カラー ランプの操作
シンボルのグループに色の範囲を適用する場合は、カラー ランプを使用します。カラー ランプは、[等級色] レイヤ シンボル オプションなどで使用されます。ArcMap では、Esri スタイルの [Color Ramps] スタイル フォルダに、あらかじめ定義されたカラー ランプの範囲が含まれています。カラー ランプには、標高や降水量を表示するなど、特定の用途に合わせて作成されたものがあります。また、カスタム カラー ランプを作成することもできます。
カラー ランプは次の 4 種類です。
- アルゴリズム: 指定した 2 つの終了色間の線形ストレッチ。平均所得のような数量分布の量や度合いを示します。
- ランダム: 継続的な定性値を表示するために設計された、ランダム カラーの交互配置バンド。
- マルチパート: 連続したバンドにおける他のカラー ランプ エレメントの組み合わせ。例として、ゼロ ポイントを含むエンティティ(人口増加や気温)を示すために設計されたカラー ランプが挙げられます。
- 既定: 個々に指定されたカラーのランプ。例として、標高を示すためのカラー ランプが挙げられます。
次に、カラー ランプの例を示します。
スタイル マネージャによるアルゴリズム カラー ランプの作成
手順:
- [カスタマイズ] → [スタイル マネージャ] の順にクリックします。
- スタイル ツリーで、新しいランプを作成するカラー ランプ フォルダをクリックします。
- シンボル コンテンツ ウィンドウの空いているスペースを右クリックし、[新規作成] をポイントして [アルゴリズム カラー ランプ] をクリックします。
- [アルゴリズム カラー ランプ プロパティ] ダイアログ ボックスで [色 1] をクリックし、ランプの開始色を設定します。
- [色 2] をクリックし、カラー ランプの終了色を設定します。
- カラー ランプ全体の黒と白の明るさの値を調整します。
- [OK] をクリックします。
- カラー ランプの新しい名前を入力します。
ヒント:
新しいカラー ランプを作成するよりも、すでに存在するカラー ランプを調整するほうが簡単な場合もあります。たとえば、標高などのデータを処理する場合は、スタイル フォルダの Elevation カラー ランプを選択します。これをコピーしてパーソナル スタイル フォルダに貼り付けます。ダブルクリックして編集し、(リストの一番上と一番下にある)水域や山間部などのデータにないパートを削除します。
[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスでのカラー ランプの作成
[レイヤプロパティ] ダイアログ ボックスの [シンボル] タブでは、シンボルに新しいカラー ランプを作成できます。
手順:
- コンテンツ ウィンドウで、定量的な値を表示するレイヤを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [シンボル] タブをクリックします。
- [数値分類] をクリックし、[等級色] をクリックします。
- [値] フィールドを選択し、必要に応じて [正規化] フィールドを選択します。
- [クラス] の数を設定するか、[分類] をクリックして分類手法を変更します。
- リストの一番上のシンボルをダブルクリックし、ランプの開始色を設定します。
- [OK] をクリックします。
- リストの一番下のシンボルをダブルクリックし、終了色を設定します。
- [OK] をクリックします。
- 必要に応じて、中間の任意のシンボルをダブルクリックして、その色を設定することができます。これにより、マルチパートのカラー ランプを作成することができます。
- シンボルの 1 つを右クリックし、[カラー ランプ] をクリックします。
- [OK] をクリックします。
ヒント:
- カラー ランプを右クリックして、[グラフィック ビュー] をオン/オフにすると、カラー ランプの表示をグラフィックとテキストの間で変更できます。
- ランプを右クリックして [スタイルに保存] をクリックすると、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスで作成したカラー ランプを保存することができます。新しいカラー ランプは、パーソナル スタイルに保存されます。
詳細:
3 つの ArcMap カラー ランプ アルゴリズムは、カラー スペクトルをトラバースするためのさまざまな手法を表します。どの方法でも少し異なる効果が得られるので、各自のニーズに最適な方法を使用します。
- HSV: HSV(H: 色相、S: 彩度、V: 値)による方法では、色 1 H と色 2 H、色 1 S と色 2 S、色 1 V と色 2 V の間で色の直線的なトラバースを使用します。基本的に、範囲内にあるすべての色が表示されます。HSV アルゴリズムは、ArcView 3.x のカラー ランプで使用されていたもので、おそらく最も理解しやすいカラー モデルですが、マップの読み取りに関しては、それほど直感的ではない可能性があります。
- CIE Lab: この方法では、範囲の内の色相領域をトラバースせずに、2 色をブレンドします。これにより、色 1 から色 2 までの滑らかな色の連続が得られます。多くの場合で、これは 2 色間の非常に望ましい滑らかなランプになります。このアルゴリズムは、カラー スペクトルを通る最短パスをたどります。カラー スペクトルを赤から始まり赤で終わる環と見なすと、環の円周上の最短距離で色が選択され、カラー ランプが作成されます。このアルゴリズムの欠点の 1 つは、色 1 と色 2 が大きく異なる場合、ランプ中間の近辺、つまり色環上で可能な最大距離に接近すると、色が濁って表示される可能性があることです。
- Lab LCh: このアルゴリズムは、CIE Lab に非常に似ていますが、色間の最短パスを探しません。代わりに、HSV モデルと同様に機能しますが、色のトランジションの効果を劇的に和らげます。
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5/10/2014