Amazon Web Services Windows インスタンス間での EBS ボリュームの移行

ArcGIS for Server AMI は、データの格納に個別の Amazon EBS(Elastic Block Storage)ボリュームを使用します。そのため、ArcGIS およびデータベース管理システム(DBMS)ソフトウェアは、データとは異なる場所に格納されます。インスタンス間でデータを移行するには、既存の EBS ボリュームのスナップショットを作成し、そのスナップショットからボリュームを作成して、新しいボリュームを別の ArcGIS Server on Amazon Web Services サイトにアタッチします。

既存のデータおよびサービスを新しい ArcGIS for Server AMI から作成されたサイトに移行する場合や、同じデータを持つサイトが複数必要な場合に、これを行います。

次のワークフローで、1 つの Windows ArcGIS Server on Amazon Web Services サイトから別のサイトにボリュームを移行する方法を説明します。

EBS ボリュームの移行に関するガイドライン

Windows インスタンス間でボリュームを移行するときは、次のことに注意してください。

ソース ボリュームを準備する

ボリュームのスナップショットを作成する前に、サービスを停止し、ArcGIS for Server を停止し、SQL Server データベースをデタッチし(使用している場合)、ボリュームをアンマウントし、既存の ArcGIS Server on Amazon Web Services サイトを停止します。

手順:
  1. ArcGIS Server Manager または ArcGIS for Desktop では、GIS サーバ上で実行されているすべてのサービスを停止します。
  2. 移行元インスタンスへのリモート デスクトップ接続を作成します。
  3. ArcGIS for Server を停止します。
    1. Windows の [サービス] ダイアログ ボックスを開きます。
    2. [サービス] リストで [ArcGIS Server] を右クリックして、[停止] をクリックします。
  4. SQL Server にジオデータベースがある場合は、デタッチします。
    • サイトが ArcGIS for Server Enterprise ライセンスを受けている場合は、SQL Server Management Studio を使用してデータベースをデタッチします。
    • サイトが ArcGIS for Server Workgroup ライセンスを受けている場合は、ArcGIS for Desktop を使用してデータベース サーバからジオデータベースをデタッチします。
      注意注意:

      ArcGIS for Desktop を使用するには、ライセンスを所有している必要があります。

移行するデータとサービスが格納されているボリュームのスナップショットの作成

移行元インスタンスの準備ができたら、移行するボリュームのスナップショットを作成します。基本的に、スナップショットの作成では、既存のボリュームのコンテンツのコピーが作成されます。

手順:
  1. Amazon Web Services Management Console ログインします。
  2. [EC2] リンクをクリックし、Amazon のリージョンに対応するページを表示します。
  3. [Volumes] をクリックします。
  4. 移行するボリュームを右クリックして [Create Snapshot] をクリックします。
  5. スナップショット リスト内での検索に役立つように、スナップショットの名前と説明を入力します。
  6. [Yes, Create] をクリックします。

移行先インスタンス

移行先インスタンスがまだ作成されていない場合はここで作成します。

移行先インスタンスを取得したら、そのインスタンスについて次の情報を記録します。

ブロック デバイス名は一意でなければならないため、新しいボリュームを移行先サイトにアタッチする際は、必ず既存のボリュームと異なる名前を新しいボリュームに指定してください。

デフォルトでは、ArcGIS for Server AMI は、EBS ボリューム名に xvdg という名前を使用します。

スナップショットからのボリュームの作成

移行先インスタンスにアタッチできるように、移行元ボリュームについて作成したスナップショットからボリュームを作成する必要があります。作成するボリュームのサイズは、元のボリュームと同じか、それよりも大きくできますが、小さくすることはできません。Amazon Web Services Management Console で次の手順を実行して、スナップショットから新しいボリュームを作成します。

手順:
  1. リージョンの EC2 ページに移動して、[Snapshots] をクリックします。
  2. 移行元ボリュームから作成したスナップショットを右クリックし、[Create Volume from Snapshot] をクリックします。
  3. 新しいボリュームのサイズを指定します。

