LIDAR へのブレークラインの組み込み

ブレークラインの従来の用途は、サーフェス モデルにおいてあらゆる種類のライン フィーチャを表すことでした。LIDAR では、ブレークラインの用途は水関連のものが大部分を占めます。水関連の用途を除けば、LIDAR の解像度が高いほどブレークラインの必要性が減ります。ブレークラインは、標高モデルで水に関係するフィーチャの定義を保持するうえで重要です。ブレークラインは、湖の汀線、1 本線で描かれる小さな川の水路、2 本線で描かれる大きな川の水路などのサーフェスの不連続線を表現するために使用されます。ブレークラインは、必ずしも不連続性を表すためでなく、サーフェスを定義し形成するのに役立つように収集されることもあります。このような用途の例としては、コンターのような形状のラインや、山脈の丸い尾根線などがあります。

LIDAR データの範囲に写真測量で作成したブレークラインがある場合は、LAS データセットまたはテレイン データセットを使用すれば、サーフェス モデルの中でブレークラインを適用することができます。

テレイン データセットの概要については、「テレイン データセットとは」をご参照ください。

LAS データセットの概要については、「LAS データセットとは」をご参照ください。

次の図は、ブレークラインを適用したサーフェスを示しています。左側の画像は、川岸に沿うブレークラインのないサーフェスです。右側の画像は、ブレークラインが適用されています。特に注目すべき点は、ブレークラインによって川の端がどれだけ明確になるか、また水面がどのようにして水位を保つかです。

ブレークラインのないサーフェス
ブレークラインのあるサーフェス

ブレークラインは、しばしば地表モデルで使用されますが、ファースト リターンのサーフェスと同時に使用すると地上物のポイントと競合するため、好ましくない場合が多々あります。たとえば、歩道の縁を表すブレークラインが、道路に覆いかぶさっている樹冠のポイントと X、Y が一致して Z が異なるという場合がありえます。そのため、ファースト リターン サーフェスからブレークラインを除外するか、少なくとも、競合する可能性があるとわかっている場所からは除外することをお勧めします。

ブレークラインを整理する最も効率的な方法は、サーフェス フィーチャ タイプ(SF タイプ)に基づいて、異なるフィーチャクラスに分離することです。サーフェス フィーチャ タイプによって、モデル内でフィーチャがどのように適用されるか、また Natural Neighbor 内挿法においてサーフェスがフィーチャと交差するときにサーフェスがどのように解釈されるかが決まります。ハード フィーチャと交差すると、斜面は明確に分断されますが、ソフト フィーチャと交差しても分断はされません。

次の表は、LAS およびテレイン データセットでサポートされている種々のサーフェス フィーチャ タイプの例を示しています。

LAS データセットおよびテレイン データセットの SF タイプ

計測タイプ

フィーチャクラス タイプ

SF タイプ

歩道の縁、河川の 1 本線および 2 本線の水路、狭い尾根

3D ライン フィーチャクラス

hardline

湖、貯水池

2D ポリゴン フィーチャクラス(Z 値を属性として格納)

hardline または hardreplace

浸食された尾根、丸い尾根、コンターのような形状のフォーム ライン

3D ライン フィーチャクラス

softline

調査対象地域の境界

2D ポリゴン フィーチャクラス(Z 値なし)

softclip

LAS データセットを使用する場合、ブレークラインはサーフェス制御として参照され、フィーチャクラスまたはシェープファイルのいずれかを指定できます。ブレークラインは、LAS データセットにおけるサーフェス制御と呼ばれています。これは、LAS データセットが適用されるのは LAS データセットがサーフェスとして表示されているときだけに限られ、ポイントが表示されているときは LAS データセットが適用されないためです。テレイン データセットの場合には、ブレークラインは、テレイン データセットのサーフェス モデルとともにフィーチャ データセットに置かれたフィーチャクラスとして参照されます。

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5/10/2014