データベース サーバ チュートリアルの概要
ArcGIS ソフトウェアにおいて「データベース サーバ」という用語は、Desktop または Workgroup ジオデータベースの格納に対応した Microsoft SQL Server Express のインスタンスを指します。
ジオデータベースの作成を含むデータベース管理タスクは、カタログ ウィンドウ内または ArcCatalog 内の [Database Servers] ノードを使用して行います。ArcGIS for Desktop を使用してデータベース サーバとそのジオデータベースの管理を実行することにより、ソフトウェアまたはデータベース管理に関する特別な専門知識がなくても、データベース サーバが提供するジオデータベースを作成し使用できます。
このチュートリアルでは、データベース サーバを初めて使用される方のために、ArcGIS for Desktop を使って次の操作を実行する手順を説明します。
- データベース サーバの追加、および新しいジオデータベースの作成
- データベース サーバへのユーザの追加、および権限の割り当て
- ジオデータベースへのデータのロード
- データベース サーバ上のジオデータベース内のデータの編集
- ジオデータベースのバックアップ作成やアップグレードなどの管理タスクの実行
このチュートリアルは自分のペースに合わせて行うことができます。このチュートリアルには 10 の演習があり、それぞれの演習は 10 分から 30 分ほどで完了できます。演習は逐次的であり、順番に完了していく必要があります。
作業を始める前に
このチュートリアルのタスクを完了するには、ArcGIS for Desktop、SQL Server Native Client、Microsoft SQL Server Express、およびチュートリアル データをインストールする必要があります。また、チュートリアルの内容によっては実行前に、コンピュータに追加のログインを作成する必要があります。
ソフトウェアのインストール
ArcGIS for Desktop(Standard または Advanced ライセンス レベル)、SQL Server Native Client、SQL Server Express、およびこのチュートリアルの ArcTutor データをコンピュータにインストールする必要があります。ArcGIS for Desktop セットアップに収録されている ArcSDE for SQL Server Express インストール ウィザードを使用して、SQL Server Express インスタンスをインストールし、ジオデータベースを格納できるようにします。インストールの詳細については、ArcSDE for SQL Server Express インストール ガイドをご参照ください。このインストール ガイドも、ArcGIS for Desktop セットアップに収録されています。
SQL Server Native Client は、Esri Customer Care ポータルまたは Microsoft の Web サイトからダウンロードできます。インストールしている SQL Server Express のリリースに対して適切なクライアントをダウンロードしてください。SQL Server Native Client をインストールするコンピュータは、ArcGIS for Desktop をインストール済みで、SQL Server インスタンスに接続できる必要があります。SQL Server Native Client をインストールする際は、Microsoft が提供する手順に従ってください。
ArcGIS for Desktop をまだインストールしていない場合は、ArcGIS for Desktop インストール ガイドの指示に従ってインストールを完了してください。ArcTutor データのインストールが済んでいない場合は必ず、ArcGIS for Desktop セットアップに収録されている ArcTutor 実行可能ファイルを使ってインストールしてください。
Windows オペレーティング システムでソフトウェアをインストールする場合と同様に、SQL Server Express、SQL Server Native Client、ArcGIS for Desktop、およびチュートリアル データをコンピュータにインストールするには、そのコンピュータの管理者である必要があります。このチュートリアルに使うコンピュータに対する管理者権限がない場合は、システム管理者にソフトウェアのインストールを依頼してください。システム管理者は、SQL Server Express インスタンスにジオデータベースを格納できるようにする場合、必ず、データベース サーバ管理者としてユーザのログインを SQL Server Express インスタンスに追加してください。
データベース サーバ管理者は、データベース サーバのメンテナンス、ジオデータベースの作成とメンテナンス、およびそのデータベース サーバ ユーザ アカウントの追加と管理に対する責任を担います。このチュートリアルでは、上記のタスクの実行方法を示します。したがって、このチュートリアルを完了するにはデータベース サーバ管理者権限が必要です。
追加のログイン
データベース サーバでは、認証に Windows 認証ログインのみを使用します。このチュートリアルを実行するには、4 つの Windows ログイン(ログインしているユーザ ログインと、別途 3 つのログイン)が必要です。
コンピュータの管理者であるユーザの場合、ローカルの Windows ログインを作成して使用することができます。管理者でないユーザは、システム管理者に依頼してコンピュータにユーザを 3 人追加してもらうか、3 つのネットワーク ログインを使えるようにしてもらってください。
それらのログインを使用して、下記の操作方法を学習します。
- データベース サーバに他のユーザを追加します。また、追加したユーザに、ジオデータベースおよびそのジオデータベースに格納されているデータに対する権限を付与します。
- ユーザへの権限の付与と削除による異なるレベルの権限を評価することで、ユーザに付与すべき権限の種類を特定できるようになります。
- データベース サーバとそのコンテンツを管理者以外のユーザとして使用することにより、権限を制限されている同僚のデータベース サーバなどに接続する際データベース サーバとコンテンツの使い方を理解します。
- 誰がいつフィーチャクラスを編集したかを履歴管理します。
追加のログインの作成については、「演習 4」に説明があります。追加のログインは、「演習 5」、「演習 6」、「演習 8」、「演習 9」、「演習 10」で使用します。