SOLAP による店舗への顧客の割当て(Assign Customers To Stores By SOLAP Data)ツールの仕組み
OLAP(オンライン解析処理)を使用すると、ユーザはさまざまな観点からデータを抽出し、表示できます。たとえば、ユーザは、データを分析して、今会計年度にワシントン DC で販売された PC の売上をすべて表示するように要求できます。さらに、前会計年度の同製品の売上、および同じ期間のワシントン DC における他のコンピュータ製品の売上と比較するように要求することもできます。
この種の解析をさらによく理解するために、OLAP データを Data Cube と呼ばれる多次元データベースに格納します。これは、2D テーブルの多次元拡張です。ここで、リレーショナル データベースに格納された典型的なデータは 2 次元と考えられ、多次元データベースは各データ属性(製品ライン、販売市場、期間など)を別の次元として解析します。OLAP ソフトウェアは、次元の交差部分(特定の期間中に米国東部で販売された、ある価格以上のすべての製品)を見つけて、それを表示できます。期間などの属性は、サブ属性に分割できます。
SOLAP データは、空間コンポーネントを考慮に入れた GIS データと OLAP データ間の同期を参照します。SOLAP ツールは、「空間データベース内で迅速かつ簡単なナビゲーションを可能にし、多くのレベルの情報精度、多くのテーマ、多くの期間、同期または非同期の多くの表示モード(マップ、テーブル、ダイアグラム)を提供するタイプのソフトウェア」と定義できます(Bédard, Y., M. J. Proulx, S. Rivest, 2005. Enrichissement du OLAP pour l'analyse géographique: exemples de réalisation et différentes possibilités technologiques. In: Bentayeb, F., O. Boussaid, J. Darmont, S. Rabaseda, (Eds.), Entrepôts de Données et Analyse en ligne, RNTI B_1. Paris: Cépaduès, pp. 1–20)。
OLAP からのデータは、基本的に既存の顧客対店舗の割り当てを持っていません。Data Cube は通常、ある顧客がある店舗で何かを購入したという事実だけを格納します。同じ顧客が複数の店舗で商品を購入できます。
Business Analyst と SOLAP をシームレスに統合するために、ここに 2 つのアイデアを示します。
- ある店舗で購入実績(> 0)がある顧客をその店舗に割り当てます。顧客が複数の店舗で購入している場合、その顧客のレコードは複数存在することになります。各レコードは、同じジオメトリ(ポイント)を持ちますが、店舗への割り当てと売上価値は異なります。
- 各顧客を、その顧客が最も頻繁に購入している店舗に割り当てます。SOLAP では、ユーザが多数の売上フィールドを持つ顧客レイヤを作成できます。たとえば、7 つの店舗、2004 年の 4 四半期、2005 年の 4 四半期、3 つの製品カテゴリごとにフィールドを作成すると、7 * (4 + 4) * 3 = 168 フィールドに異なる売上情報が格納されます。このように多数のフィールドがあると、顧客がどの店舗で頻繁に買い物をしているか簡単に判断できません(オプション #2)。ユーザは、一組のフィールドを構成する UI を指定し、顧客が最も頻繁に買い物をする店舗を選択するための基準を提供することが必要になります。
たとえば、次のような組み合わせが考えられます。
基準 = [Q1 の食品売上] + [Q2 の食品売上] + 3 * [Q3 の食品売上] + 0.5 * [2005 年の飲み物売上]
これにより、顧客はこの基準の値が最も大きい店舗に割り当てられます。さらに、ユーザは任意の VBS スクリプトを使用して基準を作成できます。

このスクリプトのフィールド名は論理名であり、実際には店舗ごとにフィールド名が異なります。ユーザは店舗ごとにスクリプトを作成する必要があります。