ArcGIS Web Adaptor のインストール後の構成

ArcGIS Web Adaptor をインストールしたら、ArcGIS Server サイトで使用できるように構成する必要があります。これは、ArcGIS Web Adaptor とともにインストールされる構成用の Web ページまたはコマンド ライン ユーティリティで行います。セキュリティ対策として、構成ページやコマンド ライン ユーティリティには、ArcGIS Web Adaptor をホストしているコンピュータからのみアクセスできます。

構成ページを開くと、ArcGIS Web Adaptor の現在の状態が表示されます。これには、ArcGIS Web Adaptor が過去に構成されたことがあるかどうかが示されます。ArcGIS Web Adaptor のプラットフォームのタイプとバージョン番号を表示するには、構成ページの [情報] をクリックします。

ArcGIS Web Adaptor の構成方法の詳細については、以下のいずれかのセクションをご参照ください。

構成 Web ページを使用した ArcGIS Web Adaptor の構成

ソフトウェアとともにインストールされた構成用の Web ページを使用して ArcGIS Web Adaptor を構成するには、次の手順に従います。

手順:
  1. Web ブラウザで ArcGIS Web Adaptor 構成ページを開きます。URL の形式は http://webadaptor.domain.com/arcgis/webadaptor です。.
  2. [ArcGIS for Server] を選択し、[次へ] をクリックします。
  3. [GIS Server の URL] に、ArcGIS Server サイトにあるいずれかの GIS サーバにアクセスする URL を入力します。この URL を使用して、サイトに属しているコンピュータをすべて検出し、それらを ArcGIS Web Adaptor で登録できます。たとえば、URL は「http://gisserver.domain.com:6080」という形式で入力する必要があります。
  4. ArcGIS Server サイトに対する管理権限を持つアカウントのユーザ名とパスワードを入力します。通常は、サイトを作成したときに定義したプライマリ サイト管理者のアカウントのユーザ名とパスワードを使用します。プライマリ サイト管理者のアカウントを無効にした場合は、サイトに対して管理アクセス権限を持つアカウントを指定する必要があります。
  5. ユーザが ArcGIS Web Adaptor を通じてサイトを管理できるようにするかどうかを選択します。デフォルトでは、ArcGIS Web Adaptor を使用したサイトの管理は無効になっています。このオプションには、次のような注意事項があります。
    • 管理機能を無効にすると、外部ユーザは ArcGIS Web Adaptor を使用して ArcGIS Server Manager や ArcGIS Server Administrator Directory にアクセスできなくなります。また、ArcGIS for Desktop のユーザも ArcGIS Server に対して管理者または公開者接続を確立できなくなります。ただし、このオプションが有効かどうかに関係なく、ArcGIS for Desktop から ArcGIS Server へのユーザ接続は確立できます。
    • ArcGIS Web Adaptor を介した管理アクセスを無効にした場合でも、サイトのいずれかの GIS サーバにアクセスするダイレクト URL を使用すると、ArcGIS Server Manager と Administrator Directory へのアクセスおよび ArcGIS for Desktop でのサーバへの接続が可能になります。
      • ArcGIS Server Manager にアクセスするには、URL 形式 http://gisserver.domain.com:6080/arcgis/manager を使用します。
      • ArcGIS Server Administrator Directory にアクセスするには、URL 形式 http://gisserver.domain.com:6080/arcgis/admin を使用します。
      • ArcGIS for Desktop でサーバ接続を作成するには、URL 形式 http://gisserver.domain.com:6080/arcgis を使用します。
    • ArcGIS Server が Web 層認証を使用して構成されている場合、ArcGIS Web Adaptor を介した管理機能を有効化する必要があります。これによって、公開者権限および管理者権限を持つエンタープライズ アイデンティティ ストアのユーザは、ArcGIS for Desktop からサービスを公開できるようになります。これらのロールに含まれるユーザは、ArcGIS for Desktop でサーバに接続する場合、ArcGIS Web Adaptor の URL を指定する必要があります。
  6. [構成] をクリックして、設定内容を ArcGIS Web Adaptor に適用します。

構成が完了すると、ArcGIS Web Adaptor が認識した GIS サーバ コンピュータのリストが構成ページの下部に表示されます(緑色でハイライト表示されます)。いつでもこのページに戻って認識されているコンピュータのリストを確認し、ArcGIS Web Adaptor の設定を調整することができます。

コマンド ラインを使用した ArcGIS Web Adaptor(IIS) の構成

C:\Program Files (x86)\Common Files\ArcGIS\WebAdaptor\IIS\Tools\ConfigureWebAdaptor.exe にあるコマンド ライン ユーティリティを使用して、ArcGIS Web Adaptor(IIS) を構成できます。

使用できるパラメータは次のとおりです。

ConfigureWebAdaptor /m <モード> /w <ArcGIS Web Adaptor の URL> /g <URL> /u <ユーザ名> /p <パスワード> /a <管理アクセスの有効化>

例: ConfigureWebAdaptor /m server /w http://webadaptor.domain.com/arcgis/webadaptor /g http://gisserver.domain.com:6080 /u siteadmin /p secret /a false

レガシーレガシー:

