モザイク データセットの同期(Synchronize Mosaic Dataset) (データの管理)
サマリ
モザイク データセット内の各ラスタ アイテムを再構築および更新し、初回追加時に使用されたラスタ タイプとオプションを使って、属性テーブル内の影響を受けるフィールドを更新します。
同期は一方通行の操作で、ソース データの変更をモザイク データセットの属性テーブルに同期させることはできますが、属性テーブルの変更はソース データに影響しません(ただし、同期によって上書きされる可能性はあります)。
同期により加えられる変更は、元に戻すことができません。上書きされる可能性のあるモザイク データに変更を加える場合は、バックアップ コピーを作成しておくことをお勧めします。
使用法
-
このツールと一緒に選択セットを使用して、更新されるラスタ アイテムを制限することができます。選択セットまたはクエリがある場合、それらのアイテムだけが処理されます。
同期では、新しいアイテムの追加、既存アイテムの更新、アイテムの削除ができます。
古くなったアイテムとは、モザイク データセットが作成されてから、またはモザイク データセットが最後に同期されてから変更されたソース ラスタを指します。たとえば、ジオリファレンスが更新されたり、ピラミッドが構築されたりする可能性があります。
ラスタ アイテムは再構築されるため、最後に構築されてから加えられたこれらのアイテムに対する変更(属性テーブル内の関数やコンテンツの編集など)は失われます。
リンクの切れたデータ ソースを持つアイテムを削除する場合は、すべてのネットワーク接続が正しく動作していることを確認してください。このツールは、アクセスできないすべてのアイテムを削除します。
また、このツールを使用して、ピラミッドの構築、ソース ラスタの統計情報の計算、ラスタ アイテムのサムネイルとラスタ キャッシュの作成もできます。
このツールは、モザイク データセットを最新の状態に保つ場合に、特に便利です。そのモザイク データセットがアクセスするワークスペースに新しいラスタ データセットが追加された場合、その新しいラスタ データセットをモザイク データセットに追加できます。外部管理のデータベースにあるテーブルを使って設定されたモザイク データセットを、このツールを使って更新することもできます。
同期が完了すると、操作が [モザイク データセット オプション] にリストされます。
このツールを使用して、モザイク データセット内のアイテムにキャッシュを生成することができます。LAS ファイル、LAS データセット、テレインの各データから作成されるアイテムは、必ずキャッシュできます。また、ラスタ キャッシュ関数を使用してアイテムをキャッシュすることもできます。
構文
パラメータ | 説明 | データ タイプ |
in_mosaic_dataset |
モザイク データセットのパスおよび名前。 | Mosaic Layer |
where_clause (オプション) |
SQL を使用して、クエリを定義するか、[検索条件設定] でクエリを作成することができます。 | SQL Expression |
new_items (オプション) | モザイク データセットを、新しく追加したアイテムと同期させるかどうかを選択します。このオプションを選択した場合、アイテムのワークスペースから新しいデータを検索します。データがモザイク データセットに追加されると、そのモザイク データセットは、同じワークスペース内の他のアイテムと同じラスタ タイプを使用します。 新しいアイテムを使って更新する場合、必要に応じて、セル サイズ範囲、境界、オーバービューを更新するかどうかを選択できます。
| Boolean |
sync_only_stale (オプション) |
すべてのプライマリ アイテムを更新するか、古くなったプライマリ アイテムだけを更新するかを選択します。 アイテムが古くなったと見なされるのは、それに対応するラスタ値の構築に使用されたソース ファイルが、アイテムの作成後に変更された場合です。たとえば、ジオリファレンスが更新されたり、ピラミッドが構築されたりする可能性があります。
| Boolean |
update_cellsize_ranges (オプション) | セル サイズ範囲を更新するかどうかを選択します。
| Boolean |
update_boundary (オプション) | 境界線を更新するかどうかを選択します。
| Boolean |
