商圏同士のオーバーラップを除去(Remove Trade Area Overlap)の仕組み(Business Analyst)
[商圏同士のオーバーラップを除去(Remove Trade Area Overlap)] ツールは、Business Analyst で生成された商圏または顧客分布商圏間のオーバーラップを除去します。オーバーラップは、ティーセン ポリゴンまたはグリッドによる方法を利用して、交差エリア間の中間点を特定することで除去されます。
オーバーラップを除去する方法
交差している 2 つの商圏ポリゴンがあるとします。
以下の例では、水色でハイライト表示されたエリアがオーバーラップしているエリアを表しています。2 つの三角形のシンボルは、各商圏の店舗を表しています。
Business Analyst の [商圏同士のオーバーラップを除去(Remove Trade Area Overlap)] ツールは、交差エリアを分割することによってのみオーバーラップが除去されるという前提に基づいています。ツールは、オーバーラップしていないエリアを他の店舗に割り当てません。上の例では、青色で表示されるエリアのみが [商圏同士のオーバーラップを除去(Remove Trade Area Overlap)] ツールによる影響を受けます。
オーバーラップを除去する方法には、以下の 2 つがあります。
方法 1 - ティーセン ポリゴン
ティーセン ポリゴンによる方法では、直線を使用してオーバーラップしているエリアを分割することで、2 つ以上の商圏間のオーバーラップを除去します。この方法では、一連の幾何補正関数を使用して、オーバーラップしていない商圏を作成します。まず、各店舗および隣接する店舗間にラインが描画されます。
次に、店舗間に描画されたラインを直角に二等分する垂直線が描画されます。以下の点線が 2 つの店舗の場所の中間点に描画され、2 つの商圏間の分割線を表します。
方法 2 - グリッド
グリッドによる方法では、店舗の重み付けとオーバーラップしているポリゴンの形状を考慮に入れ、より自然な分割線を作成します。
このグリッドによる方法では、一連の幾何補正関数を使用して、オーバーラップしていない商圏を作成します。まず、各店舗および隣接する店舗間にラインが描画されます。次に、店舗を通り、店舗間に描画されたラインに直交する 2 本の平行線が描画されます。以下の赤色で表示されるエリアは、交差しているターゲット エリアを表しています。このエリアは、2 つの垂直線の間に含まれる 2 つの商圏間のオーバーラップしているエリアを特定することで決定されます。
交差しているエリアが決定されると、2 つの店舗間に平行線を描画することにより、グリッドが作成されます。以下に、簡単な例を示します。
各グリッド線がオーバーラップのない商圏に分割されるよう、赤色のエリア内で交差ポイントが決定されます。上の黄色のポイントは、中間点が決定される様子を表しています。これらのポイントをつなげることで、オーバーラップしている商圏間の分割線が表されます。
グリッドによる方法において、交差ラインを描画する場所を決定する、3 つの異なる方法があります。これらの 3 つの方法によって、中間点を使用して 2 つのポリゴン間にラインを描画し、オーバーラップを除去する方法が決定されます。具体的には、これらの 3 つの方法によって、2 つの商圏間にオーバーラップしていないラインを作成するための黄色の点を配置する場所が決定されます。
- [重みフィールドの使用] - この重み付けによる方法では、指定した数値の重みフィールドを使用して、中間点の場所を決定します。上の図では、2 つの商圏の重み付けの比率が、交差エリアの平行なグリッド線を分割するのに使用されます。たとえば、各店舗のサイズ(総賃貸面積または店舗面積)の比率を使用して、オーバーラップするエリアを描画する場所を決定することができます。緑色の店舗が赤色の店舗よりも大きい場合、黄色の点は右側に移動し、結果として出力される商圏は緑色のほうが大きくなります。
- [商圏の面積を重みとして使用] - 重み付けを決定する数値の属性データが存在しない場合、商圏の面積を使用して、中間点の場所を決定することができます。上の図では、2 つの商圏の面積の比率が、交差エリアの平行なグリッド線を分割するのに使用されます。この方法では、特定の市場において、大きな商圏ほど影響力が強いことを前提としています。たとえば、緑色の店舗の商圏のほうが大きい場合、黄色の点は右側に移動します。
- [交差するグリッド線の実際の中間点を使用] - この方法では、赤色で表示されるエリアにおいてグリッド線が等分されるように、中間点が配置されます。平行なグリッド線のそれぞれの長さを計測し、各ラインを店舗間で等分することにより、幾何学的な中間点が決定されます。