Portal for ArcGIS 管理用スクリプトの作成

Portal for ArcGIS 管理用のスクリプトを作成すると、一般的なタスクをスケジュールされた時刻に実行したり、必要に応じてそれらを自動化したりできます。また、複雑なタスクや繰り返しのタスクを実行するときの誤りを減らすこともできます。スクリプト化することで効率化できる代表的な管理ワークフローは、以下のとおりです。

• ポータルに対するユーザの追加や削除、ポータル グループに対するユーザの追加や削除などの、ポータルのメンバーシップの管理。
• グループでのアイテムの共有、アイテム プロパティ（たとえば、タグ）の更新、Web マップでのマップ サービスの URL の一括更新などの、ポータル アイテムの管理。

ポータルのすべての管理タスクは、最終的に ArcGIS REST API を介して実行されます。この API は、HTTP リクエストを作成できる任意のスクリプト言語またはプログラム言語をから呼び出すことができます。

Portal for ArcGIS には、すぐに使用できるコマンド ライン ユーティリティと Python スクリプトが含まれており、これらを使用してポータルの管理のスクリプト化を開始できます。ArcGIS REST API の動作を理解すると、提供されているサンプルを拡張し、独自のスクリプトを作成できるようになります。

Portal for ArcGIS のコマンド ライン ユーティリティ

一般的な管理タスクの実行に役立つ、いくつかのコマンド ラインユーティリティが含まれています。これらのユーティリティは、ポータルをホストするコンピュータ上で実行する必要があります。これらは、すぐに使用することができ、プログラミングの知識を必要としません。詳細については、「Portal for ArcGIS のコマンド ライン ユーティリティ」をご参照ください。

Python サンプル スクリプト

Portal for ArcGIS には、コマンド ライン ユーティリティで提供されている機能を拡張する Python サンプル スクリプトが、いくつか含まれています。これらのスクリプトは、コマンド ライン ユーティリティとは異なり、Python 環境が構成されている任意のコンピュータから実行できます。これらのスクリプトは、最小限の Python の知識があれば簡単に実行できるように記述されています。これらのスクリプトはそのまま実行できますが、これらを使用して REST API の操作方法を学習したり、スクリプトをカスタマイズしたり、独自のスクリプトを作成することもできます。詳細については、「Python サンプル スクリプト」をご参照ください。

PortalPy

PortalPy は、すべての管理タスクの作成を効率化できる Esri Python モジュールです。PortalPy は、REST API を直接操作することによる複雑さを隠蔽する高度な Python クラスのコレクションを提供します。PortalPy を使用するには、ある程度の Python のプログラミングの知識を必要としますが、PortalPy はポータルの管理を自動化するための最も生産性の高い環境を提供します。Python サンプル スクリプトと同様に、必要に応じてソース コードを入手して PortalPy を拡張できます。詳細については、「PortalPy を使用した管理タスクのスクリプト化」をご参照ください。

ArcGIS REST API の詳細と Portal for ArcGIS との関係

ArcGIS REST API には、Portal for ArcGIS サイトを管理するためのリソースと操作が用意されています。ポータルがサポートするすべての管理タスクを、API を通じて呼び出すことができます。実際に、ArcGIS for Desktop、Portal for ArcGIS Web サイト などの、ArcGIS に用意されているすべての管理ツールはこの API を使用しています。

API は、Web サービスを呼び出せる任意の言語（Python、Java、JavaScript、PowerShell、C#、Ruby、Scala、Perl など）から呼び出すことができます。このヘルプのコード例では Python を使用しています。API を使用しているスクリプトを実行するために Esri ソフトウェアをインストールする必要はありません。

詳細については、「ArcGIS REST API を使用したスクリプトの作成」をご参照ください。