SIDC からの軍事関連フィーチャの作成

一般的に、軍事関連フィーチャをマップに追加するには、ArcGIS.com の Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで提供されているフィーチャ テンプレートを使用します。これらのフィーチャ テンプレートを通じてフィーチャを追加する際、SIDC(Symbol Identification Code)は必要ありません。

ただし、SIDC のみを把握している場合に、マップ上にその SIDC からシンボルを作成したい場合もあります。また、ArcGIS によって SIDC がどのシンボルに変換されるのかを把握したい場合もあります。いずれの場合も、次の手順が役立ちます。この手順では、SIDC から ArcMap の軍事関連フィーチャを手動で作成する方法について説明します。手順は 3 つの主なタスクで構成されています。

フィーチャ テンプレートの存在有無の確認

Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージには、多くの事前定義済みのフィーチャ テンプレートが付属しています。部隊を除き、ArcGIS でサポートされている軍事仕様に定義されているほとんどの軍事関連フィーチャには、対応するフィーチャ テンプレートがメインの Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージ(Military Overlay レイヤ パッケージ)に存在します。次の手順では、使用しているレイヤ パッケージにフィーチャ テンプレートが存在するかどうかを確認する方法について説明します。

手順:
  1. ArcMap で Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージをまだ開いていない場合は、マップに追加する軍事関連フィーチャのタイプに最も近い説明がされている Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージを開きます。Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージの説明と、ArcMap でこのパッケージを開く手順については、「軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージを開く」をご参照ください。
  2. Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージ内で SIDC に適切なレイヤを決定します。詳細については、「フィーチャに使用するレイヤの識別」をご参照ください。
  3. 編集セッションを開始します

    [フィーチャ作成] ウィンドウが表示され、コンテンツ ウィンドウ内のレイヤのすべてのフィーチャ テンプレートが表示されます。

  4. [フィーチャ作成] ウィンドウの検索ボックスに、作成する軍事関連フィーチャの名前を入力します。たとえば、陸上車両や発射支援基地を作成するとします。メインの Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージ(Military Overlay パッケージ)を使用している場合、発射支援基地は結果を返しますが、陸上車両は結果を返しません。検索ボックスは、フィーチャ テンプレートが作成された際にそのフィーチャ テンプレートに配置されたタグによって、結果を返すことができます。部隊、装備、および施設シンボルには、専用に作成されたフィーチャ テンプレートがありません。これは、シンボルの数が大量になり、シンボル修飾子によるバリエーションが多岐にわたるためです。陸上車両をマップに追加する場合は、次の手順を使用して専用のフィーチャ テンプレートを作成する必要があります。それ以外の場合は、「SIDC からの軍事関連フィーチャの作成」に進んでください。

フィーチャ テンプレートの作成

前の手順でフィーチャ テンプレートが見つからなかった場合は、この手順を使用してフィーチャ テンプレートを作成します。この手順では、シンボルのベースを作成し、次にその修飾子を追加する方法について説明します。部隊の場合、この手順を使用するのが一般的です。

手順:
  1. ArcMap のコンテンツ ウィンドウで、上記の手順 2 で指定したレイヤを右クリックし、[フィーチャの編集] [フィーチャの新規タイプの定義] の順にクリックします。

    [新規フィーチャ タイプの定義] ウィザードが表示されます。

  2. [新規フィーチャ タイプの定義] ウィザードの最初のパネルで、[シンボルの変更] ボタンをクリックします。

    [シンボル選択] ダイアログ ボックスが表示されます。

  3. SIDC コードが示すフィーチャのタイプがわかっている場合(装甲歩兵車両など)は、そのタイプを検索ボックスに入力します。タイプがわからない場合は、SIDC の最初の 10 文字(桁)のうち、わかっている文字(桁)をすべて検索ボックスに入力します。11 ~ 15 番目の文字は基本シンボルには適用されません。

    ArcGIS がサポートしている軍事仕様内の各シンボルの場合、1 ~ 10 番目の文字がタグとして、関連付けられている軍事関連スタイル ファイルに含められます。

    次の画像に示すように、入力した条件を満たす基本シンボルが検索結果エリアに表示されます。

  4. 目的のシンボルをクリックします。次の画像は、最初の 8 文字が「SFGPEVAI」である SIDC の検索結果を示しています。[シンボル選択] ダイアログ ボックス
  5. SIDC コードのシンボル修飾子の桁(11 番目または 12 番目の桁)に値が存在し、作成しているフィーチャ テンプレートにそれらの値を追加する場合は、手順 6 に進みます。それ以外の場合は手順 12 に進みます。
  6. [シンボルの編集] ボタンをクリックします。
  7. [シンボル プロパティ エディタ] ウィンドウで、[レイヤのインポート] ボタンをクリックします。シンボル プロパティ エディタ

