ArcGIS 10.1 for Desktop の紹介

ArcGIS for Desktop には、マッピング、データ作成、解析、地理データおよび画像の管理、地理情報の共有など、さまざまな GIS タスクをサポートしている包括的なプロ仕様の GIS アプリケーションが含まれています。

ArcGIS for Desktop は、GIS ワークフロー プロジェクトの管理、データ、マップ、モデルおよびアプリケーション構築用の GIS 専門家向けプラットフォームです。また、GIS を組織間であるいは Web 上に展開するための開始点であり基盤でもあります。地理情報を公開し、その情報を他のユーザと共有するために使用されます。Desktop のユーザは次のことができます。

  • マップのパッケージやその他の GIS パッケージの共有による他の専門的 Desktop ユーザとの共有
  • ArcGIS for Server および ArcGIS Online を使用してマップおよび関連地理情報をサービスとして公開することによる、モバイル、Web、およびカスタム システムを介したあらゆるユーザとの共有

GIS プロジェクトの実施

ArcGIS 10.1 for Desktop ユーザは、単純なマッピングやデータ作成から高度な空間解析まで、多岐にわたる GIS プロジェクトを実行します。Desktop を使用して、マルチユーザ エンタープライズ ジオデータベースの作成、管理およびメンテナンス、空間解析の実行、画像の管理、高度な画像処理、組織内のさまざまな GIS 手順の自動化に対応できます。また、3D GIS に対応した Desktop アプリケーションも使用されます。

独自の GIS プロジェクトの実施方法の詳細については、優れた自習ガイドである『Understanding GIS: An ArcGIS Project Workbook』をご参照ください。

ArcGIS for Desktop を使用した地理情報の公開と共有

多くの ArcGIS for Desktop ユーザは、組織内および Web 上の他のユーザに高品質マップや地理情報を提供するという特別な役割と責任を担っています。こうした作業は GIS サービスの作成と共有によって行われます。これには、地理情報(マップ、レイヤ、ジオデータベース、画像、解析モデル、ロケータ)を GIS サービスとして公開することが含まれます。

ArcGIS for Desktopは、専門的 GIS ユーザ向けの公開用ダッシュボードの役割を果たします。また、インテリジェントなパッケージの共有や、サービスのアップロードと活性化を可能にします。こうした作業には、組織の内部や特定のパートナー向けには ArcGIS 10.1 for Server が使用され、一般ユーザ向けにはArcGIS Online が使用されます。

ArcGIS for Desktop の 3 つのレベル

ArcGIS for Desktop は、スケーラブルであり、多様なユーザ ニーズに対応できます。次の 3 つの機能レベルで使用可能です。

  1. ArcGIS for Desktop Basic は包括的なデータ利用、マッピング、および解析に焦点を合わせています。
  2. ArcGIS for Desktop Standard には、高度なジオデータベース編集およびデータ作成機能が追加されています。
  3. ArcGIS for Desktop Advanced は完全なプロ仕様の GIS デスクトップで、包括的な GIS 機能および先進的なジオプロセシング ツールが付属しています。ArcGIS for Desktop Advanced は広範な機能を備えているので、すべての GIS サイトに少なくとも 1 つは導入しておくことをお勧めします。

ArcGIS for Desktop のオプションのエクステンション

各エクステンションを入手すれば、ラスタ ジオプロセシング、3D GIS、ネットワーク解析などの機能を追加できます。

次の図は、ArcGIS for Desktop エクステンションについて簡単にまとめたものです。

エクステンション

概要

ArcGIS 3D Analyst エクステンション

  • ArcGlobe: 対話的な 3D シーン
  • ArcCatalog におけるグローバル ビュー
  • ArcGIS 10.1 Publisher におけるグローブ パブリッシング
  • 3D ラスタおよび TIN モデリング ツール
  • グローブ サービスの公開
  • LIDAR およびテレイン データセット

Esri Business Analyst

  • 顧客および店舗調査
  • 市場浸透度解析
  • 走行時間解析
  • ビジネスおよび人口統計データ

ArcGIS 10.1 Data Interoperability

  • あらゆるデータ形式の直接読み取り、変換、およびエクスポート
  • データ変換および直接利用のためのツール

ArcGIS 10.1 Data Reviewer

  • チェックによるデータの解析と検証
  • Reviewer テーブルでの検証結果や解析結果の保存と操作
  • チェック結果に基づくレポートの生成

ArcGIS 10.1 Geostatistical Analyst

  • 先進的なクリギングおよびサーフェス モデリング
  • 予備的空間データ解析ツール
  • 確率、閾値、および誤差のマッピング

ArcGIS Network Analyst エクステンション

  • ネットワークおよび交通解析
  • 最短パス、最寄り施設、施設の配置、巡回セールスマンのルートの解析
  • 先進的なネットワーク データ モデリングおよびシミュレーション

ArcGIS 10.1 Publisher

  • 無償の ArcReader アプリケーションで使用するマップおよびグローブ ドキュメントの公開
  • データのパッケージ化と圧縮
  • オプションのデータ圧縮およびロック
  • ArcReader をカスタマイズするための開発者向け SDK

ArcScan

  • スキャンされた画像を用いたラスタ-ベクタ変換タスクの実行
  • ラスタ編集、スナップ、およびトレース ツール

ArcGIS 10.1 Schematics

  • データベース駆動型のスケマティック レンダリングおよび表示
  • GIS ネットワークおよびテーブル情報のスケマティック ビュー
  • 複数のスケマティック表現

ArcGIS Spatial Analyst エクステンション

  • 先進的なラスタおよびベクタ ツール
  • 空間モデリング
  • マップ代数演算

ArcGIS 10.1 Tracking Analyst

  • 時間ベースのマップ表示およびレンダリング
  • 再生ツール (再生、一時停止、早送り、巻き戻し)
  • 時間ベース データ (ジオメトリまたは属性が移動および変化するフィーチャ) の操作

ArcGIS 10.1 Workflow Manager

  • エンタープライズ環境向けのワークフローの作成と管理
  • 複数サーバ間でのワークフロー進捗の追跡
  • 対象の領域に基づいたワークフローの定義

Esri Aeronautical Solution

  • 空域などの入力に基づいたフィーチャの作成
  • ICAO に準拠したチャート作成のためのツール
  • AIXM (Aeronautical Information Exchange Model) とのデータ共有

Esri Defense Mapping

  • 防衛データ作成のためのデータ モデル、トポロジ、およびビジネス ルール
  • 標準化されたシンボルおよびマップ テンプレートによるデータ公開の効率化
  • 複数のデータ仕様のサポート

Esri Nautical Solution

  • 海図作成組織の規格に準拠した、電子的または印刷されたラスタ経路図を生成
  • S-58 検査を統合済み
  • 事前に定義されたシンボルやグリッドを使用した海図作成

Esri Production Mapping

  • データの作成、保守、および検証ツール
  • 複数のジオメトリ タイプを持つ複雑なフィーチャ テンプレートを作成するツール
  • チェックによるデータの検証と解析
  • カートグラフィック作成ツール

ArcGIS for Desktop のエクステンションの概要

ArcGIS 10.1 for Desktop エクステンションについて