update_overviews (オプション) | 古くなったオーバービューを更新するかどうかを選択します。元となるラスタが変更された場合、オーバービューは古くなります。
| Boolean |
build_pyramids (オプション) |
指定されたモザイク データセット アイテムのピラミッドを構築するかどうかを選択します。モザイク データセットのラスタ アイテムごとにピラミッドを構築できます。ピラミッドは、各ラスタが表示される速度を向上します。
新しく追加されるアイテムがこのツールを実行しているのと同じインスタンスに追加される場合、そのアイテムのピラミッドは構築されません。 | Boolean |
calculate_statistics (オプション) |
指定されたモザイク データセット アイテムの統計情報を計算するかどうかを選択します。モザイク データセットのラスタ アイテムごとに統計情報を計算できます。コントラスト ストレッチの適用などの特定のタスクを実行するには、モザイク データセットに統計情報が必要です。
新しく追加されるアイテムがこのツールを実行しているのと同じインスタンスに追加される場合、そのアイテムの統計情報は計算されません。 | Boolean |
build_thumbnails (オプション) |
指定されたモザイク データセット アイテムのサムネイルを構築するかどうかを選択します。サムネイルは小さなサイズにリサンプリングされた画像で、モザイク定義のラスタ アイテムごとに作成できます。サムネイルにアクセスできるのは、モザイク データセットがイメージ サービスとしてアクセスされた場合であり、メタデータ(アイテムの説明)の一部として表示されます。
新しく追加されるアイテムがこのツールを実行しているのと同じインスタンスに追加される場合、そのアイテムのサムネイルは構築されません。 | Boolean |
build_item_cache (オプション) | 指定されたモザイク データセット アイテムのキャッシュを構築するかどうかを選択します。キャッシュは、LAS、テレイン、LAS データセットの各ラスタ タイプを使用してデータを追加したときに作成できます。また、ラスタ キャッシュ関数を使用してアイテムをキャッシュすることもできます。
新しく追加されるアイテムがこのツールを実行しているのと同じインスタンスに追加される場合、そのアイテムのキャッシュは構築されません。 | Boolean |
rebuild_raster (オプション) | 元のラスタ タイプを使用してラスタ アイテムをデータ ソースから再構築するかどうかを選択します。
これは、同期されるアイテムだけに影響します。UPDATE_WITH_NEW_ITEMS が選択されている場合、このパラメータは適用されません。 | Boolean |
update_fields (オプション) | テーブル内のフィールドを更新するかどうかを選択します。これは、同期されるアイテムだけに影響します。
フィールドを更新する場合、fields_to_update パラメータでアイテムを選択することで、更新するフィールドを制御することができます。いくつかのフィールドを編集した場合、fields_to_update パラメータでそれらの選択を解除できます。 | Boolean |
fields_to_update [field_to_update,...] (オプション) | 更新するフィールドを指定します。 このパラメータは、update_fields パラメータのオプションが UPDATE_FIELDS である場合にのみ有効です。 いくつかのフィールドを編集した場合、それらがリストされていないことを確認します。 RASTER 列は、REBUILD_RASTER キーワードが使用されていない場合でも更新できます。ただし、REBUILD_RASTER が使用されている場合、RASTER 列はこのフィールドが指定されていない場合でも再構築されます。 | String |
existing_items (オプション) | モザイク データセット内の既存のアイテムを更新するかどうかを選択します。 このオプションを選択した場合、更新する既存のパラメータ(sync_only_stale、build_pyramids、calculate_statistics、build_thumbnails、build_item_cache、update_raster、update_fields、fields_to_update)を選択できます。.
