スケマティック ダイアグラムの解析

ArcMap および ArcCatalog には、スケマティック ダイアグラムのコンテンツを解析する際に役立つさまざまなコマンドが用意されています。ダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャを調査する際に使用するツールやコマンドのほか、スケマティック ダイアグラムをトレースし、その接続性プロパティをハイライトするためのツールやコマンドがあります。次のセクションでは、それらのツールやコマンドについて詳しく説明します。

スケマティック ダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャの調査

スケマティック フィーチャの個別属性の表示

ArcMap および ArcCatalog に用意されている標準の [個別属性] ツールは、スケマティック ダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャの個別属性を表示し、関連するオブジェクトを調査する際に使用します。スケマティック フィーチャで [個別属性] ツールを使用すると、次の情報を確認することができます。

• クリックしたスケマティック フィーチャのすべてのスケマティック属性
• 関連付けられた実際のフィーチャ/オブジェクトから取得された属性（そのようなフィーチャ/オブジェクトがある場合）
• 関連するフィーチャから取得された属性（個別属性を表示したスケマティック フィーチャが他のフィーチャに関連している場合）

[個別属性] ツールの使用の詳細

スケマティック フィーチャの調査

ArcMap でスケマティック ダイアグラムを開くと、スケマティック レイヤに表示されます。このスケマティック レイヤを構成するフィーチャ レイヤの属性テーブルを使用すると、スケマティック ダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャに関する情報の取得、スケマティック フィーチャの属性の解析、クエリの実行、選択、グラフの作成などを行う簡単に行うことができます。属性テーブルの使用の詳細については、「ArcMap でのテーブルの追加と表示」の「ArcMap でのテーブルの表示」および関連するトピックをご参照ください。

マップへのスケマティックの選択セットの反映

[スケマティックの選択セットをマップに反映] コマンドは、[スケマティック] ツールバーから使用できる特殊な Schematics コマンドです。このコマンドは、アクティブなスケマティック ダイアグラムで現在選択されているスケマティック フィーチャと関連付けられているすべての地理フィーチャを検索して特定し、それらをマップ内で選択する際に便利です。

反対に、 [マップの選択セットをスケマティックに反映] コマンドを使用すると、マップで選択されている地理フィーチャを、開いているスケマティック ダイアグラムに反映することができます。

これらのコマンドの詳細については、「ArcMap のスケマティック ツールバーから使用可能なツールとコマンド」の「関連付けられている地理フィーチャまたはスケマティック フィーチャを検索するコマンド」をご参照ください。

スケマティック解析トレース タスクの実行によるスケマティック ダイアグラムのコンテンツの解析

[スケマティック ネットワーク解析] ツールバーには、一連のスケマティック解析トレース タスクが再編成されています。これらのタスクは、アクティブなスケマティック ダイアグラムに対して実行でき、スケマティック ダイアグラムのコンテンツを解析する際に役立ちます。適用できるスケマティック解析トレース タスクには、次の 4 つがあります。

• 接続解析
• パス解析
• ループ解析
• 重複リンク解析

各タスクの結果は選択セットとして返されます。したがって、ダイアグラムで編集セッションを開始した後、スケマティック調整ツールを使用したり、スケマティック レイアウトを適用したりして、返されたスケマティック フィーチャを直接処理することができます。

スケマティック解析トレース タスクの実行の詳細

接続解析スケマティック解析トレース タスク

接続解析スケマティック解析トレース タスクは、アクティブなダイアグラム内の特定のスケマティック ノードに接続されているすべてのスケマティック フィーチャを返します。接続解析スケマティック解析トレース タスクを実行する際には、アクティブなダイアグラムで、トレース タスクの処理を開始するスケマティック ノードを選択する必要があります。接続解析スケマティック解析トレース タスクの [プロパティ] タブでは、トレース タスクでフロー方向を考慮するかどうかを指定できます。

アクティブなダイアグラムで複数のスケマティック ノードを選択した場合、選択した各ノードが、接続解析スケマティック解析トレース タスクを開始するルートとみなされます。接続解析スケマティック解析トレース タスクの実行時にダイアグラムでスケマティック リンクを選択した場合は、選択したリンクがバリアとみなされ、そのリンクを超えると、トレースの実行が中止されます。

注意:

バリアとして処理するように選択したリンクは、処理の終了時に結果の選択セットから削除されます。解析トレース タスクによって検出されたスケマティック フィーチャのみが選択されます。

接続解析トレース タスクのプロパティの詳細

パス解析スケマティック解析トレース タスク

パス解析スケマティック解析トレース タスクは、アクティブなダイアグラムに表示されているスケマティック ネットワークの 2 つのスケマティック ノード間の最短パスを検出するために使用します。パス解析スケマティック解析トレース タスクを実行する際には、トレース タスクの処理を行う始点および終点のスケマティック ノードをアクティブなダイアグラムで選択する必要があります。

アクティブなダイアグラムで 3 つ以上のスケマティック ノードが選択されている場合、このスケマティック解析トレース タスクは実行できません。パス解析スケマティック解析トレース タスクの実行時にダイアグラムでスケマティック リンクを選択した場合は、選択したリンクがバリアとみなされ、そのリンクを超えると、トレースの実行が中止されます。

注意:

バリアとして処理するように選択したスケマティック リンクは、処理の終了時に結果の選択セットから削除されます。解析トレース タスクによって検出されたスケマティック フィーチャのみが選択されます。

パス解析トレース タスクのプロパティの詳細

ループ解析スケマティック解析トレース タスク

ループ解析スケマティック解析トレース タスクは、アクティブなスケマティック ダイアグラム内のすべてのループを検出します。

ループ解析スケマティック解析トレース タスクの実行時にダイアグラムでスケマティック リンクを選択した場合は、選択したリンクがバリアとみなされ、そのリンクを超えると、トレースの実行が中止されます。

注意:

バリアとして処理するように選択したスケマティック リンクは、処理の終了時に結果の選択セットから削除されます。解析トレース タスクによって検出されたスケマティック フィーチャのみが選択されます。

ループ解析トレース タスクのプロパティの詳細

重複リンク解析スケマティック解析トレース タスク

重複リンク解析スケマティック解析トレース タスクは、アクティブなスケマティック ダイアグラム内で重なり合っているすべてのスケマティック リンクを検出します。2 つのスケマティック リンクが次の 3 つの条件を満たしている場合、重なっているものとみなされます。

1. 同じスケマティック ノードに接続している。
2. 頂点の数が同じである。つまり、リンクの中間点の数が同じである。
3. すべての頂点が重なっている。

条件 1 と 2 は必須です。条件 3 については、完全には重なっていない頂点を重なっているものとみなす距離をパラメータで指定できます。

ヒント:

スケマティック ダイアグラムで編集セッションを開始した後、重複リンクの切り離しスケマティック レイアウト アルゴリズムを結果の選択セットに適用すると、検出された重複リンクを切り離すことができます。

重複リンク解析トレース タスクのプロパティの詳細

重複リンクの切り離しスケマティック レイアウト アルゴリズムの詳細