高度なポータル オプションの設定
10.2.1 以降のバージョンでは、構成ファイルの場所と、構成ファイルを編集するための動作が変わっています。10.2 での高度なポータル オプションの設定方法については、10.2 のドキュメントをご参照ください。
構成ファイルを使用すると、Portal for ArcGIS の表示と動作をカスタマイズすることができます。設定できるプロパティには、特定のリンクやボタン(匿名ユーザがポータル アカウントを作成できるようにするメディア リンクやボタンなど)を Web サイトで表示するかどうかなどがあります。これは、オフラインで配置を構成する場合や、組織の要件に合わせてポータルの動作を変更している場合に便利です。そのようなポータルを構成した組織サイトの例を次に示します。
- 防衛産業/連邦政府: ローカル リソースを使用するようにポータル全体を構成し、セキュリティ バナーを追加し、匿名ユーザによるアカウントの作成を無効化し、ソーシャル メディアでの共有を無効化します。
- 地方自治体: セキュリティ バナーを追加し、ローカル投影を使用するように範囲サービスを設定します。
- 商業: ソーシャル メディアでの共有を有効化します。
構成ファイルは、<Portal for ArcGIS installation directory>/customizations/10.2.2/webapps/arcgis#home/js/esri/arcgisonline/config.js にあります。変更する前に、このファイルのバックアップ コピーを作成することをお勧めします。
ファイルのプロパティを変更したら、編集内容を適用するためにポータルを再起動し、ブラウザのキャッシュ(cookie など)を消去して、ポータル Web サイトの変更を確認する必要があります。
パッチのインストール、システムの更新、または、より新しいバージョンへのポータルのアップグレードを行うときに、config.js ファイルがカスタマイズ ディレクトリに保存され、ファイル内で変更したプロパティが維持されます。組織サイトのメンバーがカスタマイズ ディレクトリを誤って削除した場合の予防策として、config.js ファイルのコピーを保持する必要があります。
構成ファイルには、変更してはいけないその他のコードも含まれています。構成ファイルを開いたら、変更可能なプロパティが含まれているファイルのセクションに移動します。ポータル構成ファイルの一部のプロパティは、わかりやすいため説明する必要がありません。以下ではいくつかのプロパティについて詳細に説明します。プロパティはアルファベット順に示しています。
構成ファイル内のプロパティ
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addContentSecurityText - NULL でない場合、GIS サーバを検索してレイヤをマップに追加するときに、指定したテキストが [レイヤの検索] ダイアログ ボックスに表示されます。このダイアログ ボックスは、GIS サーバで検索を実行するときに必ず表示されます。このテキストを使用して、「社外秘、配布禁止」などのコンテンツに関連したセキュリティ制約について、ユーザに警告することができます。デフォルトは NULL です。
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bitlyUrl - NULL でない場合、Facebook、Twitter、および URL マップ リンクの短縮 URL がアイテム詳細ダイアログに表示されます。NULL の場合、Twitter および Facebook のリンクは使用できません。このプロパティを使用するには、Bitly の完全な URL ログインおよび API キー(http://api.bit.ly/v3/shorten?login=<ログイン名>&apiKey=<キー> など)を指定する必要があります。デフォルトは NULL です。
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bitlyUrlSSL - SSL が必要な場合、このプロパティで Bitly の完全な URL ログインおよび API キー(http://api.bit.ly/v3/shorten?login=<ログイン名>&apiKey=<キー> など)を指定します。デフォルトは NULL です。
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classificationBanner - アプリケーションの全ページの上部および下部にセキュリティ バナーを表示するかどうかを示します。デフォルトは false です。セキュリティ バナーを表示するには、バナーを定義するコードを classificationBanner:false の行で置き換えます。例を以下に示します。
classificationBanner : { "text" : "TOP SECRET", "color":[ 255, 255, 255, 255 ], "font":{ "decoration":"none", "family":"Portable User Interface", "size":16, "style":"normal", "weight":"bold" }, "height" : 5, "backgroundColor":[ 155, 0, 0, 255 ] },
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extentService - ポータル Web サイトの [範囲の設定] ダイアログ ボックスで、Web マップ アイテムの範囲を更新または設定するために使用されるサービスです。サービスは、WKID(Well-Known ID)が 4326 の WGS 1984 地理座標系を使用する必要があります。デフォルトは、http://server.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/ESRI_StreetMap_World_2D/MapServer です。