    2 番目の [シンボル選択] ダイアログ ボックスが表示されます。

  8. SIDC 内の修飾子の値が示す内容がわかっている場合は、それを検索ボックスに入力します。たとえば、SIDC が「SFGPEVAI--MOUSG」で、「MO」(11 番目および 12 番目の桁にある文字)がクロス カントリー性能が限られている装輪車両を示すことがわかっている場合は、「Wheeled (Limited Cross Country)」と入力します。また、検索ボックスに「S----------MO」と入力することで、SIDC のシンボル修飾子の部分を使用した検索もできます。
  9. 検索結果エリアで必要な修飾子をクリックし、[OK] をクリックします。
  10. [OK] をクリックして [シンボル プロパティ エディタ] を閉じます。
  11. [OK] をクリックして [シンボル選択] ダイアログ ボックスを閉じます。
  12. [新規フィーチャ タイプの定義] ウィンドウで、必要に応じて名前、説明、およびタグを追加します。名前、説明、およびタグは、フィーチャ テンプレートの検索可能なプロパティとなります。
  13. [完了] ボタンをクリックして、フィーチャ テンプレートを [フィーチャ作成] ウィンドウに追加します。

マップ上のフィーチャの作成

ここでは、マップ上にフィーチャ テンプレートに基づいたフィーチャを作成する方法について説明します。

手順:
  1. フィーチャを追加するレイヤを右クリックし、[フィーチャの編集][編集の開始] の順に選択します。たとえば、Military Overlay レイヤ パッケージで利用可能な Friendly Operations Line レイヤにフィーチャを追加するとします。

    [フィーチャ作成] ウィンドウが表示されます。

  2. ライン フィーチャ用のシンボルを作成するには、まず SIDC、フィーチャ テンプレート名、またはフィーチャ テンプレートのタグの 1 つを検索します。たとえば、友軍部隊の前線用のシンボルを作成するには、[フィーチャ作成] ウィンドウで「GFGPGLF---」または「Forward Line of Own Troops」を検索します。検索ボックスにシンボル ID コードが入力された [フィーチャ作成] ウィンドウ

    ArcGIS for Defense and Intelligence グループ ページに存在するすべてのフィーチャ テンプレートに標準アイデンティティの桁の値がタグ付けされているため、SIDC で戦術グラフィックスを検索する際は、標準アイデンティティの桁に有効な文字を含める必要があります。

  3. [作図ツール] ウィンドウでツールをクリックします。
  4. カーソルを使用して、マップをクリックしラインの始点を追加します。
  5. 引き続きラインの各頂点をクリックします。
  6. 最後の頂点を追加したら、マップ内で右クリックして [スケッチ終了] をクリックします。

    これで、部隊の前線フィーチャがマップに追加されました。

  7. 必要に応じて、カーソルを使用せずに座標を入力してラインを作成できます。次の手順を使用して、フィーチャの座標を入力します。
    1. マップ内で右クリックし、[絶対 X、Y] をクリックします。

      異なる座標形式を選択するには、ドロップダウン矢印を使用します。

    2. ラインの始点の座標を入力して、Enter キーを押します。
    3. 再度右クリックし、[絶対 X、Y] をクリックして次のポイントを入力します。
    4. ラインの次のポイントの座標を入力して、Enter キーを押します。
    5. 手順 c と d を繰り返して、すべての座標を入力します。
    6. . 最後の頂点を作成したら、右クリックして [スケッチ終了] をクリックします。

同様のプロセスを使用して、弾薬補給点用のフィーチャ テンプレートなどのポイント シンボルを作成できます。

手順:
  1. Friendly Operations Point レイヤを右クリックして、[フィーチャの編集][編集の開始] の順に選択します。

    [フィーチャ作成] ウィンドウが表示されます。

  2. 既存のフィーチャ テンプレートが存在するポイント フィーチャ用のシンボルを作成するには、まずフィーチャ テンプレート名、フィーチャ テンプレートのタグの 1 つ、または SIDC を検索します。弾薬補給点用のシンボルを作成するには、[フィーチャ作成] ウィンドウで「GFSPPAS-------X」または「Ammunition」を検索します。
  3. 弾薬補給点用のフィーチャ テンプレートを選択します。
  4. [作図ツール] ウィンドウでツールをクリックします。
  5. カーソルを使用して、マップをクリックしフィーチャを追加します。

    これで、弾薬補給点フィーチャがマップに追加されました。

  6. 必要に応じて、カーソルを使用せずに座標を入力してポイントを作成できます。次の手順を使用して、フィーチャの座標を入力します。
    1. マップ内で右クリックし、[絶対 X、Y] をクリックします。

      異なる座標形式を選択するには、ドロップダウン矢印を使用します。

    2. ポイントの座標を入力して、Enter キーを押します。

新しいフィーチャの作成および編集については、以下のトピックをご参照ください。

軍事メッセージについて

軍事作戦および戦場の様相に関する情報は、軍事仕様に従った軍事メッセージを使用して、防衛/インテリジェンス分野で頻繁に共有されます。これらのメッセージの一部は、送信される際に SIDC を使用して戦場の様相に関する情報を伝達します。この種類のメッセージの一例に、観測された敵部隊の報告のための敵部隊フィールドがあります。

メッセージの送信と受信はシステム間で異なるため、ユーザが手動で SIDC を ArcMap のフィーチャに変換する方法を理解することは、このプロセスに役立ちます。SIDC 形式の概要と、各桁に含まれている情報のタイプについては、「フィーチャに使用するレイヤの識別」をご参照ください。

9/17/2013