サーバ ログの表示、検索および構成

ArcGIS Server Manager の [ログの表示] モジュールを使用して、サーバ ログを表示、検索、構成、削除することができます。ログを使ってサーバのトラブルシューティングを行う際に表示される可能性がある情報の説明については、以下の各セクションをご参照ください。

ログ レベル

サーバのログに記録されるイベントは、迅速な対処を必要とする問題を示す [重大] から、サーバの通常の使用を通じて生成される一般的なメッセージである [冗長] まで、その詳細のレベルが異なります。[ログ フィルタ] ドロップダウン リストを使用して、特定のログ レベルで記録されたイベントの表示を集計することができます。

デフォルトでは、ログ レベルは [警告] に設定されます。[ログの表示] モジュールの [設定] を選択することにより、このデフォルトのログ レベルを変更できます。ログ レベルは、サーバ ログに書き込まれるイベントの数とタイプを決定します。

ログ レベルには次のものがあります。

ログ レベル

説明

重大

迅速な対処を必要とする重大な問題。このレベルには、重大メッセージのみが含まれます。

警告

対処を必要とするがそれほど深刻ではない問題。このレベルには重大メッセージも含まれます。

情報

サービスの作成および開始に関するメッセージなど、サーバの一般的な管理メッセージ。このレベルには重大メッセージと警告メッセージも含まれます。

詳細

受信した操作リクエストの名前など、サーバの使用による一般的なメッセージ。このレベルには重大メッセージ、警告メッセージ、情報メッセージが含まれます。

冗長

マップ サービス内の各レイヤの描画に成功したこと、レイヤの描画速度、レイヤのソース データにサーバがアクセスするためにかかった時間を示すなど、サーバが操作をどのように実行しているかを詳細に示すメッセージ。このレベルには重大メッセージ、警告メッセージ、情報メッセージ、詳細メッセージが含まれます。

デバッグ

トラブルシューティング時にサーバの状態を適切に確認したい開発者やサポート技術者向けに設計された、非常に詳細なメッセージ。サーバのパフォーマンスがかなり低下するため、このレベルは実稼動環境では使用しないことをお勧めします。

オフ

ログをオフにします。イベントはサーバによってログに記録されません。

ログ プロパティ

サーバによってログに記録されるイベントには、ログ レベル、イベントの発生時刻、イベントが発生したコンピュータなど数多くのプロパティが含まれます。これらのプロパティは、ArcGIS Server サイトの効果的なトラブルシューティングに役立ちます。

デフォルトでは、[レベル][時間][メッセージ][ソース] のプロパティのみがログ メッセージ ウィンドウに表示されます。プロパティを表示に追加または削除するには、[列] を選択します。

ヒントヒント:

イベント ログ表示で列の見出しをドラッグ アンド ドロップすることにより、列の順序を変更できます。また、列をクリックしてソートすることもできます。

サーバによってログに記録される各イベントに関連付けられているプロパティは次のとおりです。

プロパティ

説明

レベル

他のメッセージとの関係におけるこのメッセージの詳細レベル

時間

ログに記録されたイベントが発生した時刻

メッセージ

ログに記録されたイベントに関連付けられているメッセージ

ソース

イベントをログに記録したサーバ コンポーネント

コンピュータ

イベントが発生した GIS サーバ コンピュータ。たとえば、構成ストアの場所の更新に失敗したというエラーがサーバによってログに記録される場合があります。コンピュータ プロパティは、特定のコンピュータで記録された統計情報に適用されるメッセージにのみ含まれます。

コード

メッセージに関連付けられた結果コード。ヘルプ システムでメッセージを検索するときに役立ちます。

経過時間

ログに記録されるイベントが完了するまでの所要時間。たとえば、Web マップ イメージのエクスポート イベントには、Web マップ イメージのエクスポートにかかった時間を示す経過時間が含まれます。

ユーザ名

ログ メッセージを生じたリクエストを出したユーザの名前。このプロパティは、セキュリティが有効になっている場合に個々のユーザの行動を追跡するときに役立ちます。

プロセス

イベントをログに記録したプロセス ID

スレッド

メッセージを生成したサーバ プロセス スレッド

メソッド名

ログ メッセージを生じたサービスに対するメソッド呼び出し

ログ検索の期間

サーバによってログに記録されるイベントは時系列で整理され、一番最近のイベントが最初に表示されます。特定の時間枠内にログに記録されたイベントを検索するには、[期間] フィルタから希望する範囲を選択します。

