サーフェスの形状の概要

サーフェスの形状の全体像を把握するためのよい方法の 1 つは、3D で表示することです。サーフェスを拡大、縮小したり、回転することによって、サーフェスをさまざまな角度から見ることができます。印刷されたマップにサーフェスを表示する必要がある場合、サーフェスを表すコンター ラインを作成すると便利です。次の図は、同じエリアを、サーフェスの 3 次元陰影起伏表示(左)とコンター ラインの平面表示(右)で示したものです。

テレインの陰影起伏表示
コンター ライン表示

ArcGIS 3D Analyst エクステンションは、個々のコンターやサーフェス全体のコンターを作成できるツールを提供します。経験豊富なユーザであれば、コンターの間隔が狭いサーフェスは傾斜角が大きいことがわかり、コンターの形状から尾根線や河川を特定できます。コンター ラインからサーフェスの形状の印象をつかむことはできますが、解析の入力としてはあまり便利ではありません。

ArcGIS 3D Analyst エクステンションには、サーフェスの形状をより定量的に解析できるツールもあります。[傾斜角(Slope)] は、建設に適した傾斜の緩やかなエリアや、浸食や地滑りが起こりやすい傾斜の急なエリアを見つけるための解析によく使用されます。[傾斜方向(Aspect)] は、傾斜が受ける太陽光の量を測定するのによく使用されます。たとえば、植生の成長速度、雪が解けるまでにかかる時間、建物が受ける太陽熱などのモデル化に使用します。

ラスタおよび TIN における傾斜角と傾斜方向

以下の図は傾斜角と傾斜方向を示しています。左側の図では、赤色の陰影は傾斜角が急であることを示します。右側の図では、西に面する傾斜は濃い青色で、南東に面する傾斜は黄色で示されています。

傾斜角の表現
傾斜方向の表現

ラスタおよび TIN のモデルでは、サーフェスの傾斜角と傾斜方向は異なる方法でモデル化されます。ラスタでは、傾斜角と傾斜方向は、平面を各セルの Z 値とその周囲の 8 個のセルに合わせることによって各セルごとに算出されます。平面の傾斜角または傾斜方向は、新しいラスタのセルの傾斜角または傾斜方向の値になります。TIN(Triangulated Irregular Network)では、それぞれの三角形のフェイスが傾斜角と傾斜方向を持つ平面を定義します。これらの値は、ユーザが平面を検索またはレンダリングすると、必要に応じてすばやく計算されます。

サーフェスの陰影起伏表示

陰影起伏は、特定の角度からサーフェスに光を当てた場合の、サーフェスの明るい部分と暗い部分のパターンです。陰影起伏は、3D サーフェスの奥行きの印象度を高め、ある位置での日射量を解析するのに便利です。

サーフェスの陰影起伏を取得するには 2 つの方法があります。1 つめの技術は、3D での表示に奥行きを追加するのに最も便利な方法であり、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [レンダリング] タブを使って、ArcScene のレイヤの陰影処理をオンにします。これにより、シーンのイルミネーション設定を使って、リアルタイムにレイヤ(任意のサーフェスまたは空中の 3D フィーチャ レイヤ)が陰影処理されます。TIN では、陰影起伏表示はデフォルトでオンになっています。ラスタの場合は、すべてのラスタがサーフェスであるとは限らないため、オンにする必要があります。

次の図は、陰影起伏がない場合(左)とある場合(右)のテレインの 3 次元表示を示しています。

陰影起伏がない 3D テレイン
テレインの陰影起伏表示

2 つめの技術は、解析時の入力として、また、ArcMap における 2D サーフェスの奥行きの感覚を高めるために便利なものであり、[3D Analyst] ツールバーの [陰影起伏(Hillshade)] サーフェス解析ツールを使用します。これにより、部分的に透明にすることが可能で、標高レイヤを使って 2D(または 3D)で表示できる新しい陰影起伏ラスタが作成されます。以下の図は左から順に、2D の標高ラスタ、透明な陰影起伏ラスタ、および陰影付きの陰影起伏図を示しています。

2D の標高ラスタ
透明な陰影起伏ラスタ
陰影付きのレリーフ マップ

ラスタおよび TIN からのコンター ラインの取得

コンターは、入力グリッドまたは TIN において、同じ高さの値(またはその他の値)を持つすべての連続する場所を結ぶラインです。ArcGIS 3D Analyst エクステンションでコンターを作成するには、次の 2 つの方法があります。

ArcGIS 3D Analyst エクステンションを使用したコンター作成の詳細

グリッドからコンターを作成する場合、コンター作成関数がセルの中心の間にラインを内挿します。ラインがセルの中心を通過することはほとんどなく、セルの境界線に沿うことはありません。対象的に、TIN からコンターを作成する場合は、関数は線形内挿を使って、コンター値にまたがる各トライアングルを横切る直線を内挿します。

左側の図は、ラスタ サーフェスから作成されたコンターを示しています。右側の図は、TIN サーフェスから作成されたコンターを示しています。

ラスタ サーフェスから作成されたコンター
TIN サーフェスから作成されたコンター

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7/28/2014