    新しいボリュームのサイズは、元のボリュームと同じか、それよりも大きくできますが、小さくすることはできません。

  4. ドロップダウン リストから、移行先インスタンスについて記録したインスタンス ゾーンを選択します。
  5. [Yes, Create] をクリックします。
  6. [Volumes] をクリックします。

    新規 EBS ボリュームが作成中であることが表示されます。後で使用するためにボリューム ID を記録します。

    注意注意:

    ボリュームが作成されるまでに数分かかることがあります。

移行先サイトへの新規ボリュームのアタッチ

Amazon Web Services Management Console を使用して、新しいボリュームを移行先サイトにアタッチします。次に、移行先サイトに接続して、ボリュームをオンラインにします。

手順:
  1. Amazon Web Services Management Console で、新しい EBS ボリュームを右クリックして、[Attach Volume] をクリックします。
  2. ドロップダウン リストから、移行先インスタンスのインスタンス ID を選択します。
  3. 新しいブロック デバイスの名前を入力します。

    デバイス名はそのインスタンス上で一意でなければならないことに注意してください。

  4. [Yes, Attach] をクリックします。
  5. アタッチしたら、新しいボリュームをオンラインにします。
  6. 移行先インスタンスへのリモート デスクトップ接続を作成して、ArcGIS for Server を停止します。

    Windows インスタンスへのリモート デスクトップ接続の作成方法についての詳細は、「Windows リモート デスクトップ接続を使用した Amazon Web Services インスタンスの管理」をご参照ください。

  7. 移行先インスタンスで Microsoft Server Manager を起動します。
  8. [記憶域] ノードを展開し [ディスクの管理] をクリックします。

    新しいボリュームがオフラインであることに注意してください。

  9. グラフィカル ビューでディスク ボリュームを右クリックして [オンライン]をクリックします。

移行先サイトへのボリュームの置き換え

新しい ArcGIS Server on Amazon Web Services サイトに付属の空ボリュームを削除し、新しくアタッチされたボリュームを D サイトにマップし直して、(必要に応じて)ジオデータベースをアタッチします。

注意注意:

削除するのは、新しいサイトにアタッチしたボリュームではなく、空のボリュームのほうであることに注意してください。

ボリュームを削除するには、ジオデータベースをデタッチして(該当する場合)、デタッチするボリュームにポイントしているサービスを停止する必要があります。

手順:
  1. SQL Server Standard を使用している場合、Management Studio を起動し、SQL Server インスタンスからジオデータベースをデタッチして、次に SQL Server インスタンスを停止します。
  2. SQL Server Express を使用している場合、次の手順を実行してジオデータベースをデタッチし、データベース サーバを停止します。
    1. ArcGIS for Desktop を起動します。
    2. データベース サーバの各ジオデータベースを 1 つずつ右クリックし、[デタッチ] をクリックします。
    3. データベース サーバを右クリックして [切断] をクリックします。
    4. データベース サーバを右クリックして [停止] をクリックします。
  3. [サービス] ダイアログ ボックスを開いて、ArcGIS for Server サービスを停止します。
  4. 次に、古いボリュームをアンマウントします。
  5. 移行先インスタンスの Microsoft Server Manager で、[記憶域] ノードを展開し [ディスクの管理] をクリックします。
  6. 新しいサイトに付属のボリュームを右クリックし、[ドライブ文字とパスの変更] をクリックします。
  7. ドライブを選択してアンマウントし、[削除] をクリックします。
  8. ドライブの削除を確認するダイアログ ボックスが表示されたら、[はい] をクリックします。
  9. ArcGIS Server は、D ドライブ上にあるデータ ストア ファイルを使用するため、新しいボリュームを D ドライブにマップし直す必要があります。
  10. 新しくアタッチされたボリュームを右クリックし、[ドライブ文字とパスの変更] をクリックします。
  11. [変更] をクリックします。
  12. ドロップダウン リストから [D] を選択し、[OK] をクリックします。
  13. 確認を求められたら、[はい] をクリックします。
  14. すべてのアプリケーションを閉じて、移行先インスタンスから切断します。
  15. サイトを停止して古いボリュームを移行先インスタンスからデタッチします。
  16. ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services(Amazon Web Services Management Console ではありません)を使用してサイトを停止します。
  17. Amazon Web Services Management Console にログインします。
  18. [Volumes] をクリックします。
  19. 削除するボリュームのボリューム ID をメモします。デタッチ後にボリュームを識別するには、この情報が必要になります。
  20. 空のボリュームを右クリックし、[Detach Volume] をクリックします。
  21. [Yes, Detach] をクリックして確認します。
  22. デタッチされたボリュームが今後必要でない場合は、ボリュームを右クリックし、[Delete Volume] をクリックします。
    注意注意:

