データベース サーバ上のジオデータベースのアップグレード
このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。
SQL Server Express Edition 用の ArcSDE ジオデータベースをアップグレードする目的は、ジオデータベースのシステム テーブルおよびストアド プロシージャをアップグレードして、最新バージョンの ArcGIS に実装されている機能を利用できるようにすることです。ジオデータベースのアップグレードはほとんどの場合オプションですが、アップグレードしない場合、新しい機能は利用できません。
データベース サーバ(SQL Server Express)上のジオデータベースを使用するうえで必要なファイルは、ArcGIS クライアントに含まれています。したがって、新しいバージョンの ArcGIS for Desktop または ArcGIS Engine ソフトウェアをインストールしている場合は、データベース サーバ上のジオデータベースをアップグレードできます。
ArcGIS 10.2.1 以降に行われた 10.2.2 のすべての改良が ArcGIS クライアント ソフトウェアに実装されていますが、ジオデータベースは変更されていません。そのため、10.2.1 のジオデータベースを 10.2.2 にアップグレードする必要はありません。10.2 以前のジーデータベースは、10.2.2 にアップグレードできます。
新しいバージョンの ArcGIS for Desktop、ArcGIS Engine または ArcGIS for Server Workgroup をインストールした後は、SQL Server Express Edition インスタンスのサーバ管理者(dbo)であるユーザ、あるいはアップグレード対象のジオデータベースのジオデータベース管理者であるユーザが以下の手順を実行して、[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツールを使用して、ジオデータベースをアップグレードできます。
- ArcMap を起動してカタログ ウィンドウを開くか、ArcCatalog を起動します。
- カタログ ツリーで [Database Servers] ノードを展開します。
- アップグレード対象のジオデータベースが格納されているデータベース サーバに接続します。
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ジオデータベースのアップグレード前に、そのジオデータベースのバックアップを作成します。
手順については、「データベース サーバにジオデータベースのバックアップを作成」をご参照ください。
- アップグレードするジオデータベースを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
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[一般] タブをクリックします。
アップグレードが必要な場合には、[ジオデータベースのアップグレード] ボタンが有効になります。
[ジオデータベースのアップグレード] ボタンがアクティブになっていない場合は、原因として、接続元クライアントがジオデータベースと同じバージョンであるか、ご使用の DBMS がアップグレード可能バージョンとしてサポートされていないか、接続元が ArcGIS for Desktop Basic クライアントであることが考えられます。
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[ジオデータベースのアップグレード] をクリックします。
[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツールが開きます。このツールを [ジオデータベースのアップグレード] ボタンを使って起動すると、[入力ジオデータベース] テキスト ボックスにジオデータベース コネクション情報が入力されます。
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[前提条件を確認] および [ジオデータベースをアップグレード] をオンのままにし、[OK] をクリックします。
前提条件のチェックおよびアップグレードの進捗状況を示すダイアログ ボックスが表示されます。プロセスに何らかのエラーが発生した場合、このダイアログ ボックスに表示されます。
前提条件のチェックでは、SQL Server Express インスタンス上でフルテキスト検索が有効になっているかどうか、ジオデータベースに他のユーザが接続されていないかどうか、またデータセットがすべて開けるかどうかが検知されます。ジオデータベースがこれらの要件を満たしている場合、アップグレードに進みます。ジオデータベースが要件を満たしていない場合、ツールは終了するので、前提条件を満たすように修正を行ってから [ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ツールを再び実行する必要があります。
このチェック結果は、[ジオプロセシング ツール] ダイアログ ボックス、およびシステムの TEMP ディレクトリ内の GDBUpgrade<n>.log にレポートされます。
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アップグレードが完了したら、[閉じる] をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。
以上の手順によりジオデータベースがアップグレードされます。
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アップグレードするデータベース サーバ上の各ジオデータベースについてステップ 4 〜 9 を繰り返します。
ヒント:
カタログ ウィンドウの [検索] ウィンドウで [ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツールを起動することも、Python を使用してアップグレード スクリプトを作成することもできます。
- データベース サーバおよびそのジオデータベースの操作を続行する場合、接続を更新するために、いったん切断して再接続する必要があります。この更新を行うには、まずデータベース サーバを右クリックし [切断] をクリックします。次に、データベース サーバをダブルクリックするか、または右クリックし [接続] をクリックして、データベース サーバに再接続します。
[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ツールは、他のジオプロセシング ツールがクライアント コンピュータでバックグラウンド プロセスとして実行されている場合には、実行できません。
アップグレード対象のジオデータベース内にパーセル ファブリックまたはネットワーク データセットがある場合、それぞれを個別にアップグレードする必要があります。これらは必ずしもアップグレードする必要はありませんが、アップグレードしなかった場合、最新のネットワーク データセットやパーセル ファブリック機能にはアクセスできません。