| Boolean |
broken_items (オプション) | 切れたリンクを削除するかどうかを選択します。 すべてのネットワーク接続が正しく動作していることを確認してください。このツールは、アクセスできないすべてのアイテムを削除します。
| Boolean |
コードのサンプル
これは SynchronizeMosaicDataset(モザイク データセットの同期)の Python サンプルです。
import arcpy
arcpy.SynchronizeMosaicDataset_management("c:/data/syncmd.gdb/md", "Year>1999", \
"NO_NEW_ITEMS", "SYNC_STALE", "#", \
"#", "#", "NO_PYRAMIDS", "NO_STATISTICS", \
"NO_THUMBNAILS", "NO_ITEM_CACHE", \
"NO_RASTER", "NO_FIELDS", "#")
これは SynchronizeMosaicDataset(モザイク データセットの同期)の Python スクリプト サンプルです。
#============================
#Synchronize Mosaic Dataset
'''Usage: SynchronizeMosaicDataset_management(in_mosaic_dataset, {where_clause}, {NO_NEW_ITEMS |
UPDATE_WITH_NEW_ITEMS}, {SYNC_STALE | SYNC_ALL},
{UPDATE_CELL_SIZES | NO_CELL_SIZES}, {UPDATE_BOUNDARY |
NO_BOUNDARY}, {NO_OVERVIEWS | UPDATE_OVERVIEWS},
{NO_PYRAMIDS | BUILD_PYRAMIDS}, {NO_STATISTICS |
CALCULATE_STATISTICS}, {NO_THUMBNAILS |
BUILD_THUMBNAILS}, {NO_ITEM_CACHE | BUILD_ITEM_CACHE},
{UPDATE_RASTER | NO_RASTER}, {UPDATE_FIELDS | NO_FIELDS},
{fields_to_update;fields_to_update...},
{UPDATE_EXISTING_ITEMS | IGNORE_EXISTING_ITEMS},
{IGNORE_BROKEN_ITEMS | REMOVE_BROKEN_ITEMS})
'''
try:
import arcpy
arcpy.env.workspace = r"C:/Workspace"
# Synchronize source and add new data
mdname = "syncmd.gdb/mdnew"
query = "#"
updatenew = "UPDATE_WITH_NEW_ITEMS"
syncstale = "SYNC_STALE"
updatecs = "#"
updatebnd = "#"
updateovr = "#"
buildpy = "NO_PYRAMIDS"
calcstats = "NO_STATISTICS"
buildthumb = "NO_THUMBNAILS"
buildcache = "NO_ITEM_CACHE"
updateras = "NO_RASTER"
updatefield = "NO_FIELDS"
fields = "#"
arcpy.SynchronizeMosaicDataset_management(mdname, query, updatenew, syncstale,
updatecs, updatebnd, updateovr, buildpy,
calcstats, buildthumb, buildcache,
updateras, updatefield, fields)
# Synchronize data item after Year 1999
# Add new data if available from the source
# Do not update fields from source raster
mdname = "syncmd.gdb/md"
query = "Year>1999"
updatenew = "NO_NEW_ITEMS"
syncstale = "SYNC_STALE"
updatecs = "#"
updatebnd = "#"
updateovr = "#"
buildpy = "#"
calcstats = "#"
buildthumb = "BUILD_THUMBNAILS"
buildcache = "#"
updateras = "NO_RASTER"
updatefield = "NO_FIELDS"
fields = "#"
arcpy.SynchronizeMosaicDataset_management(mdname, query, updatenew, syncstale,
updatecs, updatebnd, updateovr, buildpy,
calcstats, buildthumb, buildcache,
updateras, updatefield, fields)
# Synchronize LAS mosaic dataset and build cache
# Rebuild raster item from source data and do not update Point Spacing
mdname = "syncmd.gdb/lasmd"
query = "#"
updatenew = "NO_NEW_ITEMS"
syncstale = "SYNC_ALL"
updatecs = "#"
updatebnd = "#"
updateovr = "#"
buildpy = "#"
calcstats = "#"
buildthumb = "BUILD_THUMBNAILS"
buildcache = "BUILD_ITEM_CACHE"
updateras = "UPDATE_RASTER"
updatefield = "UPDATE_FIELDS"
fields = "PointCount;Version;ZMax;ZMin"
arcpy.SynchronizeMosaicDataset_management(mdname, query, updatenew, syncstale,
updatecs, updatebnd, updateovr, buildpy,
calcstats, buildthumb, buildcache,
updateras, updatefield, fields)
# Remove broken items from mosaic dataset
mdname = "syncmd.gdb/mdbroken"
query = "#"
updatenew = "NO_NEW_ITEMS"
syncstale = "SYNC_STALE"
updatecs = "#"
updatebnd = "#"
updateovr = "#"
buildpy = "#"
calcstats = "#"
buildthumb = "#"
buildcache = "#"
updateras = "#"
updatefield = "#"
fields = "#"
updateexist = "IGNORE_EXISTING_ITEMS"
removebroken = "REMOVE_BROKEN_ITEMS"
arcpy.SynchronizeMosaicDataset_management(mdname, query, updatenew, syncstale,
updatecs, updatebnd, updateovr, buildpy,
calcstats, buildthumb, buildcache,
updateras, updatefield, fields, updateexist,
removebroken)
except:
print "Synchronize Mosaic Dataset example failed."
print arcpy.GetMessages()