    ボリュームは一度削除すると復元できないため、必ず正しいボリュームを削除してください。

  23. [Yes, Delete] をクリックして確定します。
  24. ArcGIS Server Cloud Builder on Amazon Web Services(Amazon Web Services Management Console ではありません)を使用してサイトを起動します。

SQL Server データベースのアタッチ

すでに置き換えたドライブをマップし直しているため、SQL Server にジオデータベースがある場合は、それらをアタッチできます。

インスタンスに ArcGIS for Server Enterprise ライセンスが付与されている場合は、次の手順を実行します。

手順:
  1. 移行先インスタンスにログインします。
  2. SQL Server Management Studio を起動します。
  3. データが入っている既存のジオデータベースを、それらがある場所から新しくアタッチされたボリュームにアタッチします。

    手順の詳細については、「ArcGIS Server for Amazon Web Services インスタンス間での SQL Server のジオデータベースの移行」の「新規インスタンスへのデータベースおよびトランザクション ログ ファイルのアタッチ」セクションをご参照ください。

インスタンスに ArcGIS for Server Workgroup ライセンスが付与されている場合は、次の手順を実行します。

手順:
  1. 新しいインスタンスで ArcGIS for Desktop を起動します。

    新しいインスタンスで ArcGIS for Desktop を認証することを忘れないでください。ArcGIS Administrator で認証できます。

  2. 新しいインスタンスのデータベース サーバに接続します。
  3. 新しいボリュームからデータベース サーバにジオデータベースをアタッチします。

    データベース サーバへのジオデータベースをアタッチする手順の詳細については、「ArcGIS Server for Amazon Web Services インスタンス間での Workgroup ジオデータベースの移行」の「新規インスタンスへのジオデータベースのアタッチ」セクションをご参照ください。

すべてのデータにアクセスできるようになると、サービスを再起動または再公開できます。

サービスの再起動

ボリュームに移行したサービスを再起動できます。ジオデータ サービスでは、最初にレプリカ プロパティを設定し直して、新しい ArcGIS Server on Amazon Web Services サイトのジオデータ サービスにポイントさせる必要があります。

レプリカ マネージャを使用してレプリカ ターゲットを設定し直します。

手順:
  1. ArcMap または ArcCatalog を起動します。
  2. 新しい ArcGIS Server on Amazon Web Services サイトへの GIS Server 接続を作成します。
  3. 親レプリカ ジオデータベースに接続します。
  4. ジオデータベースを右クリックし、[分散ジオデータベース] にポイントして、次に [レプリカの管理] をクリックします。

    [レプリカ プロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。

  5. リストの レプリカを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
  6. [高度な設定] タブをクリックします。
  7. 新しい ArcGIS Server on Amazon Web Services サイトのジオデータ サービスを参照して、新しい相対レプリカ接続を設定します。
  8. [OK] をクリックして [レプリカ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
  9. レプリカ マネージャを閉じます。
  10. ArcGIS for Desktop または ArcGIS Server Manager からサービスを再起動します。
5/16/2014