィンドウなどの特別なオプションを使用して、時間とともに変化するデータを表示して、時系列データをシンボル表示します。
- Tracking Analyst プレイバック マネージャを使用して時系列データを再生します。データは速度を変えて順方向と逆方向に再生できます。
- データ クロックを作成して、時系列データのパターンを分析します。
- 時系列データのアクションを作成し適用します。
- Tracking Analyst の [アニメーション] ツールを使用してデータのアニメーションを作成します。
- ArcGlobe を使用してトラッキング データを 3D 表示します。
トラッキング レイヤとしての時系列データの追加
時系列データとは、時間情報を含むジオグラフィック データです。[テンポラル データの追加ウィザード] を使用すると、ほぼあらゆる種類のテンポラル ジオグラフィック データをトラッキング レイヤとしてマップに追加できます。マップに時系列データを追加すると、Tracking Analyst に用意されたシンボル オプションと分析ツールを使用してデータを活用できます。
リアルタイム トラッキング
ArcGIS Tracking Analyst エクステンションを使用すると、トラッキング サービスまたは GPS 装置への接続を作成できます。これにより、リアルタイム 時系列データをストリーミングして、イベントが発生したときにイベントを追跡できます。ArcCatalog を使用すると、リアルタイム トラッキング接続をセットアップして、データを直接 ArcMap または ArcGlobe に追加し、データをマップに表示したり再生したりできます。
時系列データのシンボル表示
Tracking Analyst には、トラッキング データを活用するシンボル オプションが豊富に用意されています。タイム ウィンドウを作成して、データをさまざまな色、サイズ、形状で表示できます。個々のエンティティの動きを示すトラック ラインを使用して、追跡されたオブジェクトのパスを表示できます。方向ベクトルを表示して追跡されたオブジェクトの行き先を示し、ラベル トラッキング イベントの属性を最大 6 個表示することもできます。
テンポラル データの再生
Tracking Analyst のプレイバック マネージャを使用して、トラッキング データを再生し、時間の経過にともなう変化を確認できます。プレイバック マネージャを使用すると、過去の再生ウィンドウを指定してデータを再生したり、データセット全体を再生したりできます。データは順方向または逆方向に再生できます。再生速度を変更したり、ストリーミング中にリアルタイムで収集したデータを再生することもできます。
時系列データのチャート作成
Tracking Analyst のプレイバック マネージャでデータの時間分布を確認できますが、データ クロック チャートはさらに一歩進んだ機能です。データの時間分布を 2 つの次元で表示でき、他の方法では見過ごす可能性のあるデータのパターンを見つけることができます。データ クロック チャートをまとめるさまざまな方法を選択し、分析をもっと簡単に行うのに役立つ凡例とラベルの付いたチャートを表示できます。また、データ クロック マネージャを使用して、データ クロック チャートを管理することもできます。
時系列データの処理
Tracking Analyst では、データの属性と位置に基づいてデータのカスタム処理を実行するアクションを使用できます。アクションは、ArcMap と ArcGlobe 上にあるトラッキング レイヤに使用でき、ArcCatalog でリアルタイム トラッキング サービスに対してアクションを作成して、そのアクションをサーバのデータ ストリームに適用することもできます。使用可能なアクションには、データ表示のハイライト表示と抑制、データセットのデータのフィルタリング、電子メール通知の送信、データ サマリ レポートの作成などがあります。Microsoft Visual Basic(VB)を使用してリアルタイム レイヤにカスタム アクションを適用することもできます。アクションのトリガは、属性クエリ、ロケーション クエリ、または両者の組み合わせを使用して定義できます。
アニメーションの作成
[アニメーション] ツールを使用して、ArcMap で再生されるトラッキング データのアニメーションを作成できます。これにより、Web サイトで配布したり電子メールに添付したりできるアニメーションを使用して、トラッキング データを他人と共有することができます。
時系列データの 3D 表示
ArcGIS 3D Analyst エクステンションおよび ArcGlobe を使用すると、時系列データを 3 次元に切り替えて表示および解析することができます。ArcGlobe では、リアルタイム データ、固定タイム データ、データの再生、アクション、トラッキング シンボルなど、ArcMap で使用可能な大部分のツールがサポートされています。ArcGlobe には、Tracking Analyst で用意されているトラッキング レイヤ向けの独自のシンボル オプションも含まれます。
その他のトラッキング ツール
Tracking Analyst を使い始めると気が付く利用可能なトラッキング ツールは他にもあります。たとえば、[トラックの追跡] ツールは、時間順にフィーチャをたどって、トラッキング レイヤのイベントを照会する強力な手段です。[トラックの追跡] ツールは他にも高度な機能を備えています。