イメージ レイヤの表示
このトピックで説明されている機能は、Portal 10.2.1 for ArcGIS 以降のリリースで使用できます。
マップ ビューアを使用して、画像を作成して Web マップ上に表示することができます。Web マップの作成者として、他のユーザに対する画像の表示方法を決定します。
Web マップにイメージ レイヤを追加すると、マップはイメージ サービスのデフォルトの表示設定を最初に使用します。表示される画像の外観や順序を変更したい場合、画像の表示、画像の表示順序、および画質を変更できます。
画像の表示
事前に定義されたテンプレートを使用したり、バンドの組み合わせとストレッチ パラメータを設定したりして、画像の表示を変更できます。
事前に定義されたテンプレートの使用
イメージ サービスを公開するとき、テンプレートを使用して画像の表示を事前に定義することができます。事前に定義されたテンプレートは、次のような理由から使用されます。
- データをはっきりと鮮明に表示する
- 雲のない画像を表示する
- 画像内の特定のフィーチャを強調する
事前に定義されたテンプレートの中から、Web マップに最も合ったものを選択できます。
事前に定義された画像の表示テンプレートを選択するには、次の手順に従います。
- 変更するイメージ レイヤがある Web マップをマップ ビューアで開きます。
- [詳細] パネルの [コンテンツ] ボタンをクリックします。
- レイヤ名の右にある矢印をクリックして、[画像表示] をクリックします。マップ ビューアの左側に [画像表示] ペインが表示されます。
- [レンダリング] ドロップダウン矢印をクリックして、使用する表示テンプレートを選択します。
- [適用] ボタンをクリックします。
選択したテンプレートによって設定された画像が Web マップに表示されます。これらのテンプレートは、Web マップ内で編集することはできません。
ユーザ定義レンダリングの使用
バンドの組み合わせを使用すると、赤、緑、青のカラー合成スキーマを使用して表示されるバンドを指定できます。色の組み合わせを変えることで、画像にさまざまな色効果を付けて表示できます。データを自然色(赤、緑、青)で表示すると、レイヤは通常通り表示されます。他の色の組み合わせを使用すると、植生、都市部、水域、その他のフィーチャをハイライト表示することができます。
ストレッチ パラメータは、さまざまなコントラスト補正を使用して画像の外観を改善します。次のコントラスト補正は、表示される値の範囲を決定します。
- [なし] - 追加の画像補正は実行されません。
- [最小値と最大値] - 画像の全範囲の値を表示します。
- [標準偏差] - 標準偏差の指定した数値間の値を表示します。
- [割合クリップ] - 表示する値の範囲を設定します。2 つのテキスト ボックスを使用して、上と下の割合を編集します。
ダイナミック範囲調整(DRA)とガンマ係数を調整することもできます。
- [ダイナミック範囲調整] - 上記のいずれかのストレッチを実行しますが、値の範囲を現在の表示ウィンドウ内の値に制限します。このオプションは、イメージ サービスにグローバル統計がない場合は、常にオンになります。
- [ガンマ] - 画像の中間値をストレッチしますが、極端に高い値と低い値は一定に保ちます。
画像の表示を変更するには、次の手順に従います。
- 変更するイメージ レイヤがある Web マップをマップ ビューアで開きます。
- [詳細] パネルの [コンテンツ] ボタンをクリックします。
- レイヤ名の右にある矢印をクリックして、[画像表示] をクリックします。マップ ビューアの左側に [画像表示] ペインが表示されます。
- [レンダリング] ドロップダウン矢印をクリックして、ユーザ定義の画像表示を選択します。
- 表示するバンドで、赤、緑、青の合成を調整します。
-
[ストレッチ] ドロップダウン矢印をクリックして、使用するストレッチ タイプを選択します。
- [なし]
- [最小値と最大値]
- [標準偏差]
- 割合クリップ
- さらに、その特定のストレッチのパラメータを調整します。
- [適用] ボタンをクリックします。
設定したユーザ定義パラメータを使用した画像が Web マップに表示されます。
画像の表示順序
