LIDAR ポイントからの氾濫原の作図
LIDAR ポイントを使うと、さまざまな規模の洪水の範囲を正確に推定することができます。これは、水資源における応用例として非常に重要です。この情報は、保険、危機管理、および計画のためにリスクを評価するときに必要になります。LIDAR は氾濫原の作図における地形データの主要なソースに急速になりつつあります。その理由は、正確性とコスト効果の高さにあります。
洪水の範囲は通常、水面と地面のモデルを比較することによって推定します。特定の洪水発生時(50 年洪水など)の水面の断面は、河川工学の専門家か水文学者が HEC-GeoRAS などのツールを使用して作成します。各断面は、特定の場所の河川の水位を表します。各断面は、河川の両側から外側に、起こり得る最大規模の洪水の範囲を捉えることができる十分な長さを持っています。断面は、洪水をモデル化している場所で河川に沿って適切な間隔で生成します。
- それぞれの水断面には単純に、その場所の河川中央の水位を表す 1 つの Z 値を割り当てることができます。これらの断面を使用して水サーフェス TIN を作成することができます。[TIN の作成(Create TIN)] ジオプロセシング ツールを使用して水断面ラインから TIN を作成します。水断面をソフト ブレークラインとして TIN に追加します。
- この水面 TIN と、LIDAR ポイントから作成した地表テレインを入力として使用し、[サーフェス差分(Surface Difference)] ジオプロセシング ツールを実行します。地表テレイン データセットの作成方法については、「大規模 LIDAR ポイント コレクションからのラスタ DEM および DSM の作成」をご参照ください。
サーフェスの差分の結果
[サーフェス差分(Surface Difference)] ツールの主要な出力はポリゴン フィーチャクラスです。各ポリゴンは、モデリングされた水面がテレイン データセットの上にある場所を確認できるように、ABOVE、BELOW、または EQUAL のいずれかに分類されます。そうした領域は、冠水している可能性があります。
実際に冠水している領域は、ABOVE に分類されているすべてのポリゴンと同じになるとは限りません。これは、そうした領域の一部には、間にある丘によって河川からの氾濫水が実際には到達しない場合があるためです。河川につながっている ABOVE ポリゴンを識別するには、空間選択を使用し、河川を表すラインと交差するポリゴンを選択します。
[サーフェス差分(Surface Difference)] ツールには、差分ラスタを出力するオプションがあります。このデータセットの正のセル値は、洪水の調査におけるもう 1 つの重要な情報である深さを表します。水深がわかっていれば、被害の推定がさらに正確になります。