検索では、ArcGIS Server サイトでログをディスク上に残すように指定したタイム フレーム内にあるログのみが返されることに注意してください。デフォルトは 90 日です。たとえば、サイトでログが 5 日間維持されるように構成した場合、[期間] フィルタから [先週] を選択すると、過去 5 日以内のログのみが返されます。

ヒントヒント:

[ログの表示] モジュールの [設定] ボタンをクリックすることにより、サーバでディスク上にログを維持する期間を指定できます。詳細については、「Manager でのサーバ ログ設定の指定」をご参照ください。

[期間] フィルタで指定できる時間範囲の説明は次のとおりです。

時間範囲

説明

過去 15 分

過去 15 分以内にログに記録されたイベントを表示します。

過去 1 時間

過去 1 時間以内にログに記録されたイベントを表示します。

過去 6 時間

過去 6 時間以内にログに記録されたイベントを表示します。

過去 24 時間

過去 1 日以内にログに記録されたイベントを表示します。

過去 1 週間

過去 1 週間以内、またはサイトでディスク上にログを残すように指定した時間範囲内のイベントを表示します。

開始以降

前回サーバを起動してからログに記録されたイベントを表示します。または、サイトでディスク上にログを残すように指定した時間範囲内のイベントを表示します。

すべて

ArcGIS サーバをインストールしてからログに記録されたすべてのイベント、またはサイトでディスク上にログを残すように指定した時間範囲内のすべてのイベントを表示します。

ログ ソース

ログに記録されたイベントのソースは、サービスまたはサーバ自体です。サービスに関連付けられているイベントの場合は、サービスの名前と種類がソース プロパティとして表示されます。サーバに関連付けられているイベントの場合は、メッセージをログに記録したフレームワーク コンポーネントの名前がソース プロパティとして表示されます。

次に例を示します。

特定のサービスまたはサーバのフレームワーク コンポーネントを検索するには、サービスまたはコンポーネントの名前を [ソース] フィルタから選択します。ログに記録されたイベントに表示されるソースの説明については、以下の表をご参照ください。

注意注意:

以下で説明している AdminServerRest、および Soap ソースは、[ソース] フィルタの [サーバ フレームワーク] レベルの下に表示されます。これらのソースを検索するには、[ソース] ドロップダウン フィルタから [サーバ フレームワーク] を選択します。

ソース

説明

管理

メッセージが管理 API によってログに記録されたことを示します。管理 API とは、サーバを管理できるサーバ層です。たとえば、サイトの作成、コンピュータおよびサービスの追加、クラスタの構成などが可能です。

