新しい軍事用データによるモザイク データセットの更新
NGA(National Geospatial-Intelligence Agency)などの防衛/インテリジェンス分野のデータを提供するデータ作成者は、更新された新しいラスタ製品を作成し続けています。ArcGIS モザイク データセットは、一般的にこれらのラスタ製品に関連付けられた大量のラスタ データを操作する場合に便利です。データをモザイク データセットに追加した場合は、新しいデータが利用可能になったときに、常にモザイク データセットを更新することが重要です。このトピックでは、[モザイク データセットへのラスタの追加(Add Rasters To Mosaic Dataset)] ジオプロセシング ツールを使用して、モザイク データセットに含まれる軍事用ラスタ データを更新する方法について説明します。
モザイク データセットの更新メカニズム
モザイク データセットを更新するためのメカニズムは、[モザイク データセットへのラスタの追加(Add Rasters To Mosaic Dataset)] ジオプロセシング ツールの [新規データセットのみ追加] パラメータによって提供されます。ツールの実行を設定するときに、ツールで重複を許可、重複を除外、または重複を上書きするかどうかを決定します。
CADRG/ECRG、CIB、および DTED などの、ベースマップ データを提供するために使用される軍事用製品を追加する場合は(DTED は解析にも使用可能)、一般的に重複を上書きするように決定してください。インテリジェンス解析に使用する NITF データを追加する場合は、モザイク データセットに追加した後のデータの使用計画に基づいて決定します。たとえば、変化検出などの時間解析を実行する場合は、モザイク データセットが一定期間ごとにキャプチャされたラスタを参照するように、重複を許可します。
重複を識別する方法
モザイク データセットに追加しようとしているラスタ データセットが重複しているかどうかを判断するロジックは、データをモザイク データセットに追加したときに [モザイク データセットへのラスタの追加(Add Rasters To Mosaic Dataset)] ジオプロセシング ツールで選択したラスタ タイプに基づきます。
ラスタ データセットおよび NITF ラスタ タイプ
ラスタ データセットまたは NITF のラスタ タイプを選択してデータをモザイク データセットに追加した場合、モザイク データセットにすでに含まれているラスタ データセットと同じソースパスとファイル名を持つラスタ データセットを追加しようとすると、重複として判断されます。
CADRG/ECRG、CIB、および DTED ラスタ タイプ
データをモザイク データセットに追加するときに CADRG/ECRG、CIB、または DTED のラスタ タイプを選択した場合は、モザイク データセットに製品タイプ(たとえば、Global Navigation Chart や Operational Navigation Chart)が同じラスタ データセットがすでに含まれていて、モザイク データセットが同じ地理範囲を表しているときに、追加しようとするラスタ データセットは重複として判断されます。
上書きされるラスタ データセットの決定方法
重複を上書きするように選択した場合は、一般的に追加するラスタ データセットによって既存のラスタ データセットが置換されます。ただし、既存のラスタ データセットが置換されない場合もあります。どちらの処理が行われるかは、データの追加に使用しているラスタ タイプによって決定されます。
ラスタ データセットおよび NITF ラスタ タイプ
ラスタ データセットまたは NITF のラスタ タイプを使用してデータを追加している場合は、常に追加するラスタ データセットが既存のラスタ データセットを上書きします。
CADRG/ECRG、CIB、および DTED ラスタ タイプ
CADRG/ECRG、CIB、または DTED のラスタ タイプを使用してデータを追加している場合、ArcGIS はまずラスタのヘッダーから抽出したメタデータに基づいて、追加するラスタ データセットと既存のラスタ データセットのどちらが新しいかを判断します。追加するラスタ データセットの方が新しい場合は、既存のラスタ データセットが上書きされます。追加するラスタ データセットの方が古い場合、既存のラスタ データセットは上書きされません。
ArcGIS が新しいラスタ データセットを判定する方法は、ラスタ タイプによって決まります。CADRG/ECRG および CIB データでは、NITF ファイルの日付と時刻の値を使用して比較が行われます。DTED データでは、コンパイル、メンテナンス、およびマッチ/マージの日付が使用され、これらの 3 つの日付が最も新しい DTED データセットが最新であると判定されます。