モザイク データセットから公開されたイメージ サービスには、1 つまたは複数の画像が含まれています。これらの画像はリアルタイムでモザイク化され、ユーザがサービスを参照するときに 1 つの画像のように動作します。Web マップを作成するとき、マップを利用者にどのように表示するかを選択します。画像の順序と、オーバーラップ領域の解決方法を決定できます。画像の順序とは、複数の画像が同じ領域にある場合の画像の選択方法を指します。また、画像のオーバーラップ領域の表示方法も決定できます。
作成者は、優先順位付け方法を設定します。これによって、表示する画像や画像の順序を制御します。イメージ サービス内の画像は、特定の縮尺で表示されます。表示設定の範囲は、画像属性の最小ピクセル サイズ(MinPS)と最大ピクセル サイズ(MaxPS)に対応します。この表示設定は、[画像のリスト] オプションが選択されている場合を除き、常に適用されます。
- [縮尺のみ] - このオプションを使用すると、画像の縮尺によって画像の順序が優先順位付けされます。同じ縮尺の画像の場合、画像属性内の ObjectID によって表示順序が決定されます。
- [属性] - 画像の順序を決定する属性を選択します。その属性で最も高い値を持つ画像が一番上に表示されます。たとえば、最近の画像を表示する場合、取得日に基づいて画像を表示できます。取得日を選択するには、カレンダーを使用します。この他に、できる限り鮮明に画像を得るために、雲量の割合を示す属性もよく使用されます。
- [ビューの中心に最も近い画像の中心] - 利用者がモザイクされたラスタ レイヤを閲覧すると、表示される画像が変化します。中心が画面の中央から距離的に最も近い画像が一番上に表示されます。これは、利用者がフィーチャの定常性に関心がある場合に便利です。
- [最も多く北西が天頂になるように指定された順序] - 順序は、モザイクされたラスタ レイヤの北西隅から、各画像の中心までの距離に基づいて決定されます。これは静的な表示になるため、画像を変更しない場合に便利です。
- [ビューの中心に最も近いセンサの位置] - 歪みが最も小さい画像が表示されます。センサが画像をキャプチャするとき、画像の真上にあるポイントは天底ポイントとして知られ、歪みが最も小さい傾向があります。天底ポイントが画面の中央から距離的に最も近い画像が一番上に表示されます。
- [定義済みのシームライン] - 利用者がこのオプションにアクセスできるようにするには、シームラインを事前に作成しておく必要があります。画像は、既存のシームラインに基づいて優先順位付けされます。このオプションを選択した場合、重なり合うピクセルを解決するために [ピクセルのブレンド値] を使用する必要があります。
- [画像のリスト] - 少数の画像を対象とする場合、カンマ区切りのリストを使用して、表示する順序に明示的にリストできます。この方法は、画像の表示設定の制限を無視し、1、2、3 など、リストされた画像を任意の縮尺で強制的に表示します。
[順序の反転] ボックスをオンにすると、優先順序を反転できます。
優先順位付け方法を設定した後に、複数の画像が重なっている場合があります。オーバーラップ領域は、次の設定によって解決できます。
- [最高の優先度のみ] - [優先順位付け方法] で設定された優先度が最高である画像のピクセル値を使用します。
- [ピクセルの最小値] - 最も低いピクセル値を使用します。
- [ピクセルの最大値] - 最も高いピクセル値を使用します。
- [ピクセルの平均値] - 平均のピクセル値を使用します。
- [ピクセルのブレンド値] - オーバーラップ領域にブレンド オプションを使用すると、シームラインに沿ってスムーズなトランジションが作成されます。
画像の優先順位を変更するには、次の手順に従います。
- 変更するイメージ レイヤがある Web マップをマップ ビューアで開きます。
- [詳細] パネルの [コンテンツ] ボタンをクリックします。
- レイヤ名の右にある矢印をクリックして、[画像表示順序] をクリックします。マップ ビューアの左側に [画像表示順序] ペインが表示されます。
- 画像を優先順位付けする方法を選択します。
- 必要に応じて、[順序の反転] ボックスをクリックして、順序を反転します。