サーバ

サービスのインスタンス作成にかかわるサーバ フレームワークの一部によってメッセージがログに記録されたことを示します。

REST

メッセージがサーバの REST ハンドラによってログに記録されたことを示します。Rest コンポーネントは、全レベルのメッセージをログに記録します。

Soap

メッセージがサーバの SOAP ハンドラによってログに記録されたことを示します。Soap コンポーネントは、全レベルのメッセージをログに記録します。

<サービス名>.FeatureServer

ソースはフィーチャ サービスです。

<サービス名>.GeocodeServer

ソースはジオコード サービスです。

<サービス名>.GeoDataServer

ソースはジオデータ サービスです。

<サービス名>.GeometryServer

ソースはジオメトリ サービスです。

Geometry.GeometryServer

ソースは ArcGIS Server によってインストールされた事前設定済みのジオメトリ サービスです。

<サービス名>.GlobeServer

ソースはグローブ サービスです。

<サービス名>.GPServer

ソースはジオプロセシング サービスです。

CachingTools.GPServer

ソースは、ArcGIS Server でインストールされた事前設定済みのキャッシュ ツールで構成されています。

PrintingTools.GPServer

ソースは ArcGIS Server によってインストールされた事前設定済みの PrintingTools サービスです。

PublishingTools.GPServer

ソースは、ArcGIS Server でインストールされた事前設定済みの公開ツールで構成されています。

<サービス名>.ImageServer

ソースはイメージ サービスです。

<サービス名>.JPIPServer

ソースは JPIP サービスです。

<サービス名>.KmlServer

ソースは KML サービスです。

<サービス名>.MapServer

ソースはマップ サービスです。

<サービス名>.MobileServer

ソースはモバイル データ サービスです。

<サービス名>.NAServer

ソースはネットワーク解析サービスです。

<サービス名>.WCSServer

ソースは Web カバレッジ サービスです。

<サービス名>.WFSServer

ソースは Web フィーチャ サービスです。

<サービス名>.WMServer

ソースは Workflow Manager サービスです。

<サービス名>.WMSServer

ソースは Web マップ サービスです。

<サービス名>.WMTSServer

ソースは Web マップ タイル サービスです。

<サービス名>.WPSServer

ソースは Web プロセシング サービスです。

<サービス名>.SchematicsServer

ソースはスケマティクス サービスです。

<サービス名>.SearchServer

ソースはサーチ サービスです。

SampleWorldCities.MapServer

ソースは、ArcGIS Server でインストールされた事前構成済みの SampleWorldCities マップ サービスです。

Search.SearchServer

ソースは ArcGIS Server によってインストールされた事前設定済みのサーチ サービスです。

Search_indexer.GPServer

ソースは事前設定済みのサーチ サービスの accompanying _indexer ジオプロセシング サービスです。

<サーチサービス名>_indexer.GPServer

ソースはサーチ サービスの accompanying _indexer ジオプロセシング サービスです。

特定のコンピュータによってログに記録されたイベント

サイトに属している各 GIS サーバでは、そのコンピュータに特有の独自のログ セットが管理されます。特定の GIS サーバ コンピュータによってログに記録されたイベントを検索するには、[コンピュータ] フィルタから希望するコンピュータを選択します。

サーバ ログの検索

[ログの表示] モジュールで検索を実行すると、ログ メッセージ ウィンドウに、検索に一致する最近のメッセージ 1,000 件が表示されます。これらのメッセージの期間は、ログ メッセージ ウィンドウの最下部に表示されます。

検索で 1,000 件を超えるメッセージが返された場合、ログ メッセージ ウィンドウの最下部にある [古い] ボタンをクリックして次の一連のレコードに移動できます。同様に、[新しい] ボタンをクリックして時間的に先に移動することができます。

レコードを検索する際、ログ メッセージ ウィンドウは自動的に更新されないため、検索が実行された後にログに記録された新しいメッセージは検索結果に反映されません。検索の最新の結果を取得するには、[ログの表示] モジュールの [検索] をクリックします。

印刷に適した形式でのログの表示

検索を実行した後は、[印刷用の表示] リンクをクリックして、印刷に適した形式でログを表示することができます。この操作により、ログを HTML で表示する新しいブラウザ ウィンドウ(またはタブ)が開きます。この表示を使用してログを印刷したり、HTML をディスクに保存したり、ドキュメントやスプレッドシートにログをコピーして貼り付けたりすることができます。この方法で、自分のログ メッセージを組織の他のユーザや、必要に応じて Esri のテクニカル サポートと共有できます。

印刷用の表示では、実行した最後の検索と、ログ メッセージの現在の表示、および指定したログ プロパティしか表示されません。イベント ログ表示で列をソートするか、並べ替えた場合でも、HTML 表示は最初に検索が実行された元の列の状態に戻ります。必要な場合は、ログをスプレッドシートにコピーして貼り付けてから、アプリケーションのツールを使って列をソートするか、並べ替えてください。

ログの削除

ログを削除するには、[ログの削除] をクリックします。これにより、サイトに参加している各 GIS サーバからログ メッセージが削除されます。[ログの削除] をクリックした後、すべてのログが削除されることを確認するダイアログ ボックスが表示されます。

サーバの問題の原因となっている特定のシナリオのデバッグを実行しているときは、ログを削除することにより問題が明確になることがあります。たとえば、マップ サービスの特定のレイヤの描画パフォーマンスを判定しようとしている場合は、ログを削除し、リクエストをマップに送信し、次にログ メッセージ ウィンドウを更新してリクエスト イベントを表示すると、判定に役立つ場合があります。これにより、外部イベントのログがクリアされ、マップ サービスのデバッグに集中できます。

関連トピック

5/20/2014