ArcGIS で A.TOC ファイルを使用する場合の推奨事項
A.TOC ファイルは性質および構造上はイメージ カタログですが、ArcMap では 1 つのラスタ データセットとして処理されます。この前提に基づき、A.TOC は 1 つのプロパティ セットを持つものであると期待されます。たとえば、セル サイズもカラー マップも 1 つだけしか存在できません。しかし、A.TOC ファイルは常に同質のラスタ データセットを格納するように作成されるわけではないので、ArcGIS では完全にはサポートされていません。
A.TOC ファイルが ArcGIS によってサポートされない典型的な状況は 2 つ考えられます。
- 1 つの A.TOC ファイルがさまざまなセル サイズのデータを参照する場合。これは、RPF データの親ディレクトリが、さまざまな緯度ゾーンのデータのサブフォルダを含んでいる場合に発生します。各緯度ゾーンは異なるセル サイズを持ちます。
- 1 つの A.TOC ファイルが 2 種類の RPF 製品を参照する場合。たとえば、A.TOC ファイルが GNC 製品と JNC CADRG 製品の両方を参照した場合は機能しません。それぞれの仕様に従って、GNC 製品と JNC CADRG 製品には、意図されたそれぞれの使用ニーズに対応する別々のカラー マップが存在しているからです。
A.TOC ファイルを使用する場合のもう 1 つの問題は、相対パスによるデータの参照です。何らかの理由でデータまたは A.TOC ファイルが移動された場合、ソース データへの接続が切れてしまいます。
こうした理由によって、一般的には A.TOC ファイルの実稼動システムでの使用を避けることをお勧めします。ArcGIS でこのラスタ データ ソースを使用する最も効率的は方法は、RPF タイルを直接参照することです。
さらに、イメージ サービスの作成時には、RPF タイルを直接参照することでパフォーマンス上の利点を得られます。イメージ サービスが、いくつかの小さいファイル(個々の RPF タイルなど)の代わりに 1 つの大きなファイル(A.TOC など)を参照した場合、パフォーマンスの低下が発生するからです。
5/10/2014