水文解析のサンプル アプリケーション

ArcGIS Spatial Analyst エクステンションのツールボックスに含まれる水文モデル ツールは、サーフェスの物理的な構成要素を表す方法を提供します。水文解析ツールでは、窪地の抽出、流向の決定、累積流量の計算、集水域の特定、および河川ネットワークの作成ができます。以下の図に、標高モデルから得られた河川ネットワークを示します。

標高モデルから得られた河川ネットワークの例
標高モデルから得られた河川ネットワークの例

標高ラスタまたはデジタル標高モデル(DEM)を入力データとして使用すると、自動的に集水システムを作図して、その特性を定量化できます。以下の図に、DEM から集水域と河川ネットワークを計算する手順を示します。

  1. 水文解析の対象の DEM です。

    入力 DEM サーフェス
    入力 DEM サーフェス
  2. DEM を [流向ラスタの作成(Flow Direction)] ツールの入力として使用すると、各セルから流出する水の方向が決まります。

    流出する方向が決まる
    流出する方向が決まります。
  3. [窪地の抽出(Sink)] ツールで、元の DEM にある窪地が特定されます。窪地は通常、周囲の値よりも小さい、正しくない値です。上の図に示された陥没(別の色で表された散在するポイント)は、水が流入して流出しないので問題です。排水を適切にマッピングするために、[サーフェスの平滑化(Fill)] ツールを使用してこれらの陥没を平滑化することができます。

    特定された窪地
    窪地が特定されます。
  4. [集水域ラスタの作成(Watershed)] ツールを使用して、指定位置の集水域を特定できます。ただし、河川ネットワークのみを計算する場合は、このステップを省略できます。

    特定された集水域
    集水域が特定されます。
  5. 河川ネットワークを作成するには、[累積流量ラスタの作成(Flow Accumulation)] ツールを使用して、その位置に流れ込む、上り方向のセルの数を計算します。前のステップで作成した出力流向ラスタが、入力として使用されます。

    累積流量
    累積流量出力
  6. [累積流量 (Flow Accumulation)] ツールから得られたラスタに閾値を指定できます。最初のステップは、河川ネットワーク システムを指定することです。この作業は、[Con] ツールか、マップ代数演算を使用して行うことができます。[Con] ツールで使用する一般的な構文の例は、newraster = con(accum > 100, 1) です。流れ込むセルが 100 個を超えるセルはすべて、河川ネットワークを構成します。

  7. ネットワーク内の各セグメントの次数を表すには、[河川次数ラスタの作成(Stream Order)] ツールを適用します。次数付けには、Shreve と Strahler の手法を使用できます。

    河川の次数付け
    河川の次数付けの出力
  8. [流長ラスタの作成(Flow Length)] ツールを使用して、指定した集水域内にある各セルから、上り方向または下り方向のフローのパスの長さを求めることができます。これは、集水域を水が移動する時間を計算する場合に役立ちます。

    フローの長さ
    フローの長さの出力

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7/28/2014