10.2 以前のバージョンでは、ArcGIS Web Adaptor の URL パラメータの末尾に「/server」を追加する必要がありました(例: /w http://webadaptor.domain.com/arcgis/webadaptor/server)。10.2.1 以降のバージョンでは、これは必要なくなりました。

コマンド ラインを使用した ArcGIS Web Adaptor(Java Platform) の構成

<ArcGIS Web Adaptor (Java Platform) installation directory>\WebAdaptor10.2.2\Java\tools\ConfigureWebAdaptor.bat にあるコマンド ライン ユーティリティを使用して、ArcGIS Web Adaptor(Java Platform) を構成できます。

使用できるパラメータは次のとおりです。

ConfigureWebAdaptor -m <モード> -w <ArcGIS Web Adaptor の URL> -g <URL> -u <ユーザ名> -p <パスワード> -a <管理アクセスの有効化>

例: ConfigureWebAdaptor -m server -w http://webadaptor.domain.com/arcgis/webadaptor -g http://gisserver.domain.com:6080 -u siteadmin -p secret -a false

レガシーレガシー:

10.2 以前のバージョンでは、/server を ArcGIS Web Adaptor の URL パラメータの末尾に追加する必要がありました(例: -w http://webadaptor.domain.com/arcgis/webadaptor/server)。10.2.1 以降のバージョンでは、これは必要なくなりました。

コマンド ラインを使用した Linux での ArcGIS Web Adaptor(Java Platform)の構成

<ArcGIS Web Adaptor installation directory>/webadaptor10.2.2/java/tools/configurewebadaptor.sh にあるコマンド ライン ユーティリティを使用して、ArcGIS Web Adaptor を構成できます。これは、ArcGIS Web Adaptor をホストするコンピュータが GUI(グラフィカル ユーザ インタフェース)を持たない場合に特に便利です。

使用できるパラメータは次のとおりです。

configurewebadaptor.sh -m <モード> -w <ArcGIS Web Adaptor の URL> -g <URL> -u <ユーザ名> -p <パスワード> -a <管理アクセスの有効化>

例: $ ./configurewebadaptor.sh -m server -w http://webadaptor.domain.com/arcgis/webadaptor -g http://gisserver.domain.com:6080 -u siteadmin -p secret -a false

レガシーレガシー:

10.2 以前のバージョンでは、/server を ArcGIS Web Adaptor の URL パラメータの末尾に追加する必要がありました(例: -w http://webadaptor.domain.com/arcgis/webadaptor/server)。10.2.1 以降のバージョンでは、これは必要なくなりました。

注意注意:

コマンド ライン ユーティリティを実行するためには、ArcGIS Web Adaptor をホストするコンピュータ上に JRE(Java Runtime Environment)が存在している必要があります。JRE がコンピュータ上に存在しない場合、ユーティリティを実行するとエラーが発生します。コンピュータ上に JRE をダウンロードおよびインストールする方法については、Java SE Downloads サイトをご参照ください。

ArcGIS Web Adaptor の構成後

これで ArcGIS Web Adaptor は使用できるように構成されましたが、次のような重要な注意事項があります。

GIS サーバの追加または削除

GIS サーバ コンピュータをサイトに追加または削除した場合、ArcGIS Web Adaptor がサイトの変更を認識するまで 1 分ほどかかります。追加または削除されたコンピュータを ArcGIS Web Adaptor に即座に認識させるには、上記の手順を実行します。

複数の ArcGIS Web Adaptor のインストール

複数の ArcGIS Web Adaptor をインストールすると、ArcGIS Server サイトに複数の Web エントリ ポイントを用意できます。これは、クライアントに対するサイトの可用性を高めたり、レガシー アプリケーションをサポートしたり、セキュリティ レベルの高い環境で特定ユーザに公開者や管理アクセスを許可したりする場合などに利用できます。詳細については、「配置シナリオ」をご参照ください。

複数の ArcGIS Web Adaptor は、同じコンピュータ上に同時にインストールしたり、複数のコンピュータにインストールしたりできます。複数の ArcGIS Web Adaptor を同じ Web サイト(ポート)にインストールする場合、別々の名前を使用する必要があります。たとえば、arcgis という 2 つの ArcGIS Web Adaptor は、同じ Web サイト上に存在できません。複数の ArcGIS Web Adaptor を同じ名前にしたい場合は、異なる Web サイト(ポート)上にインストールする必要があります。

複数の ArcGIS Web Adaptor をインストールする手順の詳細については、次のトピックをご確認ください。

ArcGIS Server での SSL の有効化

デフォルトでは、ArcGIS Server はすべての通信に HTTP プロトコルを使用します。ArcGIS Server の通信プロトコルを HTTP/HTTPS または HTTPS のみに更新した場合、ArcGIS Web Adaptor がサイトの変更を認識するまでに 1 分かかります。

レガシーレガシー:

以前のバージョンでは、ArcGIS Server の通信プロトコルを更新したら、ArcGIS Web Adaptor を再構成する必要がありました。10.2.2 では、再構成は不要になっています。

ArcGIS Server の通信プロトコルの詳細については、「ArcGIS Server 通信のセキュリティ保護」をご参照ください。

6/13/2014