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footerLinks - このプロパティを使用して、すべてのページ フッターに表示されるリンクを定義できます。以下の例は、contactUs および reportAbuse タイプを使用して電子メール ウィンドウを開きます。この例のテキストは、dojo ローカライズ ファイル(/js/esri/nls/arcgisonline.js およびそのサブディレクトリ)の NLS_contactUsSubject、NLS_contactUsBody、NLS_reportAbuseSubject、および NLS_reportAbuseBody の各パラメータで編集可能です。${NLS_termsOfUse} などのタイトルは、ローカライズ パラメータ NLS_termsOfUse を参照します。新しいローカライズ パラメータ名を追加する場合は、サポートするそれぞれの言語ファイルにも追加してください。
footerLinks: [{ title: "My Organization", url: "http://www.myorganiz.com" }, { title: "${NLS_termsOfUse}", url: "http://www.myorganiz.com/legal/licensing/termsofuse.html" }, { title: "${NLS_privacy}", url: "http://www.myorganiz.com/legal/privacy.html" }, { title: "${NLS_contactUs}", email: "feedback@myorganiz.com", type: "contactUs" }, { title: "${NLS_reportAbuse}", email: "feedback@myorganiz.com", type: "reportAbuse" }],
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gcsBasemapService - Web メルカトル座標系をサポートしない OGC WMS サービスのベースマップとして使用されるサービスです。デフォルトは、http://services.arcgisonline.com/ArcGIS/rest/services/ESRI_Imagery_World_2D/MapServer です。
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longTokenExpiration - ユーザがポータル Web サイトにサイン インするときに [サイン インを保持する] を選択している場合、デフォルトの有効期限が 20,160 分(14 日)のトークンが生成されます。サイン インするときに [サイン インを保持する] オプションを選択しなかった場合、tokenExpiration の時間の方が、このプロパティで定義された時間より優先されます。
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restrictOrganizationPageToAdmin - [組織] ページを、ポータル Web サイトのユーザ権限および公開者権限を持つメンバーに表示するかどうかを指定します。デフォルトは、false です。つまり、[組織] ページは、ポータルのすべてのメンバーに表示されます。[組織] ページをユーザと公開者から見えないようにするには、true を指定します。
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showSignUp - ポータル Web サイトに [アカウントの作成] ボタンとアカウントのサインアップ ページ(signup.html)を表示するかどうかを決定します。デフォルトは true で、匿名ユーザがポータルのユーザ アカウントを作成できます。サインアップ ページを無効化するには、false に指定します。
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showSocialMediaLinks - Facebook および Twitter のリンクをアイテム詳細ダイアログに表示するかどうかを示します。デフォルトは false で、リンクは表示されません。リンクを有効化するには、このプロパティを true に指定し、bitlyURL および bitlyURLSSL プロパティを Bitly の完全な URL ログインおよび API キーを使って指定します(例: http://api.bit.ly/v3/shorten?login=<ログイン名>&apiKey=<キー>)。
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signInHelp - このプロパティを使用すると、サイン イン ページ(signin.html)の [サイン インのヘルプが必要ですか?] リンクで開くページを無効化できます。デフォルトは NULL で、リンクからデフォルト ページ(troubleshoot.html)が表示されます。独自のページを指定するには、リンクで開くページの URL を定義します(例: signInHelp: "http://machine.domain.com/mysignin.html")。
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tokenExpiration - ユーザがポータル Web サイトにサイン インするとき、デフォルトの有効期限が 120 分(2 時間)のトークンが生成されます。サイン インするときに [サイン インを保持する] オプションを選択した場合、longTokenExpiration の時間の方が、このプロパティで定義された時間より優先されます。
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webSearchEnabled - Web での検索(Google 検索など)をポータル内のコンテンツに対して許可するかどうかを示します。デフォルト値は true です。ポータルのコンテンツに対する Web 検索を無効化するには、false に指定します。