- 重なり合うピクセルを解決する方法を選択します。
- [適用] ボタンをクリックします。
設定した表示設定と優先順位パラメータを使用して画像が Web マップに表示されます。
画質の設定
パフォーマンスとイメージ レイヤの品質は反比例の関係にあるため、トレードオフがあります。画質が高くなるほどファイルが大きくなり、処理速度に悪影響があります。また、パフォーマンスは接続速度にも依存します。要件とバンド幅の能力に合わせて、複数のオプションが用意されています。
- [パフォーマンス] - 50% 品質の JPEG 形式に圧縮します。元の画像の寸法が 1034 x 721(約 2 MB)とすると、このオプションを使用して送信されるサイズはわずか 62K になります。このオプションは透過表示をサポートしていないため、データのない領域は黒で表示されます。
- [バランス] - 現在の表示に NoData のピクセルが存在する場合は PNG32、透明なピクセルがない場合は 75% 品質の JPEG 形式に圧縮します。元の画像の寸法が 1034 x 721 で透明なピクセルがないとすると、このオプションを使用して送信されるサイズは 99K になります。
- [品質] - 現在の表示に NoData のピクセルが存在する場合は PNG32、透明なピクセルがない場合は 95% 品質の JPEG 形式に圧縮します。元の画像の寸法が 1034 x 721 で透明なピクセルがないとすると、このオプションを使用して送信されるサイズは 277K になります。
一般的には、[品質] または [バランス] オプションを使用します。ネットワークの帯域幅が低い場合は、[パフォーマンス] オプションを使用します。[パフォーマンス] オプションを選択すると、透明なピクセルは黒く表示されるので注意してください。
画質を変更するには、次の手順に従います。
- 変更するイメージ レイヤがある Web マップをマップ ビューアで開きます。
- [詳細] パネルの [コンテンツ] ボタンをクリックします。
-
レイヤ名の右にある矢印をクリックして、[画質] をクリックします。
マップ ビューアに [画質] スライダが表示されます。
- スライダを使用して、圧縮レベルを選択します。
選択した圧縮品質で画像が Web マップに表示されます。
画像のフィルタ処理
イメージ サービス内に複数の画像がある場合、属性クエリを使用して、表示される画像をフィルタ処理できます。イメージ レイヤのフィルタ処理は、フィーチャ レイヤのフィルタ処理と似ています。たとえば、Landsat アーカイブ全体を処理している場合で、スキャン走査線補正装置がオフになる前に Landsat-7 から雲のない画像だけを表示したい場合は、フィルタを使用します。画像のフィルタ処理では、フィルタ処理された画像の表示設定に、マップの縮尺が影響を与える場合があるので注意してください。
フィルタ処理の詳細については、「フィルタの適用」をご参照ください。
テーブルの表示/テーブル オプション
イメージ レイヤのテーブルを表示できます。このテーブルには各画像のメタデータがあります。これを使用して、フィルタ処理のときに使用するカテゴリを決定できます。また、テーブルを使用して、次の操作ができます。
- [選択したレコードを表示]/[すべてのレコードを表示] - レイヤから選択したレコードだけを表示します。
- [選択した場所の中心] - レイヤ内の選択したレコードを中央に配置します。
- [選択の解除] - 選択セットから画像を削除します。それらの画像は引き続きマップ上に表示され、テーブル内にも存在します。
- [列の表示/非表示] - テーブル内で表示する列を選択します。
- [表示画像の選択] - マップ上に表示される画像を選択します。
- [すべての画像を表示] - レイヤからのすべての画像をマップ上に表示します。
- [選択した画像を表示] - 選択した画像のみを表示します。
テーブルの詳細については、「テーブルの表示」をご参照ください。
凡例
イメージ サービスが ArcGIS 10.2 for Server 以降で共有されている場合、Web マップに凡例を表示できます。凡例はデフォルトで表示されますが、凡例を表示しないオプションもあります。
凡例の詳細については、「凡例の表示」をご参照ください。